ジブリの志を受け継ぐ米林宏昌監督が『メアリと魔女の花』を通して伝えたかった想いとは?

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2017.7.8
『メアリと魔女の花』を通して監督が伝えたかった想いとは?

『メアリと魔女の花』を通して監督が伝えたかった想いとは?

スタジオジブリで、『借りぐらしのアリエッティ』、『思い出のマーニー』を生み出した米林宏昌監督待望の最新作『メアリと魔女の花』が、いよいよ2017年7月8日に公開されます。

『メアリと魔女の花』は、イギリスの女流作家メアリー・スチュアートによる児童文学「The Little Broomstick」を原作としたアニメーション映画。アニメーション制作は、スタジオジブリ出身の西村義明氏が代表を務める新スタジオ、スタジオポノックで制作し、「魔女」をモチーフにした物語が描かれます。

日本を代表するクリエイターが集結して作り上げられたアニメーションに加え、日本アカデミー賞最優秀助演女優賞を受賞した杉咲花さんや神木隆之介さんなど、豪華出演陣が多彩なキャラクターたちに息を吹き込み作り上げられた、今夏一番の期待作です。

本作の公開に先立ち、米林宏昌監督にインタビューを実施しました。

スタジオジブリ制作部門が解散し、まったくのゼロからのスタートの中、本作はどのように作られたのかをたっぷりと語っていただきました。製作スタッフや声優陣など、様々な角度から本作の魅力に迫ります!

1973年、石川県生まれ。大学卒業後、1996年にスタジオジブリに入社。『借りぐらしのアリエッティ』で初監督。その年の邦画1位を獲得(観客動員765万人)。監督、二作目『思い出のマーニー』では、第88回米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネート。『メアリと魔女の花』は、監督として三作品目。現在は、スタジオポノックに所属。

取材日:2017年6月22日

 
スタジオすら存在せず、ゼロからの状態で始まった本作
——2017年6月19日に行われたメディア向けの試写会で観させて頂いたのですが、公開ギリギリまでこだわって作られていたとお聞きしております。

米林:今回は大変でしたね(笑)。

——『借りぐらしのアリエッティ(以下、『アリエッティ』)』(2010)、『思い出のマーニー(以下、『マーニー』)』(2014)に続き、本作は監督の3作品目ですけれど、前作と比較しても大変でしたか?

米林:そうですね。今までかつてない程のスケジュールの遅れがあり、大変でした。本当に間に合うかどうか、ギリギリまで粘りましたね。

——具体的にはどの辺が大変だったんですか?

米林:最初に「動きのあるファンタジー作品を目指す」というテーマをかかげ、西村義明プロデューサー(註1)と共に企画をスタートさせました。

といっても、スタジオジブリの制作部はすでになく(註2)、僕と西村さん以外には誰もいないという、二人きりでのゼロスタートでした(笑)。

——(笑)。宣言から始まったんですね。

米林:初めはスタジオすら存在しない状態でしたからね。喫茶店で打ち合わせをしながら、脚本を練っていたんです。それからスタッフに声をかけ始めたのですが、なかなか思うように集まらなかった時もありました。

このままでは完成できないんじゃないかと言われながら進めていきましたね(笑)。なんとか期日までに、作品を完成させることができたという感じです。

——本当にギリギリだったんですね。公開日は予め決まっていたんですか?

米林:夏公開ということはすでに決まってました。そこに向けて制作を進めていったという感じです。

ジブリが解散してしまい、一緒に働いていたスタッフたちも、バラバラだったんです。そんな中でも、賛同して集まってくれる人が多数いたのは、本当にありがたかったですね。

——逆にバラバラになった方々は、お声掛けされるのを待っていたという感じでしたか。

米林:それはさまざまですね。重要なポジションについてる方もたくさんいました。

お忙しい中でこちらの仕事を手伝って頂いたり、全然参加できない人たちも多かったです。以前は当たり前のように一緒に仕事をしていたスタッフも参加できなかったりもしました。

