佐渡 裕(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団 本場を沸かす高揚感を東京で体験

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クラシック
2017.1.8
佐渡 裕 ©Yuji Hori

佐渡 裕 ©Yuji Hori


 人気指揮者・佐渡裕は、欧州や兵庫を拠点とするため、在京オーケストラへの客演機会が少ない。その稀少な公演の1つが東京フィルの定期演奏会。1月に彼は定期を3公演指揮する。佐渡は2015年9月、オーストリアの名門トーンキュンストラー管の音楽監督に就任。王道レパートリーで堂々勝負して喝采を浴び、R.シュトラウス、ハイドン等の録音や、16年5月の来日公演でもハイテンションの快演を展開している。

 そこで今回も独墺ものが中心。ブルックナーの交響曲第9番(1/22,1/27)とブラームスの交響曲第1番(1/26)を軸に据えた重厚なプログラムを披露する。

 ブルックナーの9番といえば、佐渡の師匠バーンスタインが、同作曲家の交響曲中唯一得意とした作品。今回は師匠のようなマーラー的にうねるブルックナーになるのか? トーンキュンストラー管との最新盤の第4番「ロマンティック」では、正攻法でダイナミックな演奏を聴かせているだけに、結果が注目される。

 ブラームスの1番は、同プログラムの《タンホイザー》序曲共々、圧倒的な熱量を生み出す彼の手腕に期待。また、武満徹の「セレモニアル」(1/22,1/27)とピアソラのバンドネオン協奏曲(1/26)が、笙の宮田まゆみ、アコーディオンの御喜美江という第一人者を迎えて演奏されるのも楽しみだ。中でも瞑想的な武満作品では、佐渡&東京フィルの新しい側面が見えるかもしれない。

 今シーズンの東京フィル定期に登場する日本人指揮者は2人、3公演を振るのは佐渡1人だから、オーケストラの信頼度の高さは相当なもの。バッティストーニをシェフに迎えて意気上がる楽団との高揚感に充ちたコラボレーションに、大きな期待がかかる。

文:柴田克彦
(ぶらあぼ 2017年1月号から)


佐渡 裕(指揮) 東京フィルハーモニー交響楽団

第888回 オーチャード定期演奏会

2017.1/22(日)15:00 Bunkamuraオーチャードホール

第106回 東京オペラシティ定期シリーズ
2017.1/26(木)19:00 東京オペラシティ コンサートホール

第889回 サントリー定期シリーズ
2017.1/27(金)19:00 サントリーホール

問合せ:東京フィルサービス03-5353-9522
http://www.tpo.or.jp/


 

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