加藤 諒が告白「初めてのキスシーンの感触は『布』でした」 舞台「パタリロ!」★スターダスト計画★ インタビュー第1弾
パタリロ役:加藤 諒
『パタリロ!』が実写化――その第一報を聞いたとき、多くの人が思ったはずだ。「無理!!」と。しかしその後、パタリロ役に加藤 諒と発表されたとき、これまた多くの人が思ったはずだ。「これはイケる!!」と。まさに奇跡のキャスティングで大成功をおさめた舞台「パタリロ!」。その第2弾である、舞台「パタリロ!」★スターダスト計画★がいよいよ本格的に動き出す。パタリロ役はもちろんこの人、加藤 諒。由緒正しき紀伊國屋ホールを爆笑で包みこんだ伝説の初演から1年3ヶ月。今度は東京・大阪の二都市で『パタリロ!』旋風を巻き起こす。
ゴキブリ走法のアイデアを聞いたときは、「顕作さん、すごいな」と思いました
――前回も「ハマり役」と絶賛の声が相次ぎましたが、改めて“パタリロ”という強烈なキャラクターをつくる上で苦労されたことなどからお話しいただければ。
やっぱりキャラクターづくりの部分ですね。まだ稽古に入ったばかりの頃、僕はすごくいい子ちゃんなパタリロを演じてしまっていたんです。でも、パタリロの良さって、ちょっと腹黒かったり狡賢かったりするところ。だから、もっとそこを強く打ち出していこうと、演出の(小林)顕作さんと話し合いました。腹黒くて、狡賢いんだけど、どこか憎めない。そういうキャラクターをつくるのが難しかったし、楽しかったですね。
――具体的には、その腹黒さや狡賢さはどんなところで表現しようと?
まずは顔芸ですよね(笑)。あとはタマネギ21号にいきなり暴言を吐いたりするシーンがあったので、そういうところでわかりやすく態度をコロッと豹変させてみたり。ひとつひとつの細かいところまで、「ここはどうしましょうか」って顕作さんと話し合いながらつくっていきました。
加藤 諒
――歌ありダンスあり笑いありの賑やかな舞台でした。振り返ってみて、加藤さんのお気に入りのシーンを挙げるとすれば?
もういっぱいありすぎて絞れないんですけど、まず挙げておきたいのがやっぱりオープニングのダンス。「パタリロ!テーマ!」の曲自体が大好きで、いつもあそこのダンスが始まると「スタートした!」って気持ちになります。
――個人的には白泉社ネタとか最高でした。
いいですよねえ。あそこはファンのみなさんもすごく盛り上がってくださって。やっぱり原作がある公演をやっている身としては、原作ファンの方に喜んでいただけるのは嬉しいですね。
あとはシバイタロカ博士のシーンも自分の中では大変でした。と言うのも、僕がかぶってたシバイタロカ博士のカツラがユルくて……(笑)。たまにズレて前が見えなくなるんです。しかも千穐楽のときにボロっとカツラがとれちゃって! あのときはもうヤバいと思いました(笑)。ちょうど縛られているシーンなので、自分で取りに行けないんですよ。そのときは21号役の細貝 圭くんがフォローに入ってくれたおかげで何とかなったんですけど。そういうライブ感も舞台の醍醐味。特に『パタリロ!』は舞台ならではのライブ感が楽しめる公演だったなと思いますね。
――初演未見の読者のために詳細は伏せますが、あのゴキブリ走法のアイデアも驚きでした。
僕もこのお話をいただいたときから「ゴキブリ走法どうするんだろう……?」と思って。一応、稽古に入る前から家でどうやったらゴキブリ走法らしく見えるか研究はしていたんですね。そしたら稽古場で顕作さんからあのアイデアをうかがって。しかも実際にやってみたら、ちゃんとゴキブリ走法に見えるんですよ。やっぱり顕作さんはすごいなと思いました。
加藤 諒
バンコランとマライヒのキスシーンは僕までドキドキしちゃいまいした
――あとは何と言ってもあのキスシーンです。加藤さんにとっても舞台「パタリロ!」が初のキスシーンだそうで。何でも稽古場では加藤さんが率先して取り組まれていたと聞いています。
そうですね。稽古の序盤では、まだ恥じらいがあってフリでやっていたんですね。でも、この舞台をやるなら本当にチューしないとダメだな、と。それでまずは座長の僕から先陣切ってやらないとなと思って、予告なしにいきなり(佐藤)銀平さんにブチュッとしたんです(笑)。そしたらもうみんな騒然! おかげでそこからはツネくん(青木玄徳)や佐奈(宏紀)ちゃんも本当にチューをするようになりました(笑)。
――そのときの銀平さんのリアクションが見てみたかったです(笑)。
目をかっぴらいていましたね(笑)。
――ちなみに、銀平さんの唇の感触は……?
