京都の劇団がビルの地下でロングラン公演を実施
謎のビルをめぐる幻想譚を、本物のオフィスビルの中で作り上げる。
劇団「維新派」のOBを中心に結成された劇団「VOGA(ヴォガ)」。様々な視点から時代の流れを描き出すスケールの大きな物語を、維新派の影響を受けながらも独自の進化を遂げた演劇スタイルで見せるのが特徴だ。さらには神社の境内から美術館の展示スペースまで、一風変わった場所で公演を打つことが多く、新作が発表されるたびに大きな話題を呼んでいる。今や維新派と並んで、関西の前衛演劇を代表する存在と言ってもいい彼らが、約半月に渡るロングラン公演を京都で行う。
VOGA『Vector』(2014年:石清水八幡宮) 撮影:井上嘉和
休眠地の再生事業を担当する不動産会社の社員たちが、古びた風情のビルを訪れると、そこにはビルのオーナーの老婆がいた。彼女に誘われるがままロビーのエレベーターに乗り込んだ社員たちは、それぞれのフロアで時空を超えた不思議なドラマを目撃する…。今回の目玉は、京都市中心部にあるオフィスビルの地階を、そのまま劇場空間として利用すること。このリアルな環境によって、まるで登場人物たちと一緒に謎のビルに迷い込んだような臨場感を、いっそう深く味わえるだろう。劇団も「新たな世界観の創出を狙っている」という意欲作。オフィス街の中に現れた、ロマンあふれる異空間を目撃しに行きたい。
公演情報
VOGA『Lobby』
期間: 9月26日(土)~10月12日(月・祝)
会場:京都・マスギビル 地階特設舞台
脚本・演出・音楽:近藤和見
出演:草壁カゲロヲ、タナカ・G・ツヨシ、うめいまほ、渡辺綾子、ほか
公式サイト:http://www.lowotarvoga.net