それぞれのアベックたちの絆に注目!? 舞台「おとめ妖怪ざくろ」ゲネプロレポート

2017.1.19
レポート
舞台
アニメ/ゲーム

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おとめ妖怪ざくろ』はイラストレーターとしても人気のある星野リリィの人気漫画。2006年から「月刊コミックバーズ」にて連載がスタートし、2010年にはアニメ化、そして連載10年という記念すべき年に待望の舞台公演がスタートした。

全12回公演の会場は新宿の全労災ホール/スペース・ゼロ。会場内ロビーには原作者・星野リリィや出版社だけでなく、キャストのファンからもたくさんのスタンド花が飾られていた。

人間と妖人(妖怪)が共存しているという世界。物語は陸軍少尉である総角ら3人が、妖人側の代表として選出された半妖の少女・ざくろたちのもとに人間側の代表として派遣されるところから始まる。最初はパートナーである総角を「まるで王子様」と喜ぶざくろだったが……。

立派な軍人でありながらも実は妖怪が苦手でヘタレな「総角景(あげまき けい)」役を、舞台『ハイキュー!!』(及川徹役)などで人気を博した遊馬晃祐が務める。初の座長だが、頼もしい背中を見せていた。

おてんばな性格で総角とペアを組む半妖の少女「ざくろ」役はミュージカル『カンタレラ」の主役など、ソプラノ歌手として活動を続けている野田和佳子。木に登ったり、照れてみたり怒ってみたり、恥ずかしそうに顔を伏せて見たり……。表情豊かなざくろそのものであり、伸びやかな歌声にも魅了される。

ざくろたち7人3組が知り合い、お互いをパートナーとして信頼するようになるまでの心の動きをしっかり抑えているこの舞台。

例えば強面で寡黙な「芳野葛利劔(よしのかずら りけん)」と、内気な性格で心を読む力を持つ半妖の女性「薄蛍(すすきほたる)」のペアはなかなか距離が縮まらなかったが、とある任務を通して歩み寄っていく。2人の歩くスピードや間の取り方、そして仲良くなってからはアイコンタクトができるようになるなど、わずかな時間の中でしっかり関係性の変化を感じられた。

利劔役を演じるのはテレビドラマ『ULTRASEVEN X』で主役を演じた実力派俳優・脇崎智史。そしてテレビドラマ『仰げば尊し』への出演や自らアイドルユニットをプロデュースしている高橋優里花が薄蛍役を演じる。

原作を読んでいる人には特にふふっと心温まるシーンも見所だ。特に丸竜と鬼灯・雪洞のお花見での千代呂儀(ちよろぎ)の一件などはこれに当たるだろう。「花桐丸竜(はなきり がんりゅう)」役には『黒子のバスケ』で小金井慎二役として出演した阿部快征。丸竜のパートナーである双子の姉妹「鬼灯(ほおずき)」は『ドラゴンクエスト ライブスペクタルツアー』などに出演する富田麻帆、そして「雪洞(ぼんぼり)」役は舞台『BASARA」などに出演する椙山さと美が演じる。

ストーリーは原作コミック1巻~6巻のざくろの出生の秘密を知る沢鷹との一件を描いており、「沢鷹(おもだか)」役は舞台『黒子のバスケ』(火神大我役)に出演した安里勇哉が、物語のキーマンとして重要な役どころを演じる。

各所で繰り広げられる殺陣や歌も見逃せない。軍人である男性陣や敵としてざくろたちに立ちはだかる乱杭(らんぐい)、百緑(びゃくろく)、橙橙(だいだい)らはもちろん、ざくろたちも広いステージを幾度も駆け抜けて激しい戦闘シーンを展開した。

