舞台「パタリロ!」の主演・加藤諒が「謁見の儀」チョイチョイ見せたキメ!にパタリロ殿下の意気込み充分
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舞台化の決定以来、大反響を呼んでいる舞台「パタリロ!」。主人公を演じる加藤諒が「謁見の儀」を開き、“パタリロ殿下”としていよいよ最初のお言葉を述べた。原作は、1978年『花とゆめ』(白泉社)で連載を開始し、82年にアニメ化された魔夜峰央のギャグ漫画『パタリロ!』。年代的には加藤の両親世代以上(40~50歳代)がオンタイムだろうが、現在もWebマガジン『花LaLa online』で連載中とあり、若者世代もその奇抜なキャラクターを見知っているのは間違いない。主役のパタリロは正式名パタリロ・ド・マリネール8世。10歳のマリネラ王国国王だ。イギリス情報局秘密情報部のバンコラン、元暗殺者の美少年でバンコランの愛人・マライヒ、タマネギ部隊らと巻き起こす大騒動は、007並みのアクションからサスペンス、ミステリー、オカルト、ファンタジー、ただのギャグと、現実離れした世界が魅力である。
舞台化が決まった時、パタリロを知る誰もが思ったはずだ。あのパタリロをリアルな人間が演じることができるのか!? しかも生の舞台で!?と。だが、加藤諒が主演と発表されるや否や、「それならできる! 納得!」の大合唱。完成度の高いビジュアルに驚愕は隠しきれない。囲み会見は「謁見の儀」と銘打たれた。加藤は完全に“パタリロ殿下”として登場し、いかにも国王な椅子に座り、「クッション、ちょっと深~い!」と第一声。パタリロ殿下=加藤は、記者の質問に一つひとつ真摯に答えつつ、言葉の最後にほぼ必ず“キメ!”の声色と目線を入れてくる。すっかり“パタリロ”なのである。そして「謁見の儀」は始まった。
――そもそも『パタリロ!』を知っていましたか? 主演のオファーがあった時の感想、そして、いまのこの反響をどう見ていますか?
漫画を読んだことはありませんでしたが、キャラクターは見たことがあったので、「これをやるんだ!」と。読んでみて結構な衝撃を受けました。生身の人間がやるとなったらどうなるんだろう? しかも、パタリロという主演で、初の座長を務めさせていただく……。“パタちゃん”は、本当に人間離れしているじゃないですか。自分がどうやれるんだ?と不安はあります。でも、先日、魔夜先生にお会いして “60%くらいの力でやれば大丈夫だよ、あなただったらできると思う” とお言葉をいただきました。もうやるしかないと覚悟できました(キメ!)
――お墨付きをもらったのですね。
そうですね!(笑) 世間のネットユーザーの皆様もいいと言ってくださる、このご期待裏切らないように、そして、出落ちにならないように、やるしかないです(キメ!)
――パタリロといえば“クックロビン音頭”(♪だ~れが殺したクックロビン、という節にのせてアクロバティックに踊るもの)ですが、あの人間離れした動きのために鍛錬などは?
クックロビン音頭は、公演がまだ先ということもあり、出てくるかどうかまだわかりませんが、僕はぜひやりたいと思っています。ビジュアル撮影の際、いちおうポーズは撮ったんですね。両手を伸ばして後ろ足を上げるアレです。あのポーズだけで次の日に結構な筋肉痛がきました。実際舞台でやるとなったら、柔軟と筋トレはちゃんとやっておいたほうがいいかなと思います(キメ!)
――キレキレダンスで有名な加藤さんですが、それだけ動けても思いますか?
実はそんなに身体が柔らかくないので、柔軟しておきます(笑)。
――“ゴキブリ走法”(パタリロが得意とする速攻走法)はどうですか?
それなんですよ! カサカサいって走りますからね! ゴキブリ走法を漫画で見た時、どうすんだ!? そんな早く足は動かせないよ!と思いました。ただ、演出の小林顕作さんは、アナログな手法で見せる演出法がお上手な方なので、ゴキブリ走法もうまいやり方で表現できるんじゃないかと信じて、楽しみにしています(キメ!)
――パタリロと近いところはありますか?
人間離れしていても、ちょっと人間味が見えるところが魅力だと思うんです。パタちゃん、結構かまってちゃんだったりするんですよね。やっぱり子どもなんだな。僕も結構なかまってちゃんなんです。マネージャーさんにいつも、褒めてよ褒めてよ、という感じなので、そこは似ているかもしれないです(笑)。
――ご自身のビジュアルを自分で見てどうですか? また、青木玄徳さんのバンコラン、佐奈宏紀さんのマライヒについても感想を。
衣装合わせの際、眉毛をどうするか?という問題がありました。潰すか、消しちゃうか……。でも、スタッフさんたちが、せっかく加藤でやるなら眉は残しで、とおっしゃってくださって。それでも心配でしたけど、ビジュアル解禁になって周りの方に聞いたら、眉毛が気にならないくらいの完成度になっている、と言ってもらえました。パタリロといえば眉無し顔ですから、違和感がある方もいらっしゃるかもしれません。でも、そこは“役者の腕(キメ!)”で、太い眉が気にならないくらいにやりたいと思います。
そして、佐奈くんのマライヒですが、佐奈くん自身がすごくきれいな方で、本当に美しい! ただ、彼は声が低いんですよ。そこがどうなるか楽しみです。ツネくん(青木)のバンコランは漫画から出てきたまま! 早くお芝居で動いている姿が見たいです(キメ!)
――10歳の国王を演じる意気込みを!
現実離れした世界観ですが、生身の人間がやるおもしろさ、本当にパタリロの王国があって、いまでもずっと生きているんだって感じてもらえるようにしたいです。老若男女が楽しめる舞台になると思います! もちろん、僕の好きなダンスや身体表現もあると思いますので、がんばりますよ。初座長にして、国王(キメ!)。“男宝塚”のような男だらけのカンパニーを統一できるよう、みんなについてきてもらえる座長になれるよう、がんばります(キメ!!)
癖のある俳優のみならず、脚本家としても活躍を広げる池田鉄洋の脚本、コンドルズの小林顕作が演出を務める点も、舞台好きには見逃せない要素だ。ほかにない完全なるキャスティングで、再び日本に“パタリロ旋風”が巻き起こる!
取材・文=丸古玲子 撮影=荒川潤
■会場:紀伊國屋ホール