【八王子天狗祭クイックレポ】POETASTER 地元・八王子を代表する若手バンドとして真っ直ぐに音を放つ
POETASTER
八王子天狗祭【白狐ステージ】 POETASTER
八王子出身や所縁のアーティストも多数出演し、音楽の街への活性化を担うが如く、このフェスには去年今年と、八王子出身のアーティストも数多く出演している。2017年の白狐ステージ1発目を飾ったPOETASTERも、地元八王子で結成された若手バンドだ。かつては彼らの企画コンピレーションアルバム『あっ、良い音楽ここにあります。 その伍』にも参加。彼らの弟分バンドと言えるだろう。
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ライブ中盤には高橋大樹(Vo.)による「グドモは音源を出してない頃から気にかけくれて色々と誘ってくれた地元の先輩。このフェスにしても、こんなことが地元で出来るんだとの活力になった。地元の尊敬すべき先輩」との発言でグドモやハチテンへの敬意を表しながらも、「今の八王子は今日出ている地元のバンドたちではなく、自分たちだと思って燃えるようなライブをします」と力強く語ってくれた通り、まさに、その気概と感謝が込められたかのようなステージを終始展開した。
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この日の一発目は、「夜に溢れるもの」から始まった。会場の奥まで届けとヴォーカルが歌う高橋の歌と、石田 マッチョ 皓平(G.)、数見 ジュエル 勇樹(B.)、土踏まず。(Dr.)の演奏が、勢いとダイナミズムの同居が特徴的なサウンドを会場いっぱいに広げていく。その勢いをさらに加速させるかのように入った「抱きしめたって」では、その勢いに若干の切なさや逢いたい気持ちも混じる。初見者が多いであろう会場の観者の心をがっちり掴みながら、「お先 失礼いたします」でライブをさらに加速させる。
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最新ミニアルバム『愛青歌』から、かつて愛した人を傷つけたことも含めて正直に綴った「青春歌」では、切なさと愛しさがひしひし伝わってきて、聴き入り気持ちを重ねるオーディエンスの姿も印象的であった。そして、「俺たちの歌声には形がありません。だから、この歌があなたに届いて、涙を流したりコブシをあげたりして始めて形になっていくのです」と、自身の歌の本質を告げ、ラストは「明日からのあなたたちの未来が幸せでありますように」との願いを込め歌われる「声あげて」が力強く放たれていった。
嘘偽りない彼らの歌は、八王子におけるこれからのシーンの息吹を力強く感じさせるものがあった。
取材・文=池田“スカオ”和宏 撮影=佐藤 広理(@hilf_ntlo)
1. 夜に溢れるもの
2. 抱きしめたって
3. お先 失礼いたします
4. 青春歌
5. その夜を越えて
6. 声あげて