そのほか豆蔵、櫛松など「ざくろ」を語る上で重要となるキャラクターたちも健在だ。

会場内には原作の美麗カラーイラストや原画、キャスト写真パネル、キャスト17名による「今年の抱負」色紙などが展示されている。公式サイトより投稿されたコスプレ写真や稽古中の写真など、ステージ以外にも注目すべき点が満載! さらに原作者星野リリィがこの舞台の為に描き下ろしたというイラストパネルも近くで見ることができる。これらは一部を除いて撮影可能なので、来場の際はこちらも堪能すると良いだろう。


 

囲み取材レポート

——舞台の見どころと、自分が演じる役の注目ポイントは。

総角 景役:遊馬 晃祐
初座長としてこうして前にいることで、改めてプレッシャーや緊張を感じました。役としてもざくろを守れるように頑張っていこうと思っております。座長としても怪我なく全員で千秋楽まで乗り切って、自分が引っ張っていけるようにしたいので、よろしくお願いします!

歌やダンスや殺陣、そして衣装もすごく華やかなので注目していただきたいです。メインキャストのペアとなる人物にそれぞれ重要なシーンがあるので、ファンの皆様にも楽しんでいただけるかなと思います。僕が一番好きなシーンは……、ざくろに初めて心から「君が好きだよ」って言うところですね!

沢鷹役:安里 勇哉
初めての敵役ということで私自身すごく考えました。主演の遊馬晃祐とはこの舞台が始まる前から知り合いだったんですが今回は対立するということで、食う気満々で千秋楽までいきたいと思っています。

「沢鷹」は敵役なんですが絶対悪ではなく、なぜ悪になってしまったのかという理由があります。その理由や過程、悲しさ、切なさを見てほしいです。

芳野葛 利劔役:脇崎 智史
今回の役が“男の中の男”ということで非常にプレッシャーがありますが、僕なりの“男”という姿を提示したいです。とにかく怪我がないように最終日までみんなで仲良くできたらと思っています。

ここ数ヶ月で我々が培ってきたそれぞれのアベックの……(「コンビとかペアって言ってよ!」と女性陣から総ツッコミを受ける)アベックの絆ですね! 僕も初めての2.5次元の舞台で、どんなカツラを被るのかなと楽しみにしていたんですが、ご覧の通り僕だけ丸坊主です。ありのままの僕を見てください!

花桐 丸竜役:阿部 快征
1つ1つ、目の前の公演をしっかりやっていって、怪我なく事故なく最後までしっかり走っていけたらなと思います。

丸竜は妖人省に入って初めて挫折を味わうのですが、ストーリーの中でどう大人になっていくのか、どう自分を変えていくのかが今回の舞台で見えてくるので、そういったところが見所かなと思います。

西王母桃役:野田 和佳子
私は初めての2.5次元の舞台です。普段はソプラノ歌手としてコンサートに出演しているので、すごく新鮮味があって「どうなるんだろうな」と思ってきたんですが、周りの方々が支えてくださるのであまり緊張することなく演じさせていただけています。集中して自分の役割をしっかり果たして、良い舞台になればと思っています。

ざくろは言いたいことを素直に言えず、すごく強がってしまいます。弱いところを見せないようにしているので、そういったところを「あああっ~」て思って見ていただけたらと思ってます。殺陣は初めてで苦戦したんですが、なんとか皆様にアドバイスをいただいて頑張ってこれました。個人的には歌があるので、しっかり歌いたいと思います。皆さんに芝居も殺陣も歌も踊りもでお腹いっぱいになっていただけたらと思います。

薄蛍役:高橋 優里花
私も2.5次元の舞台は初めてです。ウィッグを被るのも、殺陣をやるのも、こんな大きな舞台に立たせてもらうのも、マイクをつけることも初めてがたくさんで……。たくさんの人に支えてもらってここまできたので、あとは本番を全力でやることだと思います。全力で楽しんで良い舞台にしたいと思います!

