メロフロート 3人の源流に戻り“大切なあの曲”を歌い継ぐ ー追いかけて、引き継いで、歌い継いでいきたいー

インタビュー
音楽
2018.7.26
メロフロート 撮影=森好弘

メロフロート 撮影=森好弘

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関西出身の2Vo+1DJ・メロフロートが、自身の敬愛するFUNKY MONKEY BABYSの「悲しみなんて笑い飛ばせ」をスカアレンジでカバーし、ニューシングルとして7月25日にリリースした。そこで今回、この人気曲をカバーするに至った理由や想いをリリース直前の3人にインタビューを遂行した。すると表題曲についてはもちろん、c/w「ただいまと言えるまで」のMV撮影秘話や家族のことまで、隠さずに語ってくれた。

――ニューシングルは、メロフロートさんが尊敬するFUNKY MONKEY BABYSさんの「悲しみなんて笑い飛ばせ」のカバーがリード曲ですね。カバーのキッカケは何だったのでしょうか?

Yu-Ki(Vo):2Vo+1DJというスタイルが同じなのと、真っ直ぐなメッセージ性の部分が共通しているからだとは思うんですけど、「メロフロートはFUNKY MONKEY BABYSに似てるね」と言っていただくことが多くて。でも当初は同じスタイルでやってるからこそ、それを言われたらダメだと思ってたんですよ。それにもう、(FUNKY MONKEY BABYSは)このジャンルの巨匠で、まだ僕らはそこに至っていないし……。でも途中から、これはすごいことなんじゃないか!と、前向きにとらえられるようになったというか……。あ、俺だけしゃべってて大丈夫?(笑)。

KAZUMA(DJ):大丈夫(笑)。

KENT(Vo):いや、むしろ聞きたいくらいのレベルです(笑)。

Yu-Ki:(笑)。で、僕らが今、初心に戻った時、グループのスタートのキッカケがFUNKY MONKEY BABYSさんの曲だったなと思い出したんです。僕らもともとKENTとYu-Kiの2人でやってて、KAZUMAが後から加入したんですけど、そのキッカケになったのが、FUNKY MONKEY BABYSさんの「恋の片道切符」という曲で。自分たち発信で「この曲をやってみよう!」となった時に、KAZUMAがその話を知って「僕も一緒にやりたい」と言ってきたんです。実は当時、2人(KENTとYu-Ki)が分裂しかけていた時期で……(笑)。

KENT:危機的状況で……(笑)。

Yu-Ki:結成1年目頃だったんですけど、新しい風が欲しいなと思って、3人でやることになって「恋の片道切符」をカバーさせてもらったら、お客さんの反応がよくて、そこからこの方向で自分たちの思いを乗せやすい、こういうキャッチーなフレーズで……って3人の体勢になったんです。だから、(FUNKY MONKEY BABYSに似てると言われることを前向きにとらえられる)今、当時に立ち返った時、もう自分たちが(FUNKY MONKEY BABYSを)目標にしてることを公言してもいいんじゃないかなって思って。追いかけて、引き継いで、歌い継いでいきたい!と思って、今回カバーさせていただくことにしたんです。

メロフロート 撮影=森好弘

メロフロート 撮影=森好弘

――正々堂々とFUNKY MONKEY BABYSのフォロワー宣言をしよう!と。でも、カバーするのはプレッシャーがあったんじゃないですか?

