須賀健太インタビュー モヤモヤの青春時代から『獣道』での挑戦まで……もがき続ける俳優が感じること

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インタビュー
2017.7.13
須賀健太 撮影=鈴木久美子

須賀健太 撮影=鈴木久美子

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7月15日(土)に公開を迎える映画『獣道』は、地方都市を舞台に、宗教団体やネグレクト(育児放棄)、性産業に翻弄される少年少女の姿を描く、異色の青春ブラックコメディだ。自分の居場所を探し風俗の世界に身を落とす少女・愛衣(伊藤沙莉)と、彼女に思いを寄せる不良少年・亮太(須賀健太)の二人を軸に、吉村界人やアントニーらが演じる個性豊かで魅力的なキャラクターが織り成す群像劇を、『下衆の愛』などで国内外で評価された内田英治監督が描きだす。

伊藤とともに主演をつとめた須賀は、近年、内田監督の『ダブルミンツ』出演や、ハイパープロジェクション演劇『ハイキュー!!』主演など、子役時代とは異なるイメージのジャンル・役柄に挑み続け、あらたな俳優像を確立しようとしている。そんな須賀は『獣道』への強い思い入れを「挑戦」と表現している。果たして、どんな思いを胸に作品に臨んだのか。役へのアプローチ方法や、同世代の俳優から受けた刺激など、さまざまな思いを語ってもらった。

今までと違うイメージの役を演じるのは魅力的

須賀健太 撮影=鈴木久美子

須賀健太 撮影=鈴木久美子

――最初に脚本を読まれて、どう思われましたか?

最初に脚本を読むときは自分の役に関係なく、お客さんの立場で読むようにしています。純粋に読み物としてすごく面白くて、一気に読んでしまいました。「これをどう映像化するんだろう?」と思いましたし、「こんなに素敵な作品を断る必要はない」と思いました。また、内田監督とご一緒できるなら、役者としても成長できるんじゃないかと思いました。

――具体的には、どういうところを面白いと思われたんでしょうか?

物語全体がシュールさをまとっていて、悲壮な空気感だけではなく、笑いもあります。僕は東京の出身なので、深くはわからないところもあるのですが、“どこかにありそうな地方都市感”がリアルだと思いました。それと、若い世代特有の孤独感やモヤモヤした不安みたいな感覚など、理解できる部分もありました。そこをうまく表現できたら、深みのある作品になると思ったんです。

――先日公開された映画『ダブルミンツ』でも内田監督とご一緒されていますね。

撮影は『獣道』のほうが先だったんですが、『ダブルミンツ』でも呼んでいただけて、すごく嬉しかったです。実は『獣道』が完成するまで、「僕が亮太でよかったのかな?」という思いがあったので、「嫌われてなかったんだ」とわかったので(笑)。

――(笑) なぜ嫌われたと思われたんですか?

以前は、僕の中に“不良感”をイメージしてくださる方って、いなかったと思います。自分で言うのもおこがましいんですが“好青年”というのが、僕のイメージだったと思うので。監督に聞いたら、「最初は不安だった」とおっしゃっていらしたので……「じゃあ、なんで呼んだんだよ!」ということですが(笑)。結果的に、僕は(亮太を)演じられてすごく良かったと思いますし、役者としても今までと違うイメージの役を演じるのは魅力的で理想的、幸せなことだと思います。

須賀健太 撮影=鈴木久美子

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――内田監督の印象はいかがでしたか?

すごく“瞬発的な方”という印象があります。その瞬間やシーンを撮ることに、すごく情熱を持たれている方で、脚本家と監督の立ち位置、両方の視点を持った方だと感じました。監督としてシーンを面白くすることを考えてらして、撮り直しもなくOKだったのに、後でそこがカットされているということもありました(笑)。それは緊張する部分でした。“使われたのか、使われなかったのか”を意識するということではないんですが、そのシーンのために全力を出すことをつねに考えなければいけなかったんです。

――完成したものを見るまで緊張しますね。

僕たちも完成作を見て、台本と全然違ったのでびっくりしました。監督である内田さんのすべてが、作り方に詰まっていました。終わり方にしても、台本と全然違っていて、序盤にあったシーンがラストシーンになっていました。そういうところに、監督の“出来高主義”の面白さを感じます。完成作として不自然じゃないし、着地としてすごく良かったと思います。(『獣道』が)青春映画で、若い人たちの群像劇だと改めて認識できる瞬間だと思いました。ただ、びっくりはしましたけど(笑)。

――“不良感”のある亮太をどう演じられたのでしょうか?

