ハリウッド俳優ジョージ・タケイ一家の悲痛な体験をミュージカル化 『アリージャンス/忠誠』日本初上映
宮澤エマ、ロレンゾ・シオーネ、ジョージ・タケイ、エレナ・ワン
アメリカのTVドラマシリーズ『スター・トレック』のヒカル・スールー役で一躍その名を知られた日系人俳優、ジョージ・タケイの家族の実話を元に作られたブロードウェイミュージカル『アリージャンス/忠誠』のジャパンプレミア上映が2017年11月10日(金)~12日(日)に行われる。上映に先立ち、11月9日(木)には、記者会見が行われ、本作の主演も務めるジョージのほか、アジア系ミュージカル女優として活躍するエレナ・ワン、ブロードウェイの第一線で活躍するプロデューサーのロレンゾ・シオーネ、本作の公式アンバサダーを務める宮澤エマが登壇した。
本作は、「自由の国アメリカが犯した史上最悪の市民権侵害」と呼ばれた歴史の1ページを描いたミュージカル作品。真珠湾攻撃が勃発した第二次世界大戦下、祖国から「日系人である」という罪で強制収容所に収容された日系人家族の愛と希望、赦しが映し出される。アジア系ミュージカルの金字塔として、またブロードウェイミュージカル史としても「記念碑」と呼ばれるようになり、ブロードウェイ公演後には映像作品としてアメリカ、カナダの610館以上の映画館で上映された。
ジョージの知名度は俳優業に留まらず、人権活動家やLGBT活動家としても支持されている。また、自身も5歳の時に、家族とともに日系人強制収容所での生活を強いられた経験を持ち、本作に深い思い入れを持っているという。
ロレンゾ・シオーネ、ジョージ・タケイ、エレナ・ワン
会見でジョージ・タケイは、「実際に起きたことを皆さんとシェアできることはとても貴重な機会であり、今日の東京も(作品に描かれた時代と)同じ状況にあるかもしれないと思っています。皮肉が混じった状況だからこそ、今の東京にこの話を持って来られたことをありがたいと思っています」とあいさつ。「この作品は、アメリカの話ではなく、人間性を描いた作品なので、世界中に伝えたいと思っています。映画化はその第一歩です」と語り、日本での舞台化も熱望した。
ジョージ・タケイ
現在、ジョージは、「アリージャンスJAPAN2020プロジェクト」と題して、本作を日本全国47都道府県、100万人の人に届けるべく活動を続けている。このプロジェクトの一環として、「2020年には、舞台公演で来日できることを期待しています」と話し、プロデューサーのロレンゾも「本作はブロードウェイでの公演を目標にしていましたが、そこからもっと新しい人たちにも届けたいという思いがあり、映画化しました。映画化の良い点は、ブロードウェイの素晴らしいメンバーのパフォーマンスをそのまま届けられることです。一方で、ジョージさんがおっしゃっている通り、舞台公演は新しい息吹が吹き込まれるという意味でも、今後も積極的にやっていきたいです」と気合い十分。さらにロレンゾは、「この作品をより多くの人に届けるための一歩として、まずは来年の春にロサンゼルスでエレナ・ワンさんを主演とした公演を行います」と明かした。
ロレンゾ・シオーネ
エレナ・ワン
これまで、レア・サロンガが務めてきた大役を担うことになったエレナは、「チームがありのままでいいと言ってくれ、信頼してくれて、しっかりとサポートしてくれるので、いい意味で楽しくやれると思います」と力強く語った。
宮澤エマ
■日時:2017年11月10日(金)~12日(日)
■上映館:東京・YEBISU GARDEN CINEMA、ユナイテッド・シネマ アクアシティお台場で上映
■公式サイト:http://www.theaterlive.jp/