20周年のチェルフィッチュ 『部屋に流れる時間の旅』東京公演が6月開催
©Misako Shimizu
チェルフィッチュの舞台『部屋に流れる時間の旅』が、6月16日から東京・三軒茶屋のシアタートラムで上演される。
演出家の岡田利規が主宰を務める演劇カンパニー・チェルフィッチュ。これまでに国内外の70都市で作品を上演しているほか、近年は『スーパープレミアムソフトWバニラリッチ』など海外からの委嘱作品の制作も行なっている。岡田は2005年に『三月の5日間』で『第49回岸田國士戯曲賞』を受賞。
チェルフィッチュの活動20周年プロジェクトの一環として上演される『部屋に流れる時間の旅』。昨年に京都で初演され、世界16都市を巡回した。作、演出は岡田が手掛け、音、舞台美術は美術作家の久門剛史が担当。出演者には青柳いづみ、安藤真理、吉田庸が名を連ねる。の先行販売は3月25日10:00からスタート。一般販売は4月1日10:00から開始される。
なおチェルフィッチュの活動20周年を記念した特設サイトが公開中。第1弾企画として岡田のインタビュー『私たちは内戦している - 自殺途上の国の想像力』が掲載されている。
岡田利規のコメント
震災と原発事故が起こった直後の数日間に、わたしに押しよせてきた感情のなかには、悲しみ・不安・恐怖だけでなく、希望も混じっていた。これだけの未曾有の出来事が起こってしまったことは、そうでなければ踏み出すことの難しい変化を実現させるためのとば口に、わたしたちの社会を立たせてくれたということになりはしないだろうか。そう思ったのだ。あのときは。未来への希望を抱えた状態で死を迎えた幽霊と、生者との関係を描こうと思った。死者の生はすでに円環を閉じ、安定している。生き続けているわたしたちはそれを羨望する。わたしたちは苦しめられ、そこから逃げたくなって、忘却をこころがける。