Yu-Ki:結構ありましたね。

KENT:でも、プレッシャーは背負っていかなあかん! というのはあります。FUNKY MONKEY BABYSさんを好きな人たちもたくさんいらっしゃるので、その期待を裏切ったらあかんなと。

Yu-Ki:FUNKY MONKEY BABYSさんが好きだから“歌わんといてよ”って思う人もいると思うんです。でも、そこから僕らがどう思っていただけるようになったらいいのか?と考えた時に、「ずっと歌い継がれてほしいと思えるすばらしい曲なんや!」と思ってもらえるように、その人らを変えられたらいいなと思ってるんですよね。歌詞は原曲のままで前向き。で、僕ら関西人なんで、へこんだりイヤなことがあっても、笑い話に変えていける精神があると思うんですよ。それすらもネタというか……。

KENT:あるね。

Yu-Ki:財布なくしても、それを次の飲み会のネタにするとか。

KENT:“最悪やわ~(笑)”みたいな。

Yu-Ki:そういう精神があるので、この曲も(もともとの前向きな感じから)ちょっとまた違った前向きなテイストで伝えられるんちゃうかなと。同じ歌詞であっても、歌う人が違うことで変わってくると思うんです。そういう部分も含めたスカアレンジやと思います。

メロフロート 撮影=森好弘

メロフロート 撮影=森好弘

――c/wの「ただいまと言えるまで」についても。この曲は家族への感謝が綴られていますが、<ぐったり寝てる人見て オヤジ思い出した>などの詞は実体験からですか?

Yu-Ki:はい。詞は僕が書いているんですけど、実は過去にそういうツイートをしてたこともあるんで。

――では、Yu-Kiさんのお母さんは、<やりたいこと やればいいと いつも優しい オカン>?

Yu-Ki:おかんは、そうやったんですよ。ただ、おやじは詞のように強く背中を押してくれたわけじゃないです(笑)。どちらかというと黙って背中を押すような人。最初、音楽やることも反対してたんですけど、デビュー前に地元のショッピングセンターでライブしたことがあって、その時にコソッと見に来てて……。そこからもう「頑張れよ」と言ってくれますね。

――ちなみにKENTさんのご両親は?

KENT:最初から猛反対ですよ(笑)。「もう、何言うてんの、お前は!」みたいな。今、所属しているプロジェクトがあって、それが全部無償でライブハウスやダンスレッスンを提供してくれて育成してくれるんですけど、その話をおかんに言ったら「そんなん、だまされてる!」と言われて(笑)。でも、僕はまずやってみることが大事だと思って、反対を押し切って、「俺は音楽をやるために大阪に出るわ!」と。

――今も反対されているんですか?

KENT:メジャーデビューしてからは、「自分で切り開いて、夢をつかんだんやな」と思ってもらえたみたいで、その後は手のひら返したようにめちゃ応援してくれてます(笑)。ライブも毎回来てくれるくらいですから。北海道とかでもわざわざ来てくれます(笑)。

メロフロート 撮影=森好弘

メロフロート 撮影=森好弘

――Yu-Kiさんは、今回家族への思いを詞にしようと思ったのは何かキッカケがあったんですか?

Yu-Ki:それ(家族のこと)はね……、僕は毎日思ってますよ。まじめに生きてきたタイプじゃないんで、何も親孝行ができてないんですよね。今、実家を出て大阪で暮らしているんですけど、たまに実家に帰りたくなる時があるんですよ。それで、タイトルどおりなんですけど「ただいまと言えるまで」が、一体いつなのかを考えて……、やっぱり実家に帰る時って、夢を持って飛び出している身なので手柄を持ってかな!と思うんですよね。

――メジャーデビューもして、もう帰ることができるのでは?

Yu-Ki:いや、まだそこの葛藤はあります。葛藤の途中やからこの曲が書けたんですよ。年齢も25歳で、今、好きなことをやらしてもらってますけど、そのことで恩返しができたかのか?って。恩返し、僕の場合は“音返し”なんですけど、もっとちゃんと音楽で恩を返したいって思ってるんです。

――何があったら“帰る時”になるんでしょうか?

