宇多丸が「FROGMANさんは映画をわかっている」とベタ褒め!杉田智和、若本規夫らの‟ここだけの話”も……映画『鷹の爪8』先行試写会

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2016.8.12
左から、FROGMAN、宇多丸、上野アサ、吉田くん

左から、FROGMAN、宇多丸、上野アサ、吉田くん

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8月11日、アニメ映画『鷹の爪8~吉田くんのX(バッテン)ファイル』の先行試写会が東京・神楽座にて開催され、監督・脚本・声の出演のFROGMANと、声の出演の上野アサ、ゲストの宇多丸、そして吉田くんが登壇した。
 

 

『鷹の爪8 ~吉田くんのX(バッテン)ファイル~』はアニメ『鷹の爪』シリーズの約3年ぶりとなる劇場最新作。20世紀の島根県・吉田村を舞台に、小学生・吉田くんの活躍を描く。吉田くんと仲間たちは、未来から来た世界連邦捜査局・X(エックス)捜査課のモレルダー&ナスカリー捜査官とともに、“呪いのビデオ”の捜索し、UMA(未確認生物)やオーパーツ、超常現象など、摩訶不思議な出来事に遭遇する。

ゲストの宇多丸は過去にFROGMAN監督の『古墳ギャルのコフィー』で声優デビューを果たしている。一方の上野は、FROGMANの初期作品から女性キャラクターの常連声優として活躍してきた。映画評論家としても知られている宇多丸がゲストだけに、トークはFROGMANの演出テクニックや現場でのエピソードなど、制作にまつわる熱い話題が中心に。

 

宇多丸

宇多丸

 

まず、いち早く本編を観た宇多丸は「思いもよらず泣かされました。さすがFROGMANさんは映画をわかっている」「今どきの娯楽映画の悪いところは、ダラダラ長いこと。(『鷹の爪8』は)タイトで素晴らしかったです」とベタ褒め。上野も「今までの『鷹の爪』は子ども向けに作っている感じではなかったんですが、今回はコロコロコミックの原作ということでやさしいフワッとした、温かい気持ちになりました」と作風の変化を語った。

 

上野アサはFROGMAN作品の女性キャラクターのほとんどを担当する常連声優

上野アサはFROGMAN作品の女性キャラクターのほとんどを担当する常連声優

 

宇多丸はFROGMAN作品との出会いがTOHOシネマズのマナームービーだったことを明かし、「映画の前に余計なものが付くのは映画ファンは喜ぶことじゃないんだけど、鷹の爪団は面白かった」「映画『タイタニック』のネタで、‟ケイト・ウィンスレットが重すぎてディカプリオが沈む”みたいなのを観て、映画を観る人のツボをわかっていると思った」「ふざけたパロディに見えるけど、骨格がちゃんとしている。何が面白いかをちゃんとわかっている」と当時の衝撃を振り返る。

FROGMANは、劇中で宇宙人の‟グレイ司令官“を演じた若本規夫(『ドラゴンボール』シリーズのセル役など)のエピソードを‟ここだけの話”として暴露。「収録に来られて台本を渡したら、『こんなのぉ~つまんねぇ~なぁ~』って言い出したんですよ」「『ハチャメチャな映画にするなら、これぐらいやらなきゃあ~ダメだろぅぉ~?』と言って、いきなり第一声が台本にまったく無い言葉から始まった」などと若本の声マネを交えつつ、セリフが大きく改変されたことを面白おかしく再現してみせた。宇多丸も「声優の概念を超えましたね(笑)」と、若本の自由な演技に驚きを隠せない。

 

 

また、FROGMANは、若本ら声優の自由な演技にあわせて画を調整していたことも明かした。すると宇多丸は「しゃべりに合わせて画を変えるのは、ピクサーやディズニー方式ですね。正確なリップシンク(口パク)みたいな」と指摘。FROGMANは「プレスコ(編注:プレスコアリング。先に音声を収録する手法)って面白いんですよね。設定でガチガチにはめて声優さんの自由を奪うんじゃなく、声優さんのアイデアをいただいて作り直せるんです」と制作過程を振り返り、森川葵や杉田智和らの演技を活かすための工夫を語っている。

