維新派・松本雄吉の著作集『維新派・松本雄吉 1946~1970~2016』を出版、関連イベントも開催
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『維新派・松本雄吉 1946~1970~2016』表紙。
エッセイから小説まで、松本の軌跡を文字でたどる初著作集。
大阪の劇団「維新派」主宰で、2016年に食道・咽頭がんで逝去した、劇作家・演出家の松本雄吉。彼の初の著作集『維新派・松本雄吉 1946~1970~2016』が、生きていれば72歳の誕生日を迎えていた、2018年10月10日(水)に発売される。
1970年に「日本維新派(後に維新派に改名)」を立ち上げ、野外劇を中心に型破りな舞台を次々に発表してきた松本。70~80年代には役者・ダンサーとしても、嘔吐や脱糞を公衆の面前に晒すなど、精神・身体の極限に迫るようなパフォーマンスで、数々の伝説を残している。90年代以降はほぼ作・演出に専念し、独特の台詞回しと振付で構成される「ヂャンヂャン☆オペラ」というスタイルを確立。現実の風景を巻き込みながら、虚構の風景をダイナミックに浮かび上がらせる野外劇を、終生に渡って作り続けた。
本著には、朝日新聞などに連載していたエッセイを始め、創作ノート、芸術論、短編小説、ストリップ巡業と劇団活動を並行していた時代の日記など、多種多様な文章を掲載。近年は演出家としての活動にスポットが当たりがちだった松本だが、作家としても非常に高い文学性を持っていたことがうかがえる名文ぞろいだ。文章以外にも、舞台美術のイメージ図や、旅先で描いた風景画なども掲載している。
『維新派・松本雄吉 1946~1970~2016』より。維新派ヂャンヂャン☆オペラ『ROMANCE』(96年)野外劇場のイメージ図(一部)。
戯曲の方も『少年街』(91年)『透視図』(14年)の抜粋を始め、伝説の名作『蟹殿下』(84年)をフルバージョンで収録。維新派の最高傑作に上げる人も多い同作の圧倒的な世界観は、文字を追うだけでも伝わってくるに違いない。その他にも「大駱駝艦」の麿赤兒や「劇団態変」の金滿里との対談、維新派以外の作品も含めて、松本が関わった全公演の記録を記した年表も掲載されている。
全国の書店や通販サイトでも販売されるが、維新派のオンラインショップから予約すると、『少年街』一部シーンなどの映像が収録された限定DVDが付いてくる(数量限定)。また大阪では、出版記念イベントや展覧会が併せて開催されるほか、松本が建築棟梁を務めた映画館[シネ・ヌーヴォ]でも、12月に維新派の特集上映会が行われる予定。本を片手に、ぜひそちらにも足を運んでほしい。
書籍情報
定価:4,968 円(税込)
仕様:B5変形 320ページ
出版社:リトルモア
公式サイト:http://www.littlemore.co.jp/store/products/detail.php?product_id=988
イベント情報
■日時:2018年10月10日(水) 18:30~
■会場:LIVE BAR MOERADO
■料金:前売3,000円、当日3,300円 ※入場時に別途1ドリンク代500円必要。
■内容:
◎映画『維新派進化論』(特別編集版)上映。
◎維新派歴代役者たちによるトークショー。
◎木村充揮、ツーベース誰もいないライブ。
◎モンゴルパンなどの出店あり。
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イベント情報
■日時:2018年10月25日(木)~11月25日(日) 12:00~18:00 ※火曜・水曜休館。
■会場:千島文化
■料金:入場無料
■内容:
◎松本雄吉の創作ノート、スケッチ、公演ポスターなどを展示。
◎土曜・日曜・祝日に、維新派公演の記録映像上映会を開催。先着20名。鑑賞無料。
◎劇団のまかない飯を担当した、石本由美による特製ランチあり(11:30~14:00)。
■お問い合わせ:tsubasa@ishinha.com