北野武も体験! 「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」プレビューレポート 21万人を動員した超ヒットイベントが、常設施設で復活

レポート
アート
2018.6.29
Floating in the Falling Universe of Flowers teamLab, 2016-2018, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

Floating in the Falling Universe of Flowers teamLab, 2016-2018, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

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2018年7月7日に東京・豊洲にオープンする「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」の先行内覧会が、6月27日に開催された。本施設は2年前の夏にお台場で行われ、47日間で21万人を動員したイベント「DMM.プラネッツ Art by teamLab」をアップグレードして造られた施設で、2020年秋までの期間限定で運営される。この日は、2年前のイベントのCMに出演した北野武も来場し、館内にある7つの作品をひと足早く体験した。ここではトークセッションの内容も交えつつ、本施設の体験レポートをお届けする。

(左から)野本巧、北野武、猪子寿之

(左から)野本巧、北野武、猪子寿之

超大ヒットイベントを2年の時を経てグレードアップ

7月7日開業の新施設「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」は東京メトロの豊洲駅から徒歩約10分、ゆりかもめの新豊洲駅すぐそばの場所にオープン。敷地全体の総面積が1万㎡におよぶ巨大施設で、ウルトラテクノロジスト集団・チームラボが創り出す没入型デジタルアート7作品が鑑賞できる。

ゆりかもめ新豊洲駅前にオープンする「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」

ゆりかもめ新豊洲駅前にオープンする「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」

内覧会に先立って行われたトークショーには、主催者を代表して株式会社PLANETS代表取締役の野本巧とチームラボ代表の猪子寿之が登壇。まず野本が今回の新施設が開業に至った経緯を述べ、その後に猪子が全体コンセプトの説明を行った。

株式会社PLANETS代表取締役の野本巧

株式会社PLANETS代表取締役の野本巧

猪子は「このチームラボ プラネッツは、巨大な空間の中に他者と一緒に身体ごと圧倒的没入するというコンセプトをもとに作りました」と語った上で、「自分の身体と作品の境界が曖昧になることを通じて、自分と世界の関係を見直したり、自分が世界の一部であることを思い出したりする。そのような体験になったらいいなと思っています」と述べた。

チームラボ代表の猪子寿之

チームラボ代表の猪子寿之

また、2年前のイベントからスケールアップした点について聞かれると、「クリスタルユニバース(The Infinite Crystal Universe)という作品は建物から携わらせていただいて、本当に無限に広がるような空間の中で光に没入できるようになっています。もうひとつ大きなところでは、光の球体の中をかき分けて入っていくという新たな作品を追加しています」と語った。

“世界のキタノ”も圧倒的没入感をひと足早く体験!

続いて、特別ゲストとして北野武が登場。アーティストとしても世界的知名度を誇る北野は、ひと足先に本施設を体験した感想を尋ねられると「脳の想像力と実体験の感覚が一緒にやってきて、それが片方だけじゃないってところが面白い」とコメント。続いて、自分でデジタルアートを作るならどんなものを作ってみたいかを聞かれると、「恐竜の世界を鳥の目線で飛んでいると横に何とかサウルスが飛んでくるとか、ほかには、宇宙飛行士になって宇宙空間の中にポンッと置かれて、いろいろなものが見えてくるっていうのもいいと思う」と独自のアイデアを披露した。

北野武

北野武

また、3人のトークの中では、野本の口から来年以降に予定している「チームラボ プラネッツ ニューヨーク」の計画も明かされた。それを聞いた北野は、本施設が裸足で入館するシステムであることを交えながら、「裸足になることに抵抗がなくなってきたので、今度はパンツを脱ぐことに抵抗をなくしていただいて『吉原 in ニューヨーク』という花魁ショーをやっちゃうような発想もいいよね」と、“ビートたけし”の一面を見せて会場の笑いを誘った。

広大な敷地を贅沢に使った、大規模デジタルアートに息を飲む

トークショー後に行われた内覧会では、全7作品のうち「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング- Infinity」は「The Infinite Crystal Universe」とを猪子が自ら解説。

「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング- Infinity」は水面に投影されたアート。水面には多彩な色の鯉が泳ぎ、鯉は人にぶつかると花となって散るというものだ。「全体で10分ぐらいの作品で、だんだんと鯉が増えていく。最終的には鯉が光の線を描いていく」と猪子は解説。

「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング- Infinity」を解説する猪子氏

「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング- Infinity」を解説する猪子氏

動くと花と散る鯉も一点に立ち尽くしていると自分の周りをスイスイと泳いでいく。なお、この作品はコンピュータプログラムによって常に描かれ続けている。そして人の動きによって変化するため、同じ世界が二度と表れることはない。

「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング- Infinity」の鯉

「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング- Infinity」の鯉

人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング - Infinity Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and People - Infinity  teamLab, 2016-2018, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング - Infinity Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and People - Infinity teamLab, 2016-2018, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

