『令嬢ジュリー』ジャン役:城田優×演出:小川絵梨子 公演に向けたそれぞれの思いを訊く

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(左から)城田優、小川絵梨子

(左から)城田優、小川絵梨子

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ミュージカルで活躍する城田優が、セリフだけのストレートプレイに満を持して取り組む。彼が挑むのはスウェーデンの劇作家ストリンドベリの代表作『令嬢ジュリー』(1888年作)。伯爵家のお嬢様を翻弄する野性的な使用人役だ。初顔合わせとなる演出の小川絵梨子は、シアターコクーンで交互上演されるもう1本のストリンドベリ作品『死の舞踏』とダブルで演出を手がける。それぞれの率直な胸の内とは?

(左から)小川絵梨子、城田優

(左から)小川絵梨子、城田優

──城田さんが本格的なストレートプレイに初挑戦というのはちょっと意外な気もしたんですが。

城田: 舞台上で音楽の助けもなしに自分の言葉だけで役として生きるというのは、ほぼ初めてなんですよ。お客さんに満足していただけるレベルのものにできるのか、それを自分が楽しいと感じるか、苦しいと思うか。まったく未知数なのでやっぱり怖いですね。小川さんは2本同時に演出されるから大変なことは百も承知してますけど、城田の子守をしていただけなければこの舞台は成立しないと思う(笑)。

小川: いやいや、そんなことないですって。

城田: 根本的な思考はネガティブから始まるんです。

小川: 私もそうですよ。

城田: あ、ホントですか? でも物事を楽観視しないからこれまでやって来られたという面もあって。今回もマイナスから積み重ねてプラスにしていけたらと思ってます。

──100年以上前に書かれた戯曲を読まれていかがでしたか。小野ゆり子さんの令嬢ジュリーと城田さんの下男ジャン、ジャンの婚約者で伊勢佳世さん扮する料理人のクリスティンという3人の男女の関係が刻々と変化しますね。

城田: 表面的にはお嬢様と使用人の恋の話だと捉えることもできるけど、台本を読めば読むほどわからなくなるんです。ジュリーに対するジャンの本心がどこにあるのか、どこまでが思惑や駆け引きなのか、考え出すと混乱してきて。これは稽古で小川さんに質問しまくることになるだろうなと。

小川: もう、ぜひぜひ。私も戯曲を翻訳しましたけど、読んでいるだけだとやっぱりわからないんですよね。3人の関係性や空気感は小野さん、城田さん、伊勢さんと現場で見つけていくものだと思うので。それに当時の階級社会の葛藤をそのまま描いても、今の日本ではピンと来ないだろうし。

城田: そうなんです! 現代の日本人が観て面白いものにどれだけできるか、ですよね。ジュリーにはある一本の筋が通っている気がするけど、ジャンは何を考えているのかが掴みにくい。ってことは、やっぱり俺次第じゃないか!と(笑)。

小川: アハハハ。でもジャンは自分の真意が自分でもわからないところがあって、そんな矛盾やカッコ悪さが面白いんですよ。クリスティンには宗教というバックボーンがあるからか、ジャンに対してもわりと突き放した態度を取りますよね。

城田: そういう関係性を読み物としてじゃなく、現実に説得力をもって見せられたらいいですよね。

(左から)小川絵梨子、城田優

(左から)小川絵梨子、城田優

──小川さんは『死の舞踏』と並行しての演出ですね。

城田: シアターコクーンに小劇場を2つ作るんですよね?

小川: そう、2つのセットがリンクしてるんです。ストリンドベリが意識して書いたかはわからないけど、『令嬢ジュリー』は未来に向かう若い男女の関係、『死の舞踏』は死が見えてきた夫婦の物語。その対比が自然に浮かんでくると面白いかなと。だからお客さんにはぜひ2本とも観ていただきたいです。ただ、方々から「2つもやるなんて信じられない」とか言われて、ハッと現実に戻ってクラクラしてます(笑)。

城田: わかるなんて言ったら失礼ですけど、僕も一度演出させていただいたことがあって(『アップル・ツリー』)、3つのオムニバスストーリーをつなげたんです。ストーリーも登場人物も違うけれど、全てに共通する何かはあって。対比を作る面白さがあるとおっしゃるのはわかる気がしますね。

小川: あとはもうホントに稽古場に入ってから、ですね。

城田: 小川さんの稽古場は話し合いや、役者の感情が動くことを大切にしてくださると聞いてるので……。

小川: 誰からだろう?(笑)

城田: 誰……かはともかく(笑)、怖いけどすごく楽しみです。僕も稽古場で自分が感じていることはちゃんと演出家さんに伝えてディスカッションしたいタイプなんです。

小川: それ、うれしいです! よろしくお願いしますね。


城田優担当 ヘアメイク:Emiy スタイリング:福田春美
取材・文=市川安紀 撮影=加藤 孝

 

シス・カンパニー公演 【令嬢ジュリー】 【死の舞踏】プロモーション映像

公演情報
シス・カンパニー公演ストリンドベリ交互上演 「令嬢ジュリー」

日程:2017年3月10日(金)~4月1日(土)
会場:Bunkamuraシアターコクーン

チケット料金:S席7,800円/A席6,800円[全席指定]
チケット好評発売中

<作>アウグスト・ストリンドベリ 
<上演台本・演出>小川絵梨子 
<出演>小野ゆり子・城田優・伊勢佳世


シス・カンパニー公演ストリンドベリ交互上演 「死の舞踏」

日程:2017年3月10日(金)~4月1日(土)
会場:Bunkamuraシアターコクーン

チケット料金:7,800円[全席指定]
チケット好評発売中

<作>アウグスト・ストリンドベリ 
<翻訳・演出>小川絵梨子 
<出演>池田成志・神野三鈴・音尾琢真


 

 

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