こういう役を演じる機会がなくて、何が正解なのかが明確にわかっていたわけではないので、自問自答をしながら演じました。映画とか見ていると、自然と悪役や敵役に目が行くようになりました。それと、目の芝居で鋭さや孤独感を伝えられたらいいな、と。そこは自分の中で大事にしたいと思って演じたところです。それと、キャストの皆さんが個性的なので、逆に「個性的に見えないのが亮太の個性」だと思いながら演じました。どこか一歩引いたお客さんに近い立ち位置で、自分の中で「どう感情の引き算をやっていけばいいのか?」を考えました。

――亮太は愛衣の近くで見守っていますよね。

亮太は、愛衣の一番近い位置にいることを最後まで選ばなかった。それを選ぶのが怖かったんだと思いました。どこかのタイミングで付き合うことも、ふたりの関係を簡単にすることもできたと思うんです。でも、ふたりはわざとややこしい位置に居ようとした。少なからず理解できるところはありますね。

――“殴りながらキスをする”ラブシーンが印象的でした。演じられていかがでしたか?

あのシーンが一番大変だったかな。僕も伊藤さんも迷いながらやっていました。伊藤さんは監督とすごく話していました。亮太は誰に対しても受け身になることが多く、愛衣がどう出てくるかによって変わるので。彼女と監督が話している姿を見て、「どうしようかな?」と思っていた記憶があります。愛衣に対して亮太らしくしないといけないので、感情的になりすぎてはいけない“ライン”があったんです。殴りながらキスをするって、ちょっと特殊ですよね。亮太は愛衣をすごく好きだし、常に彼女を気にかけながら生きてきた。だから、愛衣とキスをした状況で、「これは違う」と思う“揺らぎ”を出せたらいいなと思ったんです。監督からも明確に、「“一度受け入れようとするように”演じてくれ」と、指示を受けました。何が正解かを常に考えていましたし、考え続ける“揺らぎ”が出ればいいと思いました。

 

「俺もやりてーな」モヤモヤの青春時代

須賀健太 撮影=鈴木久美子

須賀健太 撮影=鈴木久美子

――愛衣を演じられた伊藤さんは、須賀さんと同じく子役出身ですね。共演してみていかがでしたか?

いままで共演したことはありませんでしたが、この話をいただく前に(伊藤の)舞台を観に行っていて、いい芝居をする素敵な女優さんだと思っていました。今回、純粋に共演出来てうれしかったですし、「一番大変そうで一番楽しそう」と見ていて思いました。

――ほかにも同世代の方が多く出演されていますね。刺激を受けた方はいますか?

界人は凄いですよ。「バケモンだな!」と思いながら僕は見ていました。僕にないものをすべて持っているので、「一緒にやって同世代で気になる人は吉村界人だと言おう」と思ってました。芝居を見ていて感じたんですが、彼は技術の人ではないんです。本当に役が憑依して、瞬発的に生まれたものを大切にしている役者さんです。僕は技術で組み立てていくタイプだと思うので、その違いをすごく感じていましたし、羨ましく感じた部分でもあります。それはお互いに感じていたんじゃないかな。普段は一緒にいて楽しかったです。アントニーもいて、いじって笑うって感じで、現場は和やかでした。

――ご自身と亮太の似ていると感じる部分はありますか?

客観的に見てはいないんですが……亮太は純粋ですよね。似ているところはあるのかな? 分かるところはたくさんあります。ちょっとかわいくて、愛おしく思う瞬間がありました。でも、似ているところはないかな(笑)。

――須賀さんの高校時代はいかがでしたか?