Yu-Ki:難しいですよね。親に聞いたわけではないのでわからないんですけど、息子として自慢できる状態になれたら、帰れるのかなと思いますね。お金じゃないと思うんですよ。稼いでるから帰れるというのじゃない。気持ちの問題。自分の息子なんでかわいいとは思うんですけど、でもよそから見たらフラフラしてる息子やと思う。だから人に「俺の息子はな!」と、親が胸張れるようになった時が、帰れる時かもしれないですね。

――ところで、この曲の感想はご両親から聞かれましたか?

Yu-Ki:いや、俺、まだ恥ずかしくて話せてないんですよ。でも情報はチェックしてるはずなんで……。

KENT:そうやな、聴いてはるな……絶対。

Yu-Ki:2人(KENTとKAZUMA)の親はめちゃくちゃチェックしてるんですよ。

KENT:はい。随時してます(笑)!

KAZUMA:もうファンです(笑)!

メロフロート 撮影=森好弘

メロフロート 撮影=森好弘

――Yu-Kiさんのご両親の感想も知りたくないですか(笑)?

KENT:確かに。

Yu-Ki:でも恥ずかしいですよね、そこは(笑)。

KENT:俺が代わりに聞くっていうのはどう?

KAZUMA:それ、おかしいやろ(笑)!

Yu-Ki:おかんは「曲聴いたよ」だけLINEがありました。向こうも恥ずかしいんじゃないですかね。で、親父からのLINEは……「この曲じゃあかん!」って(笑)。

KENT:そうやったんや!

Yu-Ki:でもそれも照れ隠しってわかってるんですよ。絶対そうなんですよ。

KAZUMA:Yu-Kiは自分が詞を書いてるから、手紙を読んでるような感覚で、なかなか(両親に感想を聞くのは)恥ずかしいかもしれないですよね。

メロフロート 撮影=森好弘

メロフロート 撮影=森好弘

――あ! 手紙を読むと言えば、この曲のMVはKAZUMAさんの帰省ドキュメンタリー!! ご両親に感謝の手紙を読むシーンもあって感動作です。

KENT:KAZUMA、主演です!

KAZUMA:僕の親はあんな感じです(笑)。

KENT:心の広~い(笑)。

――やさしそ~なご両親(笑)。

Yu-Ki:愛のある家庭やな。俺、見た時、泣きそうになった!

KAZUMA:あの手紙、ほんまにサプライズで読んでるんですよ。「手紙、書こうか!」と言われた時、僕、めちゃくちゃイヤやったんですよ。でも本心をそのまま書いて、結局サプライズで読んで……。それで読むとなった時は、おとんが「おとんが泣いた方がええんか(笑)?」とか言ってくるんですよ(笑)。だから「ちゃうちゃう、そんなんちゃうから。いや、泣かへんから」と言ってたんですけど、でも読んだらもうダメですね。いろんなことがあったなと思って……。両親はすべて「何でもやっていいよ」と言うような家なので、何でもやらしてくれたなとか考えながら読んでたら「俺、まだまだ何もできてへんな」と思えてきたんですよね。あと、MVではカットされたんですけど、おとんが「ライブを見に行くのが、今の楽しみ」「いずれ見たいんは、何千、何万、何千万ていう観客の前で歌ってる姿や」と言ってたんですよ。……って、考えるとやっぱりまだまだやなって。それを見せるのが親孝行なのかなと思うので、今おやじは65歳なんで、元気なうちにそれを見せてあげないとなって思ってます。

――いいMVになりましたね!

KAZUMA:でも、僕も僕の親も自分のことなんで思い入れが強いし、ここ(Yu-KiとKENT)も同じだから見たら感動してくれるとは思うんですけど、これを僕以外の方が見て感動してくれるんかな?っていう不安が最初はあったんですよね。ただのホームビデオになってへんかな?って……。でも実際見たら、いいMVになったかなって思います。

――あれは誰が見てもウルッときますよ。普遍のテーマです。

Yu-Ki:だからこそ、独りよがりの曲になったらあかんと思って、同じような気持ちでいる人たちとリンクできる言葉選びはできたかなと思いますね。あと、この曲を通して「家族でのコミュニケーションが増えた」と言われた時がうれしいですね。

メロフロート 撮影=森好弘

メロフロート 撮影=森好弘

――なるほど。最後にツアーの話が7月25日からは『VS下剋上ライブツアー2018』がスタートします。これはイベントもあるんですよね?