一方の「The Infinite Crystal Universe」は、宇宙を思わせる無限のような空間の中で、光のドットが立体物を描き出す作品。自分のスマホに「チームラボアプリ」を落として操作することで様々な表現が発せられ、それらが他社の発した表現と重なり合うことでひとつしかない世界が生まれる。「ここは皆で作る宇宙に身体ごと入っていく世界」と猪子は解説する。

「The Infinite Crystal Universe」を解説する猪子氏

「The Infinite Crystal Universe」を解説する猪子氏

圧倒的な「The Infinite Crystal Universe」の空間

圧倒的な「The Infinite Crystal Universe」の空間

エントランス横にはロッカーが用意されており、裸足になって入場するシステム。場内はほぼ暗闇の通路を歩くので、重たいものや壊れやすいものもできればロッカーに預けておきたい。

(右)迷路のような通路(左上)入り口横のロッカー(左下)「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング - Infinity」では足を拭くためのタオルを貸してくれる

(右)迷路のような通路(左上)入り口横のロッカー(左下)「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング - Infinity」では足を拭くためのタオルを貸してくれる

また、場内の一部では膝上くらいまで水に浸かることになり、鏡の床の上を歩くこともあるので、短い丈や裾をまくりやすいズボンで訪れるのがおすすめ。なお、エントランスでは貸し出し用のズボンも用意している。

アート空間の中に溶け込み、時を忘れて身体を委ねる

ほとんどの作品に感じたのが、作品がこちらに「迫ってくる」という感覚だ。例えば、猪子がトークセッションの中で新作として紹介した「変容する空間、広がる立体的存在 - 自由浮遊、3​色と新しい9色」では、空間を埋め尽くす直径1.5mはあろうかという巨大な風船が、他者や風の動きに流されて飛んでくる。

 変容する空間、広がる立体的存在 - 自由浮遊、3色と新しい9色 Expanding Three-dimensional Existence in Transforming Space - Free Floating, 12 Colors teamLab, 2018, Interactive Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

変容する空間、広がる立体的存在 - 自由浮遊、3色と新しい9色 Expanding Three-dimensional Existence in Transforming Space - Free Floating, 12 Colors teamLab, 2018, Interactive Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

その風船は、こちらが衝撃を与えることによって色を変えるのだが、他者の作る色と混ざり合うことによって、世界と自分の存在を感じさせてくれる。

風船は衝撃を与えると色を変える

風船は衝撃を与えると色を変える

この日は内覧会では、未公開の1作品を除く計6作品を鑑賞。1万㎡の敷地に7作品と聞くと、やや見応えがないような印象を抱くかもしれないが、そこは超ハイテク演出のチームラボ作品なので期待を裏切らない。いずれの作品も、巨大スペースを目いっぱい使って光と色と音が錯乱する圧倒的な世界を作り出し、人間の動きに応じた変化する空間の妙味に身体を委ねながら、時を忘れるほどの感動を得ることができる。

Floating in the Falling Universe of Flowers teamLab, 2016-2018, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

Floating in the Falling Universe of Flowers teamLab, 2016-2018, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

2年前の「DMM.プラネッツ Art by teamLab」は、アメリカのCNNによる「2016年もっとも感動した視覚的瞬間」のひとつに選ばれるなど、世界中のメディアの話題をさらった。今回の新施設も世界から再び脚光を浴びることになるだろう。圧倒的な没入感から得られる感動は、「百聞は一見に如かず」のもの。ぜひ現地を訪れて、世界を唸らせるデジタルアートの世界を味わってみて欲しい。「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com」は、東京・豊洲に7月7日オープン。

イベント情報

チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com
オープン日時:2018年7月7日(土) 18:00
所在地:東京都江東区豊洲6-1-16
会期:2018年7月7日〜2020年秋
開館時間:平日 10:00 – 23:00(最終入場22:00)、土日祝 9:00 – 23:00(最終入場22:00)
料金:
■7月「オープン記念平日割引」 ※土・日・祝日以外
大人(18歳以上) 通常:2,400円 プライオリティレーン:5,000円
中人(12歳~17歳) 通常:2,000円 プライオリティレーン:4,300円
小人(4歳~11歳) 通常:1,500円 プライオリティレーン:3,200円
シニア(60歳以上) 通常:2,000円 プライオリティレーン:4,300円
 
障がい者割引 通常:1,200円 プライオリティレーン:2,600円
 
■基本価格
※7/7オープン日・7月土日祝日・8月以降
大人(18歳以上) 通常:3,200円 プライオリティレーン:6,000円
中人(12歳~17歳) 通常:2,700円 プライオリティレーン:5,100円
小人(4歳~11歳) 通常:2,000円 プライオリティレーン:3,800円
シニア(60歳以上) 通常:2,700円 プライオリティレーン:5,100円
障がい者割引  通常:1,600円 プライオリティレーン:3,100円
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