MAN WITH A MISSION×ジミー・イート・ワールドの競演に8000人が歓喜! ツアー最終公演をレポート

レポート
音楽
2017.6.5
MAN WITH A MISSION  撮影=Daisuke Sakai

MAN WITH A MISSION  撮影=Daisuke Sakai

画像を全て表示(7件)

『“Dead End in Tokyo Tour”EXTRA SHOWS』
2017.6.4(sun) 新木場STUDIO COAST

最新シングル「Dead End in Tokyo」を携えたMAN WITH A MISSIONの全国ツアーの追加公演『“Dead End in Tokyo Tour“EXTRA SHOWS』のファイナルが、新木場STUDIO COASTで行なわれた。スペシャル・ゲストとして、6年ぶり(単独としては9年ぶり)の来日を果たしたジミー・イート・ワールドを迎えてのツーマンは、終始、満員の観客による歓声が響きわたる熱い一夜となった。

ジミー・イート・ワールド  撮影=Daisuke Sakai

ジミー・イート・ワールド  撮影=Daisuke Sakai

まずステージに登場したのは、ジミー・イート・ワールド。昨年10月には、メジャー・デビュー20周年記念作となる9thアルバム『INTEGRITY BLUES』をリリースした。エモーショナルでさらなる深みを帯びた曲を、表情豊かなサウンドで表現したアルバムには、実直にキャリアを重ね音楽と向き合ってきたバンドの横顔が映る。タフでいて、味わい深い作品だ。しかし、今回のステージでは対バン形式ということもあって、新作中心というよりは新旧の曲を楽しめるセットリストとなった。力強いドラミングとギターリフで一気に興奮のメーターを上げる「Bleed American」で幕を開けると、続く「Get Right」ではどっしりとしたリズムを響かせて、フロアをうねらせていく。

ジミー・イート・ワールド  撮影=Daisuke Sakai

ジミー・イート・ワールド  撮影=Daisuke Sakai

MAN WITH A MISSIONのファンで埋め尽くされた会場は、彼らにとってはアウェイかと思われたが、頭から大きな歓声がわき、手拍子が広がっていった。貪欲に音に食らいついてくる観客を、ドライブ感溢れるアンサブルで揺さぶり、「Work」や「Lucky Denver Mint」といったまさにジミー・イート・ワールド節たるグッド・メロディの曲では、グッと熱いコブシをふるわせていく。ジム・アドキンス(Vo/Gt)のボーカルは円熟味を増して、迸るエネルギーに人生の機微がしっかりと裏打ちされた、説得力のあるものとなっている。そのグッと深く突き刺さる歌で、観客の心を掴んでいった。エモ、エモーショナル・ロックというジャンルをメインストリームへと押し上げていったバンドの深化、地に足をつけ音楽を一心に磨いてきた彼らの姿勢が、アンサンブルにも表われている。

ジミー・イート・ワールド  撮影=Daisuke Sakai

ジミー・イート・ワールド  撮影=Daisuke Sakai

後半はジミー・イート・ワールドの名を世に知らしめたアルバム『Bleed American』(2001年)からの曲を中心に披露。ファンに長く愛されてきた曲たちの連投に、フロアの熱気もさらに高くなった。新作からの「Sure and Certain」もまた、その会場へとみずみずしく広がっていく。ラストはヒットチューンの「Sweetness」と「The Middle」でシンガロングを巻き起こして、笑顔でそのステージを締めくくった。

SEが鳴り響くなか、大歓声に迎えられたMAN WITH A MISSION。ジャン・ケン・ジョニー(Gt/Vo)の「東京ノ皆サマ、オ久シブリデゴザイマス──カカッテコイヤ!」の声で、「Get Off of My Way」そして「Hey Now」とフロアを一斉にジャンプさせ、会場を揺るがしていく。ジャン・ケン・ジョニーは、(単独で)9年ぶりの来日を果たしたジミー・イート・ワールドが、日本のライブキッズの熱さに興奮していたと語り、「デモ、マダマダソンナモンジャナイ。世界デ一番、ロックガ盛リ上ガッテイルノハ日本ダッテコトヲ見セテヤロウ」と、「evils fall」「database」とを連投。ベースのカミカゼ・ボーイはステージを駆け巡り、DJサンタモニカもブースを離れ、ステージ先端でフロアの熱狂を指揮していく。

