back number すべてが生々しく素直に胸に染みる演奏、初めてとは思えない堂々たるアリーナライブ
back number 撮影=佐藤祐介
back number tour 2016 "ミラーボールとシャンデリア"
2016. 6.19(SUN)幕張メッセ 国際展示場9・10・11ホール
back numberにとって過去最高のチャートアクションとセールスを記録した傑作アルバム『シャンデリア』の世界を、より豊かに表現するための全国ツアー『ミラーボールとシャンデリア』。1月から始まった“ホール編”は4月末でファイナルを迎え、間髪入れずに始まった“アリーナ編”は、この日、6月19日の幕張メッセ公演で5本目を迎えた。
back number 撮影=佐藤祐介
はソールドアウトと聞いていたが、だだっ広い国際展示場9・10・11ホールをぶちぬいた空間に、16,000人の人間が詰めかけている様子を目の当たりにすると、やはり壮観だ。前日の公演もソールドアウトだったので、幕張2日間で32,000人。流行りに乗らず、奇を衒わず、ただ歌と言葉だけを律儀に聴かせてきたバンドがここまで来た、それは現代の音楽シーンにおいてちょっとした奇跡と言える。そして、あとに続く多くの“歌もの”バンドたちへの道しるべにもなる。これはいい歌だと信じるものを作れば、聴く人に必ず届く。back numberの歌を口ずさむと、どこか懐かしいようなほっとした気分になれるのは、そんな小さな奇跡が今もまだ生きていることへの、安心感かもしれないとふと思う。
「行くぞ! 幕張!」
清水依与吏が叫ぶ。音楽ホールではないのに、意外にも音が良く聴こえるのは、おそらくすべての音響機材を駆使して依与吏の“歌”に焦点を当てているから。サポートも入れて6人編成の分厚いサウンドだが、どの楽器も歌を支える役割に徹しているので、言葉がはっきり聴こえてくる。ドラムの栗原寿は白いシャツ、ベースの小島和也は光沢のある青いシャツ、依与吏はちょっと気取って白いジャケットを着こんでいる。が、弾いているのは塗料のはげた使い慣れたギターというところが彼らしい。リードギターもばりばり弾くが、その歌声と同じく飾りのない素朴な音色だ。
back number 撮影=佐藤祐介
back number 撮影=佐藤祐介
back number 撮影=佐藤祐介
「来てくれてよかった。見てほしかったんだ。うん」
MCというよりも、友達に話しかけるような言葉。彼らにとっても、これだけでかいステージは大きな挑戦だが、だからこそ“一人ひとりに向けて話し、歌う”といういつものスタイルを貫くしかない。「依与吏、愛してる!」と野太い声援が飛び、客席がどっと沸く。ファンも自然体だ。
まだツアー中、セットリストは明かせないが、せつなすぎるバラードも、ミラーボールがぐるぐる回るダンスチューンも、あのヒット曲も、すべてが生々しく素直に胸に染みる。寿が「うしろ! まん中! 前!」と客席に呼びかけ、そのたびに大歓声が返ってくるのに満足し、「武将になった気分(笑)」と、よくわからない感想で笑いを誘う。3人とも演奏に対する緊張感を持ちつつ、メンタルはとてもリラックスしている。
「楽しいというよりも、幸せな気持ちでいっぱいです」
何度も「ありがとう」を繰り返す依与吏に、あたたかい拍手が送られる。特殊効果や演出に凝ることなく、歌を聴かせることに特化したおかげで、遠くの席からでもじっくりと音楽を楽しむことができた。back numberにとって初めてのアリーナツアーは、初めてとは思えない堂々たるものだった。
back number 撮影=佐藤祐介
幕張2日間で32,000人、しかもを買えなかった人がいたということは、近い将来には50,000人入るあの場所も? と問いかけても、きっと3人は、“僕らは目の前のライブに全力を尽くすだけです”と答えるだろう。一人ひとりに向けて歌う、back numberのスタイルを保ったまま、どこまで大きくなれるのか。ちょっとした奇跡が本物の奇跡になる、その道を3人はしっかりと歩き続けている。
撮影=佐藤祐介 文=宮本英夫
back number 撮影=佐藤祐介
2016年5月25日発売
UMCK- 5599 ¥1,000+税
<収録曲>
1. 僕の名前を
2. パレード
3. ひとくいにんげん
4. 僕の名前を instrumental
5. パレード instrumental
6. ひとくいにんげん instrumental
※全箇所ソールドアウト
6月04日(土)【愛知】名古屋 日本ガイシホール
6月05日(日)【愛知】名古屋 日本ガイシホール
6月18日(土)【千葉】幕張メッセ国際展示場 9・10・11ホール
6月19日(日)【千葉】幕張メッセ国際展示場 9・10・11ホール
6月29日(水)【大阪】大阪城ホール
6月30日(木)【大阪】大阪城ホール
7月09日(土)【福岡】マリンメッセ福岡
7月10日(日)【福岡】マリンメッセ福岡(追加公演)
7月14日(木)【東京】日本武道館(追加公演)
7月15日(金)【東京】日本武道館(追加公演)
7月23日(土)【群馬】ヤマダグリーンドーム前橋
7月24日(日)【群馬】ヤマダグリーンドーム前橋
<ツアー特設サイト>http://backnumber.info/tour2016
2016年8月6日(土)より全国東宝系にて3D/2D公開
<ストーリー>
大好きな飼い主と突然はなればなれになってしまった黒猫のルドルフ。迷い込んだ長距離トラックで辿り着いた先は、大都会・東京。
そこで出会ったのは町で最も恐れられている大きなボス猫・イッパイアッテナ。ルドルフは故郷へ帰ることもできずイッパイアッテナとともにノラ猫として生きていくことに。
しかし、イッパイアッテナには思いもよらないヒミツがあったのです――。
<出演>
井上真央、鈴木亮平、八嶋智人、古田新太
原作: 「ルドルフとイッパイアッテナ」(斉藤洋・作)
監督:湯山邦彦・榊原幹典
脚本:加藤陽一
製作:2016「ルドルフとイッパイアッテナ」製作委員会
配給:東宝
公式サイト:http://www.rudolf-ippaiattena.com/
公式Twitter:@rudo_ippai
公式ハッシュタグ:#ルドルフとイッパイアッテナ