——なるほど。逆に、ジブリ出身ではない方も多数参加してますね。

米林:そうですね。動かすのを得意としているアニメーターの方たちにたくさん参加していただいています。

個性的な動きが上がってきても面白ければ積極的に取り入れています。

作品としては、ボコボコしてきますが(笑)。

——監督の目線では、ボコボコしたものが残っているという感じですか。

米林:逆にボコボコしているものがいいんです。

ディズニーやピクサーの作っているものは、脚本が論理的で作画も安定している、スキのないキッチリしたものを作りますよね。

逆に『メアリと魔女の花(以下、『メアリ』)』は、色んな方が参加し、しかも手描きなのでシーンによって作画が違っていたりもします。でも、それこそがたくさんの人たちでひとつのものを作る面白さだと思うんです。

(註1)西村義明プロデューサー:『メアリと魔女の花』のプロデューサー。米林監督作品の『思い出のマーニー』でもプロデューサーを担当。
(註2)スタジオジブリの制作部はすでになく:2014年8月、スタジオジブリの制作部門の解散発表。

 
本当に子供のために作ったものなら、大人も喜んでもらえる
——原作選びはどういう所から始めたんですか?

米林:西村さんと二人で、図書館を巡りながら原作を探していました。

その時に西村さんが『小さな魔法のほうき』という魔女の児童文学を持ってきて。それを見て、「魔女!? 『魔女の宅急便』(1989)と比べられる」と思ってしまいました(笑)

——そうですよね(笑)。

米林:確かに原作は面白いんだけど、読み進めてみるとたくさんの動物が大脱出するシーンなどがあって。

「こんな大変なアニメーションができるわけない!」とも思いましたね(笑)

——確かに、作画としては大変ですよね。

米林:だから、「違うものにしましょう!」と(笑)。

別の作品を探したり、進めたりしたんですけど、結局上手くいかず。結局、『小さな魔法のほうき』で進めることをに決めました。

この原作にさまざまな要素を加えていけば、きっと良い映画になるんじゃないかと。
でもほうきに乗って飛ぶスピーディーな描写はアニメーションに向いてるし、自然の描写も美しい。この原作にさまざまな要素を加えていけば、きっと良い映画になるんじゃないかと思いました。

——主人公が魔女であり、黒猫が登場するなど、モチーフがジブリ作品の『魔女の宅急便』に似ているところがあると思うのですが。監督はその辺りを、どう解消したのでしょうか?

米林:『魔女の宅急便』は才能のある魔女がスランプにおちいりつつも、再び魔女として復活をするお話です。

一方の、『メアリ』は普通の女の子がひょんなことから魔女の力を得て騒動に巻き込まれますが、肝心なときに力を失い普通の少女に戻る。そこから何ができるかというお話です。

モチーフには近しいものがありますが、実際は全く違ったお話になっています。

——確かに。

米林:『魔女の宅急便』の黒猫の声は、キキ(魔女)の心の声だったのですが、今回はもっとミステリアスな存在にしようと考えました。

「猫は魔法に通じているからな」という言葉が原作にもあったので、メアリを魔女の世界に誘う存在として登場させました。

ほうきに関しても、『魔女の宅急便』の場合では道具ですが、「ほうきにをキャラクターとして描けば、『魔女の宅急便』とは全然違うものになるんじゃないか」と思いました。じゃじゃ馬だったものが次第にメアリのバディ(相棒)になっていけばと。

——モチーフにジブリ作品と近しいものを選ばれているというのは、監督にとっての自らが選んだチャレンジだったのでしょうか?
例えば、宮崎監督の『崖の上のポニョ』(2008)では荒々しい海が描かれていますが、監督の『マーニー』では静かな海が描かれていて、同じジブリ作品でも対照的だったように思います。

米林:それは意識してませんね。僕が大切にしているのは、お客さんにどう楽しんでもらうかです。

僕自身スタジオジブリ作品のファンではありますが、近年のジブリの作品だと「別れ」が強くでていて、内容的にも落ち着いた作品が多くなってきていると感じていました。

なので、今回は主人公がやってきてどうやってここに馴染むかという話にしました。こちらの方が若い人にとっての問題になるんじゃないかと。

いつも試写会の舞台挨拶などで前に立つと、映画館の座席の前の方には小さいお子さんが座っていることが多いんです。彼らのためにドキドキワクワクする物語を作りたいと強く感じるようになりました。

