「初日前の気持ち」で大喜利に! EXILE・TAKAHIROは「ドキドキ&ムラムラ」~舞台「MOJO」公開稽古
「MOJO」
EXILE TAKAHIROが初舞台にして初主演を務める「MOJO」が、6月23日(金)から品川プリンスホテル クラブeXにて上演される。初日の前日となる22日(木)、同劇場にて公開稽古が行われ、稽古前の囲み取材では、TAKAHIRO、波岡一喜、木村了、尾上寛之、味方良介、横田龍儀と演出・上演台本を手掛けた青木豪が登壇した。
「MOJO」は、英国演劇界をリードする劇作家ジェズ・バターワースの処女作。オリヴィエ賞のBest Comedyを受賞した伝説の戯曲。ロックンロールカルチャー全盛の1950年代後半のロンドンを舞台に、17歳にして大人気となったスター歌手の利権をめぐり、クラブオーナーと地元ギャングとの抗争を描く。
演出と上演台本を手掛けた青木は、「演出にできることは、役者さんが舞台にずっと立ってられる状態を作ること。(初日までの)稽古ですでに彼らだけでその状態を作ることができていると思う。あとはお客さんが入ることで完成する。毎日少しずつ変わっていくのを役者陣は楽しめる世界を作れていると思うので、僕は安心してこのグルーヴ感を客席から見守りたい」とコメント。
ロンドン・アトランティック・クラブのオーナーの息子、ベイビーを演じるTAKAHIROは「スリルと笑いが織り交ぜられたいい作品をお見せできると思う」と自信をみなぎらせる。初日前の今の心境を問われると「一言でいうならドキドキです。稽古をしてきて、僕らが答えだと思っていることがお客様にどう伝わるのか、どういうところでリアクションが返ってくるのか、またどんな表情をされるのか」と、初主演のプレッシャーを感じつつもそれをも楽しんでいるかのようだった。
オーナーの有能かつ野心的な右腕、ミッキー役の波岡は「一言でいうならワクワク」とTAKAHIROの表現に乗っかる。「セリフがものすごい速さで進んでいくので、お客さんの思考をも置いて行けるくらいにできれば」と作品の魅力と共に語っていた。
こうなると、「一言でいうなら〇〇」の返しは大喜利状態に。
ヤク中のスウィーツ役を演じる木村は「一言でいうならゾクゾク。スピーディーな展開。尾上くんとベラベラ喋りまくるんですが、一度でもどこかでつまづいてしまうと『(次は)……俺だったっけ?』っていうやり取りが稽古場でもあった。そのスリル感がゾクゾクです。あとはこの30公演で横田くんの肉体改造をどこまでできるかにゾクゾクしています」
スウィーツと弾丸トークを繰り広げるポッツ役、尾上は「一言でいうなら……モゾモゾしています」この表現に思わず笑いだすキャストたち。「本番が始まる楽しみと、一人が止まると舞台上の時間がかなり止まってしまう感があるので。みんなでカバーし合いながらやりますが、お客様が入ることで実際どうなるのか、それがまだわからないのでモゾモゾしてるんです」
クラブの下っ端従業員、スキニー役の味方は「ダラダラしています」とこれまた物議をかもす発言。「見てのとおり、汗がダラダラ、だくだくで。汗ダラダラになるくらい魂削って挑みたい」と即、解説をしていた。
クラブのスター歌手、シルバージョニー役を演じる横田は、「ガチガチです……明日から始まることの緊張でガチガチ。そして肉体改造計画が始まっているので筋肉痛でガチガチです(笑)」と笑いを取っていた。
青木にも同じ質問がふられると「ピカピカ……立ち位置もレフ版のつもりで。(キャストの目線が自然と青木の頭上に……)芝居は新鮮さが大事なので気持ちはピカピカで進んでいければ!」と演出家としてシメていた。
