74歳の最高齢チャンピオンであるミル・マスカラスが華麗に空を舞いタイトルを防衛

レポート
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2016.12.14
ゴージャスなコスチュームと佇まいのミル・マスカラス

ゴージャスなコスチュームと佇まいのミル・マスカラス

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メキシコを代表するヘビー級の覆面レスラー、ミル・マスカラス。中高年の世代ならば、プロレスファンでなくても一度は聞いたことがある名前のはず。華麗な空中殺法で日本のみならず世界中で活躍した名レスラーであるからだ。

1971年2月に初来日を果たすと、すぐさまトップレスラーの仲間入りを果たした。77年8月25日にジャンボ鶴田と戦った試合は、プロレス大賞の年間最高試合賞を受賞。入場テーマ曲『スカイ・ハイ』のレコード売り上げは57万枚の大ヒットを記録。70年代後半から80年にかけてのマスカラス人気は社会現象といえるほど凄まじかった。

現在、マスカラスは74歳。キャリア51年の最高齢プロレスラーである。ここ数年はおよそ年に1回のペースで来日。さすがに全盛期の動きではないが、オールドファンを楽しませる試合を見せている。

74歳でタイトルマッチができるのはマスカラスだけ

74歳でタイトルマッチができるのはマスカラスだけ

もちろん今年もマスカラスはやってきた。11月28日、東京愚連隊興行『東京DREAM2016』(後楽園ホール)のメインイベントで、40年以上も保持しているIWA世界ヘビー級のベルトを懸けて、NOSAWA論外の挑戦を受けるタイトルマッチが組まれたのだ。

ちなみに、セミファイナルにはマスカラスより1つ年上で、75歳のドリー・ファンク・ジュニアが、ザ・グレート・カブキと船木誠勝とタッグを組み、チャボ・ゲレロ・藤原喜明・西村修組と対戦。得意技のスピニング・トーホールドで、この6人の中では最も若い45歳の西村からギブアップ勝利を奪った。

バラエティに富んだレジェンドレスラーたち

バラエティに富んだレジェンドレスラーたち

スピニング・トーホールドで西村からギブアップを奪った

スピニング・トーホールドで西村からギブアップを奪った

そして注目のメインがスタート。後楽園ホールに『スカイ・ハイ』が流れるなか、観客に揉みくちゃにされながらマスカラスが登場。リングアナウンサーに名前をコールされると、被っていたマスクを外して放り投げた。空高く舞い落ちるマスクを求めて奪い合う観客たち。40年前と何ひとつ変わっていない光景である。

試合開始のゴングが鳴らされると、リング上はマスカラスの独壇場だった。74歳とは思えない軽やかな動きで、サーフボード、ヘッドシザース、フライングクロスチョップといったお馴染みの技を披露。NOSAWAはラフファイトで抵抗したものの、試合ペースを掴むには至らず。フィニッシュはマスカラスのコーナーポスト最上段からのダイビングボディアタック。NOSAWAから3カウントを奪って勝利をモノにしたのである。

30歳以上若いNOSAWAを相手にパワーでも優っていた

30歳以上若いNOSAWAを相手にパワーでも優っていた


さりげないアキレス腱固めで足を痛めつける

さりげないアキレス腱固めで足を痛めつける


激しいタックルでNOSAWAを大きくぶっ飛ばす

激しいタックルでNOSAWAを大きくぶっ飛ばす

 

決着が着いた8分20秒の間、マスカラスは止まることなく攻め続けていたのだから、素晴らしいコンディションとしかいいようがない。

世界唯一のフライングクロスチョップの使い手である

世界唯一のフライングクロスチョップの使い手である


フィニッシュはお馴染みのダイビングボディアタック

フィニッシュはお馴染みのダイビングボディアタック

「マスカラスの怖さを思い知ったね。優しくないね、年寄りは。イキイキと試合していましたよね」

マスカラスに敗れて意気消沈するNOSAWA論外

マスカラスに敗れて意気消沈するNOSAWA論外

NOSAWAの敗戦の弁からもわかるように、マスカラスは健在だった。スーパースターは、いくつになってもスーパースターなのである。

フィニッシュはお馴染みのダイビングボディアタック

フィニッシュはお馴染みのダイビングボディアタック

 

撮影・文 シン上田

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