KAZUMA:7月25日に僕らとSUNLITEとゴールデンパインという3バンドが同時リリースするんですけど、その各CDの中に投票フォームみたいなものがあってアクセスすると、投票ができるんです。それで数が多かったバンドが優勝という企画になってます。

――優勝の自信は?

KENT:それはありありです(笑)! 負けるわけにはいかないですよね。これだけいろんなサポートをしてもらってメジャーデビュー3年周年を迎えたんで、絶対負けられないなって思ってます。

――さらに全3公演の『ホップステップゼップ~MELOFLOADを突き進め~』の、2公演目が10月21日(日)にclub JOULEにて、3公演目が 2019年1月18日 (金)にZepp NAMBAにて、ともに大阪で開催されます。

KENT:ほんまに自分らは「悲しみなんて笑い飛ばせ」から再出発です。そしてその最終地点が、club JOULEやZepp NAMBAのライブやと思うので、みんなに来てもらえればなって思います。

KAZUMA:何ごとも生で体感してほしいなって気持ちが強いんですよね。音源でも聴けるけど、リアルな空間で感じるものってあると思うので……。あと、今年は、災害も多いですけど、僕らメロフロートの力で(沈んだ気分を)吹き飛ばしたいなと思っているので、ぜひライブに遊びに来てください!

Yu-Ki:実はさっき、「悲しみなんて笑い飛ばせ」のMVをアップしたんですよ。そしたら、(FUNKY MONKEY BABYSの)ファンキー加藤さんとモン吉さんからコメントをいただいて。ファンキー加藤さんからは「迷わず全力で歌ってやってください」と、モン吉さんからは「ありがとう。一生懸命作った曲だからうれしいな」と言っていただいたんです。これ見た時、ほんま泣きそうになったんです、僕。普段、ファンの方とかに「リプ(ライ)が来たから、涙が出るくらいうれしかったです」とか言われると、「また大げさやな~」って思う時があったんですけど、さっきは自分がその(うれしい側の)立場になって……。僕らはいつも誰かを励ましたり誰かに夢を与えたりしないといけないと思って活動してるんですけど、さっき、お二人からコメントをいただいて応援される側の気持ちでめっちゃ心が震えたんです。だから、改めてもっとみんなに思いを伝えていけるように頑張っていこうと……、是非、その思いを伝えるライブを見に来てもらえたらと思います。

取材・文=服田昌子 撮影=森好弘

ライブ情報

『下剋上 LIVE TOUR』

7月26日(木)
岡山@KINGDOM
OPEN 18:00/START 18:30
料金:¥980(+1Drink ¥600)
 
7月27日(金) 
名古屋@SPADE BOX
OPEN 18:00/START 18:30
料金:¥980(+1Drink ¥500)
 
7月28日(土)
東京@Mboxx
OPEN 18:00/START 18:30
料金:¥980(+1Drink ¥600)
 
7月29日(日) 
大阪@湊町VOLCANO
OPEN 18:00/START 18:30
料金:¥2,000(+1Drink 600円)
 
8月19日(日)
大阪@JOULE ★FINAL(結果発表)
OPEN 16:00/START 16:45
料金:¥3000(+1Drink 600円)
 
<ワンマンライブ>
​10月21日(日)@JOULE
OPEN 17:00/START 17:30
料金:¥980(+1Drink ¥600)
 
2019年1月18日(金)@Zepp Namba
OPEN 18:00/START 18:45
料金:¥3,300(+1Drink ¥500)
 
詳細はオフィシャルサイトhttp://meloflo.jp
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