注目ポイントはアニメでも好きだった殺陣のシーンです。いつもの薄蛍はほんわかしているんですが、アニメでは目の色を変えて(刀に)取り憑かれてしまいます。私は初めての殺陣でもありますので、特に見てほしいと思います。

鬼灯役:富田 麻帆
双子じゃないのに双子役をやるって疑問に思う方もいらっしゃったんですが、ナイスコンビネーションで二人の仲の良さだったり、二人が出せる空気感だったりを肌で感じていただければいいなと思っています。

舞台はアニメや漫画では絵に写っていない瞬間を見れるっていう良さがあると思うんですね。私たちのキャラクターを作る芝居を隅の方でやってるのでそれも観てくださったらいいなと思っています!

雪洞役:椙山 さと美
いよいよ今日から始まるんですが、すごくワクワクと同時に不安もあって。お客様にどう感じていただけるかっていう不安もすごくありますが、舞台に立って作品に対してまっすぐ、仲間に対してまっすぐ、好きな人に対してまっすぐ届けて、お客様に伝わるようにカンパニー一丸となって頑張りたいと思っております。

私たちも原作を読ませていただいているんですが、自分たちが好きだなって思ってシーンが随所に出てくるのでそこはキュンキュンしたり切ないって思ったりいろんな感情になっていただきたいです。双子としてのコンビネーションもそうなんですが、常に同じことをしているということではなく、双子それぞれの個性があって、たまにふとそれがシンクロするっていうところで双子のリアリティーを見せられたらなと思ってます。

——稽古前から初日に到るまでのそれぞれのペアに対する印象の違いは?

(富田・椙山→阿部)

富田:私たちは役に近くて、「かわいい」っていうイメージからずっと「かわいい」できてますね。

椙山:(阿部に向かって)かわいいよ~


(高橋→脇崎)

高橋:利劔様はすごくリードしてくれて。最初の頃は背も大きいし、ちょっと怖くて……。

脇崎:初対面の時、利劔と薄蛍と同じような印象だったんでしょ? すごく怖がられて、でも数ヶ月経ってようやく距離も縮まって、絆が生まれて。

高橋:ね、生まれたね。なのでそれを見せられるように、頑張ります。


(野田→遊馬)

野田:これまで相手役が年上の男性ばかりで、今回初めての年下でした。年下の男の子ってあまり接したことがなかったのでどうしたいいんだろうかって思ってたんですが、遊馬君が真っ直ぐで清々しい方なので。何も考えず私も思ったことを言うし、何もやりにくいこともないし、お互いに教えあったりもするし、実は頼りにもしてます。

遊馬:お! 初めて聞いた!

野田:遊馬くんですごくよかったなと思ってます。
 

——ちなみに遊馬さんと(沢鷹役の)安里さんだったらどちらが頼りになりますか?

野田:(ちょっと迷って安里を選ぶ)

遊馬:おいおい~!

野田:嘘だよ~! 総角としてはちょっと頼りないんですが、私たち今回ざくろの両親の役との2役なんです。(恵永が候補に入るなら)恵永だな~。恵永のときすごくかっこいいし! ※恵永=ざくろの父

遊馬:総角と恵永の違いを見せられるように頑張ります!


 

公演情報
舞台「おとめ妖怪ざくろ」

 日時:2017年1月18日(水)~25日(水)
 会場:全労済ホール/スペース・ゼロ(東京都渋谷区代々木2-12-10 全労済会館)

 原作:星野リリィ/連載:月刊バーズ(幻冬舎コミックス)
 脚本・演出:大和田 悟史

<出演者>
総角 景:遊馬晃祐/沢鷹:安里勇哉(TOKYO流星群)/ざくろ:野田和佳子/芳野葛利剱:脇崎智史/花桐丸竜:阿部快征/薄蛍:高橋優里花(いちごみるく色に染まりたい。)/鬼灯役:富田麻帆/雪洞役:椙山さと美(劇団鹿殺し)

 公式サイト:http://zakuro-stage.jp/

 

 

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