【動画あり】日本版・ビリーがついにそのヴェールを脱ぐ!『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』プレスコール レポート
(左から)マイケル役の持田唯颯、ビリー役の未来和樹
全世界で1000万人以上を動員。80以上の演劇賞を獲得したミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』が7月19日(水)からのプレビュー公演を経て、7月25日(火)、ついに運命の初日を迎える。それに先立ち、21日(金)、プレスコールを開催。多数のマスコミが押し寄せる中、4つの重要なシーンが披露された。
1,346名の応募者の中から選ばれた5人のビリーが、ついに舞台上でお目見え。1年半もの長期育成型オーディションを経て培ったダンスと演技で、取材陣を魅了した。そんな今年最大級の話題作の片鱗を、いち早くレポートする。
観客の心さえも踊らせるエルトン・ジョンの音楽と、最高のダンス
本日、公開されたのは4つのナンバー。最初に披露されたのは『Shine』という楽曲だ。父の熱心な勧めによりボクシング教室に通うビリー。しかし、ビリーは今ひとつボクシングに馴染めずにいた。そんな中、偶然、バレエ教室の様子を目の当たりにすることになり…というシーン。言うなれば、ビリーとバレエの大事な出会いの場面だ。
ここでは、ビリー役を木村咲哉、そしてウィルキンソン役を島田歌穂が演じた。
ビリー役の木村咲哉
舞台上にはヘッドギア姿のビリーと、ウィルキンソン夫人。華やかなナンバーに島田が持ち前の艶っぽい歌声を乗せて歌いはじめれば、そこに夢のような世界が広がる。ショッキングピンクのチュチュをまとった少女たちが、扇状の羽根をはためかせ、舞台上を駆けめぐる。その明るい光景は、まるで春を知った蕾が待ちきれずに花開くようだ。高まる楽曲と共に、島田が伸びやかなロングトーンを響かせ、締め括る。その輝かしい表情はまさに『Shine』のタイトル通りだ。
(中央)ウィルキンソン役の島田歌穂
2曲目のナンバーは、『Expressing Yourself』。ここで登場するのは、ビリーと親友のマイケルだ。バレエへの想いに揺れるビリーに対し、親友のマイケルがアドバイスをする。
ここでは、ビリー役を未来和樹、マイケル役を持田唯颯が演じた。
(左から)マイケル役の持田唯颯、ビリー役の未来和樹
このマイケルが、とても痛快で愛らしい。クローゼットをひっくり返し、女性用のワンピースを着て楽しく踊るマイケル。「女の服着たって何にも悪いことなんてない」。そう主張しながら、マイケルはビリーにも女性モノのドレスを着せる。
(左から)ビリー役の未来和樹、マイケル役の持田唯颯
『Expressing Yourself』とは、日本語に訳すと「自己表現」。そう、自分自身を表現するのに、世の中の常識や周りの目なんて気にする必要はない。小さなマイケルが、この窮屈な社会で生きていく上でつい忘れてしまいそうになる、そんな大事なことを教えてくれる。
ふたりの元気いっぱいのタップダンスはもちろん、ファンシーな舞台美術や独特の色彩感覚で彩られた衣装も目に楽しい。最後は、銀テープが一面に降りて、舞台はふたりだけの特別なステージに。爽快な本作の中でも、ひときわ胸弾むワンシーンだ。
(左から)マイケル役の持田唯颯、ビリー役の未来和樹
次に紹介されたのは、1幕の最後を飾る『Angry Dance』だ。父親からバレエを禁止されるビリー。踊れない怒りを、迫力のタップダンスで表現する。
ここでは、ビリー役を前田晴翔、父さん役を益岡徹、マイケル役を城野立樹が演じた。
ビリー役の前田晴翔
これまでの多幸感あふれる楽曲とは一転、重低音が耳をつんざくハードなナンバーが劇場の空気を一変させる。ビートに合わせて短く絶叫するビリー。手当たり次第に部屋のものを投げ散らかし、足を踏み鳴らす。前田が体当たりの演技で、ビリーの怒りを表現。舞台奥の壁面に映し出された巨大なビリーのシルエットが、その気迫を増幅させる。力尽きたように倒れこむビリーに客席も釘付け。引きこまれるように静まり返り、そのまましばらく動けなかった。
