CMやドラマで活躍中の浜野謙太(ハマケン)率いる7人組バンド、在日ファンク! 初のホール・ワンマン公演を控え、ハマケンさんにお話をうかがいました!
■最近の活動状況など、近況をお聞かせください。
俳優業と音楽業については、自分なりに心身のバランスをとって活動しています。バランスが大事というのはSAKEROCKの解散によっても改めて感じました。在日ファンクだけをやって俳優業をやらない時期、あるいは逆の時期もあったが、精神的にせっぱ詰まってしまいました。在日ファンクの活動の心のバランスをとるために俳優を。俳優のバランスをとるために音楽・創作活動をする。心に余裕がないと良いサウンドは作れないんですよね。どんな大きなライブやイベントでも、まずリラックスして遊び心がないと良いものは生まれないと思っています。
■バンド史上初の「ホール」公演ですが、どんなライブにしたいですか?
今回のライブは遊びの要素がかなりデカいですよね。東京でのライブはこれまでいくらでもやっている中で、ホールで、デカい会場で、それも北区で(笑)!っていうのは大いに意味があるはずですよね。
普段、ライブ運営的には、どの地域でやれば、どういった対象が、どれだけ集まるかというデータを基に、ある意味事務的にライブが成り立っていることが多いんです。土地土地のノリや風土があるはずなのに、、、会場に特徴があっていいはずですよね。今回のライブは実は今までには類の無いライブになるんだと思います。
北区でやるって言った時のお客さんのリアクションは面白かったですよ!会場が「おーぉぉ」みたいな感じで・・・。その後の握手会では、ファンから「北区に来てくれて嬉しいです」という人が結構いました。在日ファンクのお客さんは北区民が多いのかもしれない(笑)。だいたいバンドのライブって渋谷でやりますよね、、、でも渋谷が似合わないバンドもあるわけだし、在日ファンクのメンバーが普段渋谷に出掛けるかというとそんなに。でも東京の下町のノリだったら在日ファンクには大いにありますよね。
北とぴあさくらホール
■北とぴあの舞台をご覧になっていかがでしたか?
ぶ、舞台だな・・・って思いました。ライブハウスとは違って床も木の方がいいなって。ライブハウスだけでするのがライブじゃないし、ホールっていうと堅苦しいとかイメージや雰囲気とかに流されないでほしいですね。
■北区ってご存じでしたか?イメージはありますか?
新幹線に乗っていて、あっ、この地域ヤっベえなあって思っていたのが、だいたい北区だったんだなあ。
知らないだけで、東京の良い感じのディープな地域っていくらでもあるんだなと思いました。東京というとランドマークというか王道ばかりが目立ってしまって、良い場所が見えにくくなっているのかもしれないですね。
僕の好きな小田嶋隆さんというコラムニストがいろいろ北区のことを書いているので、ずっと気になっていたんです。40年以上歴史ある最古参のダイエーの店舗があったりとか…小田嶋さん言ってたな。
都電荒川線とハマケン
■バンド結成のきっかけを教えていただけますか?
ブルースブラザーズっていう映画があって、白人の兄弟がブルースに洗礼を受け、神のお告げを聞いて始めるっておもしろい話で。それに感化されてブラックミュージックを聴くようになって好きに。そしてどうやらジェームスブラウン(以下JB)っていう偉いミュージシャンがいるらしいと。70年代のJBの最盛期と言われるのを聴いたりしているうちにJBが逝去してしまって…。自分たちがやんなきゃと思った。ちょうどファンクやレゲエなどのブラックミュージックのコピーバンドを一緒にやっていたベースの村上と一緒に、もっとJBに絞った音楽やろうぜとなって。当初企画バンドとして開始しました。あまりに周囲の評判が良く、特にヒップホップの人たちから、スチャダラパーのBOSEさんからも「おーガンガンやれよー」みたいに言われたりして。そこからですね。JBは絶対的に格好いいのに日本であまりやっている人がいなくて…。唯一、オーサカ=モノレールってバンドくらいで。ファンクというかディスコパーティ感との狭間があって、でもそういうのってだんだんと判明したこと。バンドを結成して曲を作ってみて初めてその意味に気づいたし、聴いてくれる人は喜んでくれたんですよ。
■JB直系の王道ファンクを日本で再検証されていますが、JBのカッコ良さを言葉で表すと?