続けて宇多丸は、FROGMANの画づくりを「単調にならないように奥行き、画面のレイアウトに気を使われている」と称賛。FROGMANは「必ず手前に人物がいるとすると、奥にグループで何かがいる。バストショットを横に並列させてしまうと、ペタッとした平面的な画になってしまう。映画は奥行き感が大事なので、配列に気を付けています」とテクニックを明かす。宇多丸も「Flashアニメで制限されている中で、バストショット中心。制限されているからこそ、その中でどうするかというクリエイティブな画ができやすいんだと思いますね。何でもできると思っていると、逆にフラットな画になりやすい」と考察するなど、制作についての熱いトークが繰り広げられた。

 

 

また、FROGMANは「今回は杉田智和くんが『鷹の爪』が大好きなので、どんどんアドリブかましていいよって言ったら、ガンガンかましてきたんです」「そういうものも許容しながらやっていったんで、楽しかったですよ」と声優陣とのやりとりを明かし、「いままでの作品の中で一番声優さんを使っているんじゃないですかね」と新たな『鷹の爪』の魅力をアピールしていた。

最後にFROGMANは「こういうギャグ映画は、作っているときは正直一ミリも笑えないんです。『こんなにつまんない映画を作りやがって』と言われるんじゃないかと心配をしていた」と明かしつつ、「初号試写や完成披露でみなさんに『すごい面白かった』とおっしゃっていただいて、自分でも自信を取り戻しているところです」と自信をのぞかせ、「シリーズ化していきたいので、必ずいいことだけを(SNSで)拡散してください(笑)」とコメントしていた。

なお、8月20日にFROGMANは、宇多丸がパーソナリティーをつとめる『ライムスター宇多丸のウィークエンド・シャッフル』(TBSラジオ)に出演するという。さらに映画を掘り下げたトークが繰り広げられるのか、あるいはそれ以外のサプライズがあるのか、気になるかたは放送をチェックしよう。


映画『鷹の爪8 ~吉田くんのXファイル~』は8月20日(土) 先行公開、8月27日(土) 全国拡大公開。
 

作品情報

鷹の爪団10周年記念作品
『鷹の爪8 ~吉田くんの×ファイル~』
 


 
監督・脚本・声の出演:FROGMAN
原案・まんが:FROGMAN・おおわき正義
(『鷹の爪 吉田くんの X(バッテン)ファイル』小学館『月刊コロコロイチバン!』にて連載中)
声の出演:森川葵(里美役) 内田彩(つっちー役) 犬山イヌコ(キュウ助役) 杉田智和(モレルダー役)
松本梨香(ナスカリー役) 若本規夫(グレイ司令官役) 真壁刀義・本間朋晃(本人役)ほか
主題歌:モン吉「一期一会」(ドリーミュージック・)

【ものがたり】
20世紀、島根県・吉田村。秘密基地で遊んでいた地元の小学生・吉田くんと仲間たちのもとに、未来からタイムトラベルで世界連邦捜査局・X(エックス)捜査課のモレルダー&ナスカリー捜査官がやってきた。彼らはともに、未来で怪事件を発生させているという「呪いのビデオ」の捜索を始める。しかし、その行く手には UMA(未確認生物)、オーパーツ、超常現象など、思わず寄り道したくなる摩訶不思議な出来事が次々に出現!果たして吉田くんたちの大冒険の結末や如何に……?

配給:DLE/プレシディオ
映画オフィシャルサイト:www.takanotsume.jp/xfile

【前売り券情報】
鷹の爪8特製ピンバッジ付ムビチケカード
一般1,400円、小人900円、親子ペア2,200円 発売中
 


 
© 「鷹の爪 8」製作委員会

 

関連情報
鷹の爪10周年記念
鷹の爪団のSHIROZEME 2016 in 国宝松江城
 


開催日:2016年9月17日(土)
会場:島根県松江市 松江城、および周辺施設と周辺エリア (島根県)
発売中



詳細は公式サイトにて:http://shirozeme.com/
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