ビリー役の前田晴翔
この日最後に披露されたのが、『Solidarity』だ。本作を演出補のサイモン・ポラードは「子どもの話だけでなく、大人たちの話でもある。産業を脅かされるコミュニティの話でもある」と説く。その象徴となるのが、この『Solidarity』だ。
ここでは、ビリー役を加藤航世、ウィルキンソン役を柚希礼音が演じた。
幕が開くと、舞台上にはこれまでで最多人数のキャストが。バレエ教室の光景と、警官と炭鉱夫の衝突が、同時に繰り広げられる。何と言っても印象的なのは、アンサンブルのよく鍛えられた動きだ。ビリーらバレエ教室のレッスン生と、警官や炭鉱夫がズラリと一列になって踊る光景は、壮観の一言。フォーメーションを乱すことなく、バレエ教室のレッスン生は淑やかに、炭鉱夫や警官は荒々しく、それぞれのパフォーマンスを見せつける。
ウィルキンソン役の柚希礼音
そこからは、ビリー役の加藤航世の独擅場。4歳からバレエを習っているという加藤は、最後に軽やかなフェッテを披露。これぞ『ビリー・エリオット』と言うべき名シーンを、圧巻のバレエ技術で最高の見せ場に変えた。ポーズが決まった瞬間、今にもスタンディングしそうな勢いで客席から拍手が。充実したレッスンによって磨かれた少年たちのパフォーマンスに、称賛を惜しむ者は誰もいなかった。
ビリー役の加藤航世
1年半の準備期間を経て、今、5人の少年の夢舞台の幕が上がる
その後の囲み取材には、ビリー役の加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力、そして大人キャストの吉田鋼太郎、益岡徹、柚希礼音、島田歌穂が登場。すでにプレビュー公演を演じた加藤は、クライマックスであるオーディションシーンを回顧。「(そこで流れる)『Electricity』をやった後にすごい拍手をもらえて気持ち良かったです」と興奮さめやらぬ表情を浮かべた。
一方、前田は「最初は緊張していたけれど、やりながら緊張がとけていって、どんどん楽しくなりました」と強心臓ぶりを発揮。カーテンコールで幕が上がったときに「ひとりで舞台に立ってお辞儀をするのが気持ち良かったです」とセンターの快感を堪能した様子だった。
22日にプレビュー公演の板を踏む木村は「本番が近づくにつれ緊張すると思う」と予感。「舞台袖では緊張していいと思うけど、舞台に立ったら緊張しないようにしたいなと思います」と初々しく抱負を述べた。
(上段左から)吉田鋼太郎、益岡徹、柚希礼音、島田歌穂 (下段左から)加藤航世、木村咲哉、前田晴翔、未来和樹、山城力
熊本出身の未来は、1年前、オーディションで上京した際、母親と共にこのTBS赤坂ACTシアターを見に来たらしく、「1年後、またここに来れたらいいねという話をしていたので。こうしてここまで来ることができて本当に嬉しいです」と喜びに胸を膨らませた。
5月に5人目のビリー役として追加決定された山城は「去年から毎日レッスンを頑張ってきて」と語るや、緊張で頭が真っ白に。上手く言葉を接げない「我が子」の姿に、父さん役の吉田鋼太郎はすかさず「頑張れ。思ったこと何でも喋れ」とエール。後ろにいた柚希や島田も、「教え子」の背中を優しくさするなど、温かく見守った。そんな周囲の優しさに励まされるように、山城は「毎日、すごいキツかった時もあったんですけど、ここまで頑張ってきて、これから実際に舞台に立てることが今はとても楽しみです」と一言一言に心をこめた。
愛らしくも頼もしい5人の様子に、吉田は「2ヶ月前、記者発表をさせていただいたときは、彼らはほとんど喋れなかったんですよ」と振り返り、「ところがどうですか、今は。2ヶ月でこの成長ぶりはビックリしますよね」と太鼓判。「終わる頃には、『おい吉田!』って呼ばれてるんじゃないかと思う」と笑いを盛り込みつつ、40歳以上年の離れた少年たちの成長に目を細めた。