一巡したあとでTAKAHIROは、ほぼ360°の円形ステージで演じる気分を問われ、「一言でいうならムラムラですね!お客様がすごく近いし、お客様の目線がちょうど僕らの下半身に……」と口走る。この言葉に他キャストが「こら!」「そのコメントだけ(記事に)使われるから!」とツッコミをかける。負けじとTAKAHIROは「30公演あるので、僕らそれぞれの下半身のポテンシャルにも注目していただきたい」と続け、男しかいない座組みならではの下ネタありのトークとなっていた。
出演者コメント
TAKAHIRO
今回、この「MOJO」で舞台に初挑戦します。みんなで稽古を積み重ねてましたが「スリル」と「笑い」が⼊り混じった良いものをお届けできる舞台になっていると思います。明⽇23⽇からの本番、必死にがんばります。
波岡⼀喜
男だけの6⼈舞台ですが、1 カ⽉間稽古をやってきてとても仲の良い6 ⼈になりました。この、仲の良さから⽣まれる⼀体感というか、チームワークを、出していきたいと思っています。
⽊村 了
とてもスピード感のある舞台になっています。もしかしたら、お客さんも追いつけない可能性もあるかもしれません(笑)。ただ、僕たちは「新鮮さ」を忘れることなく最後まで突っ⾛りたいと思っています。よろしくお願いします。
尾上寛之
演出の⻘⽊さんから、稽古の間「⽣っぽさがすごく⼤事」と⾔われてきました。なので「今⽇こう出るぞ」という、⽣っぽさというか、試しというか、遊びを交えながら、明⽇(23⽇)からの本番を、6⼈で楽しく作り上げていきたいと思っています。
味⽅良介
1カ⽉間の稽古期間中、通し稽古も多く⾏ったこともあり、すでに完成しきった作品になっていると思います。しかし、明⽇6⽉23⽇の初⽇から、7⽉14⽇の千秋楽までの30公演で、どこまで上に⾏けるかとても楽しみな作品でもあります。どこからが計算でどこまでが計算じゃないのか、そこも楽しんでいただければと思います。
横⽥⿓儀
この舞台は円形なので、観劇される場所によっても、さまざまな⾒⽅ができると思います。そういう舞台機構も楽しんでいただきつつ、この「MOJO」の今まで⾒たことのないような世界観に、ぜひ注⽬してください。
⻘⽊ 豪
演出がやれることは、役者のみんなが⾃分たちだけで舞台にずっと⽴っていられるというのを作っていくことだと思っています。これまでの稽古によって、彼らだけで「MOJO」という空間と時間が作れるようになっていて、あとは実際に観客の⽅を交えて舞台は最終的に完成します。観客の⽅次第で、毎⽇少しずつ空気感は変わると思いますが、それを楽しめるように役者陣はがっちりとしっかりしたものができているので、僕は安⼼して客席から⾒守りたいです。このグループ感を最後まで皆さん楽しんでください。
会見の後に行われた公開稽古では、全編に流れる1950年代後半のロックンロール・ミュージックが「これから何かが起きるかもしれない」感をあおり、そこに木村と尾上のマシンガントークが重なって、物語の速度と熱をさらに高めていく。そんな中、TAKAHIROがワガママかつ歪んだ性格のオーナーの息子を魅力的に演じ、有能なNo.2としてにらみをきかせる波岡とスリリングな距離感を見せる。緊張感が徐々に高まる中、いいガス抜きとなる味方の存在もいい塩梅だ。そして物語のキーマンとなる横田は彼らとどのように関わっていくのか。それはぜひ劇場でご確認いただきたい。
取材・文・撮影=こむらさき
■原作:ジェズ・バターワース
■演出・上演台本:青木 豪
■出演:TAKAHIRO、波岡一喜、木村 了、尾上寛之、味方良介、横田龍儀
■日時:2017年6月23日(金)~7月14日(金)
■会場:東京・品川プリンスホテル クラブeX
■公式サイト:http://www.nelke.co.jp/stage/mojo/