高校時代……青春ぽいことをしていないんですよね。僕は本当に仕事が好きで、作品を作るのが好きなんです。でも高校時代って、あまり仕事をしていなかったので、そのフラストレーションを感じていました。つねに「仕事をしたい」と思っていましたし、映画やドラマで同世代の人たちが出ていると、「俺もやりてーな」って思う、モヤモヤの青春時代だったと思います。

――意外ですね。

適度にバカなことをやって、先生に怒られたり、友達とワイワイもしました。(しばらく考えてから)振り返れば楽しかったと思えます。青春って、振り返らないと良さがわからないですよね。あの頃は不安でモヤモヤしていましたが、いま思うと意外と楽しかったとも思えてきました。でも、恋愛面とかでもっとキラキラしたかった(笑)。男と遊ぶばかりで、何もないんですよ。もっと色恋沙汰があってもよかったのに、って思いました。

須賀健太 撮影=鈴木久美子

須賀健太 撮影=鈴木久美子

――以前は、子役のイメージを払拭したかったそうですね。

自分では、青春モノやちょっとアンダーグランドな世界観のものなど、いろいろやらせていただいてる感覚でいますが、それが僕に対する皆さんのイメージに直結していなくて……子役の頃の記憶のままなんです。観てくださっている皆さんにも多面的に観ていただくには、時間がかかるし、もっともっとやっていかないと、と思っています。

――今も、もがいてらっしゃるんですね。

でも、楽しいです。いろいろな役を演じられるようになりましたし、それこそ舞台『ハイキュー!!』をやっていると、稽古期間中に青春をしている感じなんです。若いキャストと朝から晩まで稽古して、作品を通していろいろなことを感じています。

――本作の登場人物は、出会いによって運命が変わっていきます。須賀さんも「この人に出会ったから運命が変わった」と思う出会いはありましたか?

誰かというよりも、すごく人に恵まれていると思うんです。「こうなりたい」とか「変わりたい」と思うタイミングで、運よく人や作品に出会わせていただいています。いろいろな役者さん、監督、映画、舞台。いいタイミングで人に出会っている人生だと思います。舞台も、すごくやりたくなったのはこの数年なんです。以前、共演した方の作品を観に行かせていただいて、「舞台ってすごい!」って思ったのがきっかけなんですね。そういう出会いは、つねにあると思っています。小さい変化は、出会う人によって起こされていると思いますし、つねに刺激をうけてますし、これからも受け続けたいです。人に対して敏感でいたいと思います。

――亮太も自分の居場所を探していました。須賀さんの居場所は見つかりましたか?

まだ、居場所というものは見つけられていないと思います。すごく移り変わりの激しい世界なので、まだまだ確立出来ていないし、挑戦を続けないとですね。

須賀健太 撮影=鈴木久美子

須賀健太 撮影=鈴木久美子

 

映画『獣道』は7月15日(土)より、シネマート新宿ほか全国公開。

取材・文=Hirayama Masako、撮影=鈴木久美子

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『獣道』須賀健太サイン入りポストカード 1名様に

須賀健太 撮影=鈴木久美子

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作品情報
映画『獣道』

(2017年/日本、イギリス/カラー/95分) 
出演:伊藤沙莉、須賀健太、アントニー、吉村界人 韓英恵、でんでん、広田レオナ 、冨手麻妙、近藤芳正、松本花奈、大島葉子 、マシューチョジック 矢部太郎、川上奈々美、毎熊克也、篠原篤、森本のぶ、根矢涼香、川籠石駿平、アベラヒデノブ 

監督・脚本:内田英治(『下衆の愛』)
撮影:伊藤真樹(『リアル鬼ごっこ』) 
製作:NAC、サードウィンドウフィルムズ(英) プロデューサー:アダム・トレル
配給:サードウィンドウフィルムズ
宣伝:フリーストーン 
公式サイト:http://www.kemono-michi.com 
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