ダイワハウスpresents ミュージカル 『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』は、7月23日(日)までプレビュー公演を行った後、25日(火)よりTBS赤坂ACTシアターにて初日を迎える。その後、10月15日(日)より梅田芸術劇場にて大阪公演が開幕。世界を沸かせた傑作ミュージカル。今度はあなたがビリーの姿に胸を熱くさせる番だ。
ミュージカル 『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』
<プレビュー公演>
■公演期間:2017年7月19日(水)~7月23日(日)
■会場:TBS赤坂ACTシアター
■料金(全席指定、消費税込):S席12,500円、A席8,500円
<東京公演>
■公演期間:2017年7月25日(火)~10月1日(日) 全100回(プレビュー公演含む)
■会場:TBS赤坂ACTシアター
料金(全席指定、消費税込):S席13,500円、A席9,500円
<大阪公演>
■公演期間:2017年10月15日(日)~11月4日(土) 全26回
■会場:梅田芸術劇場 メインホール
■料金(全席指定、消費税込):S席13,500円、A席9,500円、B席5,500円
<の問い合わせ>
ホリプロセンター 03-3490-4949(平日10am~6pm/土10am~1pm/日祝・休)
<キャスト>
加藤航世 木村咲哉 前田晴翔 未来和樹 山城 力/吉田鋼太郎 益岡徹/柚希礼音 島田歌穂
久野綾希子 根岸季衣/藤岡正明 中河内雅貴/小林正寛/栗山廉(Kバレエ カンパニー) 大貫勇輔
森山大輔 家塚敦子 大塚たかし 加賀谷真聡 北村 毅 佐々木誠 高橋卓士 辰巳智秋 橋本好弘 羽鳥翔太 原慎一郎 丸山泰右 横沢健司 木村晶子 小島亜莉沙 竹内晶美 三木麻衣子 秋山綾香 井上花菜 出口稚子
古賀 瑠 城野立樹 持田唯颯 山口れん 香好 佐々木琴花 夏川あさひ
遠藤美緒 大久保妃織 小野梓 久保井まい子 佐々木佳音 高畠美野 近貞月乃 並木月渚 新里藍那 堀越友里愛 小溝 凪 笹川幹太 山城 力 岡野凜音 菊井凜人 桜井 宙
<ロンドンオリジナルスタッフ>
■脚本・歌詞:リー・ホール
■演出:スティーヴン・ダルドリー
■音楽:エルトン・ジョン
■振付:ピーター・ダーリング
■美術:イアン・マックニール
■演出助手:ジュリアン・ウェバー
■衣裳:ニッキー・ジリブランド
■照明:リック・フィッシャー
■音響:ポール・アルディッティ
■オーケストレーション:マーティン・コック
<日本公演スタッフ>
翻訳:常田景子
訳詞:高橋亜子
演出補:甲斐マサヒロ
振付補:前田清実
音楽監督補:鎮守めぐみ
歌唱指導:山川高風
照明補:大島祐夫
音響補:山本浩一
衣裳補:阿部朱美
ヘアメイク:前田節子
擬闘:栗原直樹
演出助手:西祐子、伴・眞里子
舞台監督:徳永泰子
技術監督:小林清隆
プロダクション・マネージャー:金井勇一郎
<コーチ協力>
バレエコーチ:K-BALLET SCHOOL
タップコーチ:Higuchi Dance Studio
アクロバットコーチ:コナミスポーツクラブ
■主催:TBS / ホリプロ/ 梅田芸術劇場 /WOWOW/MBS(大阪公演のみ)
■Billy Elliot the Musical worldwide is produced worldwide by Universal Stage Productions, Working Title Films and Old Vic Productions and is based on the Universal Pictures/Studio Canal film.
■特別協賛:大和ハウス工業株式会社
■協賛:Obagi イープラス 極東証券 こだま印刷 ジェイワールドトラベル