「本当に子供のために作ったものなら、大人も喜んでもらえる」というのはスタジオジブリの作品を作っている時の信念です。

最初に宮崎監督のところに挨拶に行ったときに「覚悟してやれ」と言われたんです。

「子供に見せるものを作るのだったら、その責任を持て」と受け止めて身を引き締めました。

——監督的には、自分の思い描くジブリイズムの再生(ルネッサンス)を目指したということですね。

米林:僕には9歳の、西村さんには11歳と5歳の子供がいます。ふたりで、「この子たちに観せたいものを作りたい」と決めたんです。それが僕たちにとってのテーマでもあります。

子供のために作ったものであれば、大人が見ても喜んでもらえる。

これこそが、スタジオジブリが今まで大切にしてきたものだと思うんです。本作もその志を継いだものを作ろうと思いました。

 
原作にイギリス児童文学を選ぶ理由は?
——ところで、気になることがあるんですが、伺ってもいいですか。監督の作品は、すべてイギリスの児童文学からきてます。それは目指すテーマに合致しているから、あえて選んでいるんですか?

米林:偶然です。ただ、イギリスの児童文学は深いテーマを持った作品多いですね。

子供を対象にしつつも、大人が読んでも、考えさせられる普遍的なものを持っています。
例えば『アリエッティ』の原作には、小人たちを戦時下に疎開している人たちになぞらえています。

『メアリ』の原作も、すごく面白い作品です。言葉遊びはとても愉快だし、ほうきに乗ってるときの臨場感ある描写は手に汗握るほどです。

——なるほど。イギリス児童文学が、監督の琴線を刺激するということなんですね。

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ジブリ作品の声優に、役者が起用され続ける理由とは?
——声優のキャスティングについてもお聞きしたいことがあるんです。アニメファンから見ると、「なぜ、声優さんを起用しないのか?」と思うところがあります。役者の方をキャスティングされるのはなぜなのでしょうか?

米林:確かに「声優さんを起用してほしい!」というご希望はよく耳にしています。ただ、アニメーションにも色んな種類があると思うんですよね。

例えばテレビアニメの場合だと、あまり絵を動かせない中で、声を演じてもらわなきゃいけない。動いてなくても動いているような演技をする必要があるため、声の力に頼る部分が非常に大きいです。

他にも、ケレン味のある動きをするといった場合には、声優さんの力を借りるというのがあるのかもしれません。

しかし、日常芝居などのナチュラルな演技を必要とする場合には、声の選び方も違うんじゃないかと思っています。それが、役者の方に声優をお願いする理由です。

演技が自然なのに、抑揚をつけた喋り方をされると浮いてしまうんです。

『マーニー』では声優さんの力を借りた部分もあるのですが、抑えてもらわなければならず、戸惑わせたりもしました。

そういった理由から、ジブリ作品では、役者さんに声を当ててもらったてきたのだと思います。

それでも、実写でやってもらう演技より少し抑揚をつけてもらわないといけなかったりと、役者さんの声優起用でも、バランスの難しい部分はあります。

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——なるほど(笑)。

米林:舞台をやっているぐらいの声量で演じてもらった方が、一番ちょうどいい具合になるんじゃないかと思います。

天海祐希さん(マダム・マンブルチューク役)は現場で、「いつも絵に負けちゃうから」と仰ってました。何度も声の仕事をやられている内に、きっと抑揚の付け方が分かってきたのだと思います。

——天海さんの演技は、しっかりとキャラクターに溶け込んでいましたね。

米林:佐藤二朗さん(フラナガン役)もそうでしたが、どの方も達者でしたね。

小日向文世さん(ドクター・デイ役)は今回が声優初挑戦だったんですけど、その辺はすごく意識してやって頂いて、流石だなあと思いました。

本作は特徴的なキャラクターが多く、同じ役者であっても表現が違っていたりと、そういう部分でも面白い作品になったという手ごたえがあります。

キャスティングの中でも特に難しかったのは、主人公のメアリだったりするんです。
彼女は、嘘はつくし、勝手にどこかへ行っちゃうし、お調子者だし……。割と嫌われがちなキャラクターだと思うんですよ(笑)。