MAN WITH A MISSION  撮影=Daisuke Sakai

MAN WITH A MISSION  撮影=Daisuke Sakai

冒頭からこのスピードで大丈夫か?!という飛ばしっぷりだが、こちらの心配などおかまいなしで「Give it Away」で攻撃的に加速。アグレッシヴなアンサンブルを、トーキョー・タナカがパワフルなボーカルとジャン・ケン・ジョニーのラップとで増幅させる。「distance」では、もうもうと湯気が立ち上っている熱気に満ちたフロアに、DJサンタモニカが体を投げ出し、カミカゼ・ボーイもまた観客に体を支えられながらベースプレイ。前半にして、何度もクライマックスを更新していくプレイで、かつ凄まじく楽しい空間を生み出していった。後半戦を前に、小ネタ感満載の“Mission Movie”が流れ、笑いとともに観客が一呼吸つけたところで、後半はさらに「NEVER FxxKIN’ MIND THE RULES」から縦横無尽の自由なサウンドでスタートした。ドライブ感のあるスペア・リブ(Dr)のドラミングがフロアをかき回し、「Smells Like Teen Spirit」のギターリフが響きわたると、歓声もまた大きくうねる。バンドのテンションも高いが、迎え撃つ観客のパワーもまた圧倒的だ。

MAN WITH A MISSION  撮影=Daisuke Sakai

MAN WITH A MISSION  撮影=Daisuke Sakai

昨年末のAIR JAM 2016でのHi-STANDARDとの共演や、この春のBAD RELIGIONや今回のジミー・イート・ワールドと、自分たちにとって憧れのバンドと共演できたことをジャン・ケン・ジョニーは「エモい」と語り、今年で7年を迎えたMAN WITH A MISSIONについて、通ってきた道は楽しいことばかりではなく虐げられたり、辛酸も味わったことも多々あると、振り返った。そして自分たちをなめていたやつらを見返してやろう、一緒に頑張ろうとMCした。バンドの姿勢、好きな音楽や方法論を曲げることなく突き進んできた、その自信がサウンドのスケール感や強靭さとなった。後半に披露された新曲「Dog Days」や「Raise your flag」での爆発力には凄みが加わり、キラーチューン「FLY AGAIN」で会場をぎゅっと一体化していくそのバンドの握力は、たくましくも暖かい。そして、また次のステージで必ず会おうと、「Dead End in Tokyo」で約3ヶ月にわたったツアーを締めくくった。

アンコールでは6月14日リリースの映像作品『狼大全集Ⅴ』のスペシャルなダイジェストが公開され、また今年9月には今回共演したジミー・イート・ワールドとともにアメリカ・ツアーを行なうことも発表された。狼たちの進化はまだまだ続いていく。そのいい余韻がある一夜となった。


文=Saori Yoshiba 撮影=Daisuke Sakai

MAN WITH A MISSION、ジミー・イート・ワールド  撮影=Daisuke Sakai

MAN WITH A MISSION、ジミー・イート・ワールド  撮影=Daisuke Sakai

 
セットリスト
『“Dead End in Tokyo Tour“EXTRA SHOWS』
2017.6.4(sun) 新木場STUDIO COAST

●ジミー・イート・ワールド​
01.Bleed American
02. Get Right
03. Get It Faster
04. Pain
05. Work
06. Lucy Denver Mint
07. Big Casino
08. Praise Chorus
09. Authority Song
10. Sure And Certain
11. Sweetness
12. Middle
●MAN WITH A MISSION
01.Get Off of My Way
02. Hey Now
03. evils fall
04. database
05. Give it Away
06. Brave It Out
07. distance
08. NEVER FxxKIN’ MIND THE RULES
09. Smells Like Teen Spirit (Short ver)
10. Dog Days
11. Raise your flag
12. FLY AGAIN
13. Dead End in Tokyo
[ENCORE]
14. Seven Deadly Sins
15. Emotions

 

シェア / 保存先を選択