うーん、いろいろ聴いてるんですけど、やっぱ好きなんすよね。不良の感じというか、僕には、JBってなぜか不良の要素を感じるんですけど、Fワードを言わないとか、大人というか経験を積み上げている不良性というか、それが格好いいんですよね。ファンクミュージックも積み上げていく音楽で、リラックスして始まり、徐々に盛り上がり、最後に凄いグルーブ感がでてくるところが筋が通ってるなって。
インタビュー中
■「爆弾こわい、ぜいたくたくたく、根に根に根に」など特徴的な歌詞センスと言葉の反復へのこだわりはありますか?
一定の重さのある言葉、ずーっとやってても飽きない、格好いい洗練されたフレーズ、反復の中に組み込まれる強力な言葉を選ぶようにしています。ひとつの楽器として、反復の中に組み込まれるような強力な言葉にすると今のスタイルになりましたね。「根に根に根に、、、根にもってます」って、ともすればネガティブに聞こえちゃうんですが、良い言葉なんですよ、ネガティブじゃないんです!ライブでは「根にもってます」って(ネガティブな言葉)言っているのに、会場から「イエー!」ってなるし。ギリギリネガティブをこれからも選びたいと思っています。
日本最大級の縄文時代の貝塚「中里貝塚」とハマケン
■ライブを拝見し、髪型・ファッションへのこだわりを強く感じましたが、ハマケンさんのこだわりは?
リーゼントは普段おろしているんですよ。おろした方が、「7歳若く見える」とか言われるんですが、悔しいんですよね。だからっておろしたくない。往生際の悪いおっさんというか、上げて格好良いことしたいって思っているんですよ。JBのように、ちゃんとした人が出す不良性というか、そういうのいっつも考えているんですよね。だから、洋服もシャツとかになっちゃうんですよ(笑)。ライブの衣装はいろいろです。最初の頃は僕が考えていました。「笑うな」(最新アルバム)の赤と黒のライブ衣装はアートディレクターの巨匠・信藤三雄さんに考えてもらいました。
都内一小さい山飛鳥山のモノレール「アスカルゴ」に乗って
■在日ファンク・アワー2015in北区にお越しのお客様にメッセージをお願いします。
“ホールで”“北区”でやることを全部味方に付けたい。みんなが「あっ!新しい在日ファンクだ!」って気付いてくれるのはもちろんですが、自分たちも今までに無い表現ができるんだと気付く機会にしたい。気付く要素がちりばめられていると思うんで…北区であったり、ホールであったり、いろんなお客さんもきてくれるだろうし…みんなで一緒に「はっ」ていう瞬間があればいいなあと思っています!
【浜野謙太プロフィール】
1981年8月5日生まれ。神奈川県出身。バンド「在日ファンク」でボーカル兼リーダーを務める。惜しまれながらも解散となった、インストゥルメンタルバンド「SAKEROCK」ではトロンボーンを担当。その他にも様々なバンド、アーティストのレコーディングやLIVEなどで幅広く活躍中。俳優、タレントとしても映画、ドラマ、CM、バラエティーなど多数出演。
北区飛鳥山博物館で吉宗公になりきるハマケン
【本文・写真】(公財)北区文化振興団
【撮影協力】北区飛鳥山博物館
日時:2015/9/23(水・祝)
会場:北とぴあ さくらホール (東京都)
出演者:在日ファンク
浜野謙太(ボーカル)、村上啓太(ベース)、仰木亮彦(ギター)、永田真毅(ドラム)、後関好宏(サックス)、ジェントル久保田(トロンボーン)、村上基(トランペット)
【内容】
CMやTVドラマ等で活躍中の浜野謙太(ハマケン)率いる7人組のバンド在日ファンク!
ジェイムズ・ブラウンから流れを汲む日本式ソウル・ミュージックを引っさげ、北とぴあのホールに登場。
ライブハウスSHIBUYA-AXにて行われていた自主企画『在日ファンク・アワー』の名を冠し、『在日ファンク・アワー 2015 in 北区』と銘打たれた本公演は、東京都北区王子駅にあるホール“北とぴあ さくらホール”にて実施します。バンド史上初となるホールでのワンマン公演、そして何かと話題の“東京都北区”での開催ということで、どんな試みが行われるか、ご期待ください!