——言われてみるとそうかもしれないです(笑)。

米林:そういう中でも嫌われない声が良いなと考えたところ、『マーニー』で一緒にやった杉咲花さん(註3)にたどり着きました。

杉咲さんの声には、なんとなく許してしまう魅力があるんですよね。

「彼女だったらメアリを上手く演じてくれるんじゃないか」と思って、テストしてみてたら、確信に変わりましたね。

杉咲さんのアフレコを聞いて、「メアリってこんな女の子だったんだ」というのに逆に気づかされました。天才的で、稀有な女優さんだと思います。

神木(隆之介)さん(ピーター役)に至っては、スムーズに収録できて4時間で終わりました。難しいシーンもあったと思うけど、さすがですね。(註4)。

(註3)『マーニー』で一緒にやった杉咲花さん:『マーニー』では、主人公・杏奈を導く、彩香を担当。
(註4)神木(隆之介)さん:『アリエッティ』で、少年・翔を演じてる。

 
従来のクリエイターに加え、日本のアニメーション界を牽引する新たなスタッフが加わった!?
——今回、ジブリ出身のスタッフ以外に、『ヱヴァンゲリヲン新劇場版』で活躍された、スタッフや、別スタジオの方々と一緒に作られたと思うのですが、制作過程で印象に残ったことはありますか?

米林:ジブリ出身のスタッフも大勢参加してくれているのですが、そうでない方もたくさんいました。

作画監督の稲村武志さん(註5)は本作に関わる以前に、プロダクションI.Gの方で仕事をされていたこともあり、プロダクションI.Gの方が何人か入ってくれています。

スタジオジブリの画の動かし方とはまた違う、リアルな動きのあるアニメーションが加わりましたね。

——ジブリのイメージとは違ったシーンが多々あったのが、とても印象的でした。

米林:それが面白いなあと思います(笑)。

「こういう演技をするんだ」って。

シャーロットが階段であるものを見つけて戸惑う芝居はジブリのスタッフだとやらないアクションで良かったですね。

——ちなみに、監督が面白いと思ったシーンはどこですか?

米林:冒頭のアバンタイトル(オープニング)のシーンを丸々担当してもらったのですが、想定していた以上のものをあげてくれました。すごいシーンですね。

『かぐや姫の物語』にも関わっていただいたスーパーアニメーターの橋本晋治さんが担当されているんです。

炎の中に鉛筆のタッチが混ざっている描写はかっこよかったです。

同じくスーパーアニメーターの大平信也さんも、動物たちが金庫室から勢いよく飛び出してくるような凄いシーンを作ってくれています。

あと、田中敦子さんの描いた、動物の変身が解けて飛び出していくシーンもすごいです。

絵コンテで僕が描いた以上のものが上がってくると嬉しくなります。

時には全然違うものがあがってきたりするので、これはこれで凄いなぁと。

作品を作る時には、色んな人の能力を足し算していくことで、面白いものができるというのがあるんです。

これは『アリエッティ』の時もそうだったのですが、色んな人が、それぞれのイメージで、「小人の世界をどういう風に描くのか」というアイディアを絞ってくれる。

作画だけでなく、音響や美術も同じように、アイディアを絞ってくれる。そういったものが合わさって一つの世界が作られるんです。

だから僕がやる時は、頭ごなしに「こうじゃない!」とは言いません。「このシーンと、この映画でやらなきゃいけないという所を守って頂ければ、どういう表現しても良いですよ」という方針ですね。

そこから、想像できない面白さが足し算ででてくるんです。



(註5)作画監督の稲村武志さん:ジブリ出身スタッフ。ジブリ時代多数の作品に加わっている。米林監督作品では、『アリエッティ』と『マーニー』(作画監督補)にも参加。

 

師匠たちの反応と大きなエール
——宮崎駿氏や高畑勲氏、鈴木敏夫氏のお三方は本作をご覧になっているのでしょうか?

