演奏会からドラマ出演までマルチに活躍するピアニスト・清塚信也の2016年の漢字一文字とは?
清塚信也
画像を全て表示(2件)国内外のピアノコンクールで数々の賞を受賞し、ドラマや映画の音楽監修や自らも俳優として出演するなど、多岐に渡り活躍している清塚信也がニューアルバム『KIYOZUKA』を12月7日にリリースする。翌8日には東京・渋谷のeplus LIVING ROOM CAFE&DININGで発売記念プレミアライブを行なう彼にメール取材を実施し、ピアノとの出会いやライブの構想、さらに清塚にとっての2016年を現す漢字一文字を教えてもらった。
――ピアニストとしての活動だけでなく、俳優としても活躍されていますが、演奏と演技の違い、共通点、それぞれに心がけていることはありますか?
ピアノ演奏は、練習で出来たことをそのまま出せるように努めますが、演技に関しては本番で最後の仕上げをするという感じで、ある固定のパターンでしか出来ないと、良いものが出来ないと思います。演奏も、もちろん弾く環境などで細かい変化が出てくることもありますが、基本的には練習で準備したことを再現できるかが勝負どころです。特にクラシックは。僕は、ピアニストの中でも「練習のまま」出すことをしないタイプなので、共演者は苦労してます。この場を借りて謝ります(笑)。
――5歳でピアノを始めたそうですが、最初からピアノは楽しかったですか?
ピアノや音楽は好きだし楽しかったですが、練習は本当に苦痛でした。僕は負けず嫌いな方なので、「負けたくないから」練習したという感じです。コンクールで育ったため、音楽が勝負じゃないと心から理解するのに時間がかかりました。今は、むしろ勝負事として音楽を感じることの方が難しくなりました。
――ピアノを始めて変わったことはありましたか?
5歳なのでよく憶えてないですが、一つ確かなのは、表現する(思いをアウトプットする)場所があったことは、僕の人生にとっては大きな助けになりました。ストレスをどこかにぶつけないと生きていけないのが人間だと思います。そのぶつけ方がしばしば社会的な迷惑になったり、人を傷つけたりするのだと思います。そういう大きな問題を起こさずに生きて来れたのはピアノがあったからでしょう。
――最新アルバム『KIYOZUKA』にはカバー曲も収録されていますが、選曲のポイントは何ですか? また、特に思い入れの強い曲があれば、その曲にまつわるエピソードも教えてください。
とにかく選曲にはいつも悩みます。コンサートも同じです。僕の優先順位としては、「1に聴き手のやってほしいこと。2に自分のやりたいこと」なので、いつでも皆んながどんなことをやってほしいかに聴き耳を立てて暮らしています。それぞれにすごく思い入れがありますので、改めて皆んなに思い入れを読んでもらえるような機会を作ろうかと思っています。
――12月8日のLIVING ROOM CAFEでの発売記念ライブは、どんなライブを予定していますか?
場所がとてもアットホームなので、アットホームな雰囲気を守りつつ、多様なピアノの音色に耽ってもらえるような空間にしたいです。
――「コンサート前日にSNS等でリクエスト曲を募り、可能なら応じて演奏するという器用な演奏技術も持つ」という情報をインターネットで見つけたのですが、12月8日のライブもその可能性はありますか?
そうですね、あらゆる可能性を最後まで取っておきたいです。計画することが苦手だからです(笑)。でも、アルバムの曲もやっぱり生で聴いてほしいですね。
――2016年もあと1カ月ですが、清塚さんにとっての2016年を漢字一文字で表すと? その理由も教えてください。
「綾」です。複合的な物事が重なって、表面に模様を作る。今年は、いろんな出逢いや別れがあり、一つ一つの表現が生まれました。アルバムの最後の曲「陽だまりの綾」もそんな気持ちで作りました。
――最後に、ファンの皆さんと、このインタビューを読んでいる皆さんにメッセージをお願いします。
僕にとって皆様、おひとり、おひとりがVIPゲストです。いろんなことをやっている僕ですが、実は迷ってるわけでも開拓しているわけでもありません。僕は人と繋がりたいのです。表現を通して。これからも、ぜひ僕の表現の一部として、ご参加していただけるととても幸福に思えます。
出演者 清塚信也(ピアノ)
日時 2016年12月8日(木)
会場 eplus LIVING ROOM CAFE&DINING
(東京都渋谷区道玄坂2-29-5 渋谷プライム5F)
開場17:30 開演19:00
料金 全席指定 5,200円(税込、飲食代別途)
飲食プラン 1FOOD、1DRINK
主催 イープラス・ライブ・ワークス
協力 トライストーン・エンタテイメント
制作 ユニバーサル ミュージック
問合せ eplus LIVING ROOM CAFE&DINING TEL:03-6452-5650
清塚信也『KIYOZUKA』
CD:UCCY-1073 ¥3,240(税込)
配信:Mastered for iTunes・ハイレゾ配信も同時発売
<収録曲>
1.代償(Huluオリジナル連続ドラマ『代償』エンディングテーマ)
2.正義(Huluオリジナル連続ドラマ『代償』より)
3.ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ 第17番 ニ短調 作品31の2《テンペスト》~第3楽章
4.Baby, God Bless You (新アレンジver.)(TBS系 金曜ドラマ『コウノドリ』メイン・テーマ)
~日本の四季~
5.春よ、来い(松任谷由実)
6.Summer (久石 譲)
7.枯葉(コズマ)
8.戦場のメリー・クリスマス(坂本龍一)
9.ラフマニノフ:ピアノ協奏曲 第2番 ハ短調 作品18~第2楽章(ピアノ・ソロ・ヴァージョン)
10.ドビュッシー:月の光(《ベルガマスク組曲》より)(映画『さよならドビュッシー』より)
11.陽だまりの綾(オリジナル新曲)