「八王子のロックの架け橋」ストレイテナー、圧巻のステージ

八王子天狗祭 【天狗ステージ】 ストレイテナー

「『八王子天狗祭』、おじゃまします。俺たちストレイテナーといいます、よろしくお願いします」というホリエアツシ(Vo,G)の丁寧なあいさつで、ストレイテナーのステージがスタート。1曲目「From Noon Till Dawn」の、OJ(大山純/G)のリードギターの繊細な響きと、ほぼスポークンワード状態のホリエのボーカルが絡み合うさまに反応し、オーディエンスの腕が盛大に挙がる。

続く「Super Magical Illusion」を、「サンキュー！」のひとことでしめくくってから、ホリエ、再度あいさつ。
「改めて、俺たちストレイテナーっていいます。ストレイテナー、何を隠そう八王子で始まりました」
20年前に東京に来て初めてライブをやったのが、八王子の、今はもう無いライブハウスだそうです。グッドモーニングアメリカが八王子でフェスをやる、まずは八王子にゆかりのあるバンドを誘いたいとたなしんが最初に声をかけてくれた、断る理由はありませんでした──という言葉に拍手が広がる中、「冬の太陽」、そして「TRAIN」へ。静謐さとラウドさ、超高速とミドルテンポ、と自在に変化していく曲展開に、オーディエンスは気持ちよく翻弄され、巻き込まれていく。

「昨日大阪でライブやって、さっき新横浜まで新幹線で来て、そこからクルマだったんだけど、カーナビにまだこの会場が登録されていませんでした。そんな新車みたいな会場」（※エスフォルタアリーナは2年前にオープンしたばかり）というMCの次は「彩雲」。ナカヤマシンペイ(Drums)の四つ打ち、OJのリード、ホリエのアコギ、スラップしてなくてもスラップみたいに響くひなっち(日向秀和/Bass)のベース、その4つの音によるこの曲でいったん場をクールダウンし、ドラマチックな「シーグラス」でもう一度火をつける。さっきも使ったが、彼らのライブを観ていると何度も「自在」という言葉が頭をよぎっていく。

ホリエがメンバーの名前をコールし、「ストレイテナーでした、ありがとう。最後の曲です、知ってたら一緒に歌ってください」と、曲名を告げると大歓声が。「Melodic Storm」。男も女も若い子も大人も、いろんな他のバンドのＴシャツを来たみんなも、腕を振り上げて一緒にこの曲を歌っているさま、壮観だった。最後に4人はステージのフロントに出て、中央で肩を組んで一礼した。
 

取材・文＝兵庫慎司　撮影＝佐藤広理（@hilf_ntlo）