米林:鈴木さんは、最初にひと言、「若い」と仰っていてました。
いい意味か悪い意味かは分からないですけど(笑)。

「ジブリの呪縛から解き放たれると、こういう作品を作るのか」とも言われていましたね。
これも良い意味か悪い意味なのかは分からないのですが(笑)。

——そうなのですね(笑)。

米林:高畑さんからは「私がファンタジー嫌いなのを知ってるでしょう!」と言われました(笑)。

——(笑)。

米林:……と言いながらも、「昨今哲学的で複雑な作品を放り込んでいる作品が多くなっている中で、分かりやすくて良かった」と言ってくれました。

「でも私が良いと思うものは売れないですよ! はっはっは!」と続けられました(笑)。

——褒められたのですね(笑)。

米林:宮崎さんは「俺は観ない!」と仰っていたのですが、先日あいさつに伺った時には「おつかれさま」と声を掛けて頂きました。

プロジェクトが始まった時には「覚悟を決めてやれ」という風に言われていたので、ありがたいし、嬉しいです。

 
ポストジブリを担う同世代監督へのまなざし
——昨年、同世代のアニメ監督が、注目されてますね。

『君の名は。』で、新海誠監督(1973生まれ)が大ブレイクされて、アニメファンのすそ野が大きく広がったと思います。また、ヒットメーカーともいえる細田守監督(1967生まれ)とも、年齢は近いですね。

監督から見て、同世代の方々の活躍はどのようにみえているのですか?(※米林監督は1973生まれ)

米林:お二方はもう、ベテランですよ(笑)。僕はまだ映画を3本しか出していないので。

みなさんから、どのような作品が生まれるのか、私自身が本当に楽しみにしています。色んな作品があった方がいいと思っています。

そういった意味でも、今では異端になりつつある、ファンタジー作品を『メアリ』で出せたというのは良かったと思います。アニメーションを、色んな人に楽しんでもらいたいですね。

——最後に映画を楽しみにしている方へ、メッセージをお願いします。

米林:本作にではメアリが魔法を失った時に、どうやって立ち上がり、前に進むかというものを描いています。

新しいものに向かって次の一歩を進めるような、勇気を与えられるような作品です。

子供から大人まで、あらゆる世代の人が楽しんで頂ける作品だと思いますので、是非ご覧ください。

——ありがとうございました。

取材・編集:内田幸二/文:島中一郎

 
作品情報

2017年7月8日(土)より全国東宝系にてロードショー

【イントロダクション】
『借りぐらしのアリエッティ』『思い出のマーニー』監督・米林宏昌、全世界待望の最新作。

『借りぐらしのアリエッティ』(2010年)で同年邦画興収第1位、『思い出のマーニー』(2014年)で第88回米国アカデミー賞長編アニメーション映画部門にノミネートされるなど、国内外で高い評価を得る監督・米林宏昌。スタジオジブリ退社後の第一作目として、満を持して発表する長編アニメーション映画が『メアリと魔女の花』です。

原作は、『魔女の宅急便』や『ハリー・ポッター』誕生以前の1971年、イギリスの女流作家メアリー・スチュアートにより書かれた児童文学「The Little Broomstick」。米林監督が最新作に選んだ題材は、かつて師である宮崎駿監督が選んだ題材と同じ「魔女」です。

きっかけは原作のある台詞に、プロデューサーの西村義明が魅了されたことでした。「この扉を開けるのに魔法なんか使っちゃいけない。どんなに時間がかかっても、自分の力でいつもどおりに開けなきゃ」。他の魔法文学とは一線を画し、“魔女”や“魔法使い”を扱いながらも、持ちえた魔法の力に頼らずに歩もうとする少女・メアリ。

それは、ジブリという強大な魔法を失くしてなお、ひとりのアニメーション映画の作り手として、映画を作り続けることを決意した米林監督自身と重なります。監督・米林宏昌が最も得意とする精緻で美しい背景美術と、圧倒的なアニメーションの数々。ジブリ人生約20年で培った技術と志のすべてを賭した、あらゆる世代の心を揺さぶる夏のエンターテインメント超大作『メアリと魔女の花』が誕生します。

【スタッフ】
原作:メアリー・スチュアート
脚本:坂口理子
脚本・監督:米林宏昌
音楽:村松崇継
プロデューサー:西村義明

【キャスト】
メアリ:杉咲花
マダム・マンブルチューク:天海祐希
ドクター・デイ:小日向文世
赤毛の魔女:満島ひかり
ほうき小屋の番人・フラナガン:佐藤二朗
赤い館の庭師・ゼベディ:遠藤憲一
赤い館のお手伝いさん・バンクス:渡辺えり
メアリの大叔母・シャーロット:大竹しのぶ

>>『メアリと魔女の花』公式サイト
>>『メアリと魔女の花』公式Twitter(@mary_flower_jp)

 

(C) 2017「メアリと魔女の花」製作委員会
アニメイトタイムズ
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