新たに大阪フィルハーモニー交響楽団のシェフに就任した尾高忠明。お披露目となった3月定期をリポート!

レポート
クラシック
2017.4.12
尾高忠明シェフの下、大阪フィル躍進の予感が… (c)飯島隆

尾高忠明シェフの下、大阪フィル躍進の予感が… (c)飯島隆


新年度を迎えた大阪フィルハーモニー交響楽団。いよいよ尾高忠明が新しくシェフに就任し、新生大阪フィルの活動がスタートする。今年はミュージックアドヴァイザーとして活動し、来年から音楽監督へ就任という事のようだが、井上道義の華やかで明るいラテンプログラムへの意図的なアプローチが尾高マエストロによってどのような方向へ導かれていくのか楽しみだ。

(c)飯島隆

(c)飯島隆

大阪フィルの今後を占う意味でも、尾高マエストロが指揮した事実上のお披露目コンサートとも言える2016年度シーズン最後の定期演奏会は、大変な注目を浴びた。それを物語るように客席はほぼ満杯。曲目は尾高マエストロの父 尾高尚忠作曲「チェロ協奏曲」と、マエストロが得意とするリヒャルト・シュトラウス「英雄の生涯」というまさに勝負プログラム。

大阪フィルの新たな歴史を開く記念すべきコンサートの模様をカメラマン飯島隆さんの写真と共に紹介しよう。

(c)飯島隆

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尾高マエストロの父 尾高尚忠は、NHK交響楽団の前身、新交響楽団、日本交響楽団を牽引した指揮者であり、「尾高賞」として名を残した作曲家。 マエストロも初めて指揮をするという父親の代表作、チェロ協奏曲を演奏するのは、第9回ロストロポーヴィチ国際チェロコンクールの覇者にして、現在飛ぶ鳥を落とす勢いの宮田大。

(c)飯島隆

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宮田大はこの40分近い大曲を、超絶技巧と凄まじい気迫で弾き切った。

ダイナミックレンジをいっぱい使った宮田大のスケールの大きな音楽に、お客さまはブラヴォー!尾高マエストロは父の代表作を愛でるように丁寧に指揮。オーケストラもマエストロの指揮に応え、演奏機会の少ない隠れた名曲を熱演。鳴り止まない拍手に応え、宮田大はアンコールでバッハの無伴奏チェロ組曲を演奏。打って変わった静寂の中、祈りの音楽のようなバッハの調べが鳴り響いた。

(c)飯島隆

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演奏会前半を終え休憩を迎えても、いつも以上の熱気を感じる客席。これは、後半の「英雄の生涯」は名演の予感!

(c)飯島隆

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そして、その予感は実現する事に。

第1部「英雄」の冒頭のテーマから、この曲にかけるマエストロとオーケストラのメンバーの思いが爆発。

(c)飯島隆

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尾高マエストロは、大阪フィルを指揮する喜びを全身で表現。マエストロは指揮棒を持たず、微妙なニュアンスの変化を指先のデリケートな動きで示すと、オーケストラメンバーは凄まじい集中力で反応。

(c)飯島隆

(c)飯島隆

この日のオーケストラはいつも以上に良く鳴っていたように感じた。

リヒャルト・シュトラウス自身だと言われる「英雄」を表現するホルンも…

(c)飯島隆

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シュトラウスの奥さんを表すコンサートマスター田野倉雅秋のヴァイオリンソロも…

(c)飯島隆

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弦楽器も管楽器も打楽器も、全員が尾高マエストロと一緒に音楽する喜びに溢れた「英雄の生涯」が、フェスティバルホールの大空間に鳴り響いた。

(c)飯島隆

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尾高マエストロが指揮する演奏会のカーテンコールは、オーケストラメンバーが達成感に満ち溢れ、キラキラと輝いた表情をしているのがいつも印象に残る。

実り多きリハーサルを経て、本番でそれらを出し切り、手応えのある演奏が出来たからだろうか。

(c)飯島隆

(c)飯島隆

最後にマエストロはマイクを手にし、客席に向けて話し始めた。

「恩師 齋藤秀雄先生から、指揮者はしゃべるなと言われているのですが…(笑) 朝比奈先生との思い出もたくさんある大好きな大阪フィルのミュージックアドヴァイザーに4月から、そして来年からは音楽監督に就任することになり、大変光栄に思っております。大阪に住まいも見つかり、先日より暮らし始めています。大阪は食べ物も美味しく良いところですね。皆さまのご期待に応えられるよう精一杯頑張ってまいります。皆さま、これからも大阪フィルをどうぞよろしくお願いします。」

この話を聞いてお客さまからは一層大きな拍手と歓声が起こった。

(c)飯島隆

(c)飯島隆

「今年、創立70周年を迎えた大阪フィルは、朝比奈隆~大植英次~井上道義とやって来た次のステップとして、より聴衆を引き付けられる表現力と力強いサウンド身に付けるために再度基本に立ち戻り、アンサンブルやサウンドづくりに取り組む必要があると考える。そして、それをお任せできるのは尾高忠明マエストロをおいてほかにない!」

そう熱く語る演奏事業部長の福山修も、「英雄の生涯」は納得の演奏だったのではないか。

バーンスタインの「ミサ」などビッグプロジェクトも多いアニバーサリーイヤーの大阪フィルだが、尾高マエストロが指揮する定期演奏会は、モーツァルトの後期3大交響曲。

着実に動き出した尾高マエストロと大阪フィルの活動から目が離せない。

公演情報
大阪フィルハーモニー交響楽団

「第507回定期演奏会」

 
■日時:4月25日(火)、26日(水)19:00開演(18:00開場)
会場:フェスティバルホール
指揮:大植英次
独唱:
ソプラノ:森 麻季
テノール:藤木大地(カウンターテナー)
バリトン:与那城 敬
合唱:大阪フィルハーモニー合唱団(合唱指導:福島章恭)
児童合唱:大阪すみよし少年少女合唱団
曲目:
ベートーヴェン/交響曲第7番 イ長調 作品92
オルフ/世俗カンタータ「カルミナ・ブラーナ」
料金:A席 6,000円、B席 5,000円、C席 4,000円、学生席(3階席)1,000円、BOX席 7,000円
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
問合せ:大阪フィル・センター 06-6656-4890
(営業時間:平日10:00~18:00/土曜10:00~13:00/日・祝・年末年始は休業)
■公式サイト:
http://www.osaka-phil.com/​

 
「第508回定期演奏会」
 
日時:5月12日(金)19:00開演(18:00開場)
         13日 (土)15:00開演(14:00開場)
会場:フェスティバルホール
指揮:ウラディーミル・フェドセーエフ
曲目:
ウェーバー/歌劇「オベロン」序曲
ウェーバー/交響曲第1番 ハ長調 作品19
チャイコフスキー/交響曲第5番 ホ短調 作品64
料金:A席 6,000円、B席 5,000円、C席 4,000円、学生席(3階席)1,000円、BOX席 7,000円
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
問合せ:大阪フィル・センター 06-6656-4890
(営業時間:平日10:00~18:00/土曜10:00~13:00/日・祝・年末年始は休業)
■公式サイト:http://www.osaka-phil.com/​

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