え~(照)。なんだろう……「布」っぽい感じでした(笑)。
――布(笑)。なんだかリアルですね。
ただそこから何十回もチューしたので、最後の方とかは無でしたね。最初の気持ちは何だったんだろうってくらい、何も思わなくなりました(笑)。
加藤 諒
――バンコランとマライヒのキスシーンは大きな話題になりました。
しかもふたりのキスシーンが日に日に伸びていっていくっていう(笑)。お客さんの反応もすごくて、上演中に僕の耳までお客さんのざわめきが聞こえてくるんです。そういうところも『パタリロ!』ならではなのかなって気がします。
――バンコランとマライヒのキスシーンは加藤さんの目にはどう映っていましたか?
いや、美しいですよ~。僕と銀平さんのキスシーンより百倍美しかったと思います(笑)。本当は僕もお客さんと同じような反応をしたいんですけど、そのときは喫煙所に隠れている場面だったので声が出せなくて。ふたりの艶めかしい息遣いだけが聞こえてくる中、僕までドキドキしていました(笑)。
あと忘れられないのが、バンコランとマライヒがバラ園に逃げ込んでくるシーン。あそこの絡みも稽古場の段階からみんなで「もっとこうしたらいいんじゃない?」っていろいろアイデアを出して試してみて。その光景を見ながら「これは何の現場?」って思ってました(笑)。
――加藤さんからも何かアドバイスが?
そうですね。マライヒがバンコランの上に跨がるシーンがあるんですけど、股の開き方についてアドバイスしました。「もっとこう開いたら、それっぽく見えるんじゃない?」って(照)。
――最高の稽古場ですね(笑)。
しかもそのシーンは、クリスマス回のときだけふたりが結ばれた瞬間に「メリークリスマス」って声をあげるんです。で、タマネギ部隊がサンタさんとトナカイの恰好をして通るっていう(笑)。それがまためちゃくちゃ楽しかったんですよ。そういう日替わりの演出も、『パタリロ!』らしさだったなと思います。
――じゃあ今回もまた日替わりネタがいろいろありそうな……?
あるかもしれないですね。前回は千穐楽がバンコランのお誕生日だったんです。それで「永遠の27歳」ってタスキをかけてバンコランが登場したり。この舞台はお祭りみたいなもの。きっとまた何かが起こるかもしれないです。特に今回は大阪公演もあるので、大阪ならではのシーンがあるんじゃないかなって今から期待しています。
加藤 諒
第2弾では、パタリロの新たな一面を見せていきたい
――第2弾では原作の「スターダスト計画」のエピソードが舞台化されます。
壮大で、冒険感があって、すごく好きなお話です。まだ台本はいただいていないんですけど、この間、脚本のイケテツ(池田鉄洋)さんにお会いしたら「傑作ができた!」って自信満々におっしゃっていたので、間違いなく傑作になると思います。この「スターダスト計画」は宇宙に行くお話なんですけど、それを銀河劇場という宇宙っぽい名前の劇場でやれるのも素敵ですよね。
――銀河劇場ってとてもゴージャスな雰囲気がしますよね。すごく『パタリロ!』の世界観に合うなって思いました。
高級感がありますよね。きっとお客様も「マリネラ王国に来た!」って気分になっていただけるんじゃないかなと思います。そういう劇場全体含めて『パタリロ!』の世界観がつくれたら、すごくいいですよね。
――その中で、前回からさらにどうパワーアップしてくるのか楽しみです。
頑張ります! 初演は初の舞台化ということもあって試行錯誤している部分もあったんですけど、一度やらせていただいたおかげで、今回はキャラクターを掴んだところから入っていける。そこは大きいなと思います。特に今回はロビー少尉のエピソードが出るので、結構シリアスなシーンもあるんですよね。そういうところでパタリロの新たな一面を見せていけたらなって。原作の中でも特に人気のあるエピソード。気合いを入れて演じたいと思います。
加藤 諒
インタビュー・文=横川良明 撮影=岩間辰徳
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<東京公演>
日程:2018年3月15日(木)~25日(日)
会場:天王洲 銀河劇場
<大阪公演>
日程:2018年3月30日(金)~4月1日(日)
会場: 森ノ宮ピロティホール
脚本:池田テツヒロ
演出:小林顕作
<キャスト>
パタリロ:加藤 諒
マライヒ:佐奈宏紀
ビョルン&アンドレセン:小林亮太
タマネギ部隊:細貝 圭、金井成大、石田 隼、吉本恒生、蒼木 陣
魔夜メンズ:佐藤銀平、吉川純広、富岡晃一郎、三上陽永、柴 一平、香取直登
ロビー少尉:三津谷 亮
バンコラン:青木玄徳
プレオーダー受付:2018年1月9日(火)12:00~1月14日(日)23:59