日本最古の歴史を持つ劇場、京都四條の「南座」が開場式&祇園お練り

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2018.10.28
南座新開場祇園お練り

南座新開場祇園お練り

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2018年10月27日(土)、四百年を超える歴史と伝統をもつ日本最古の劇場「南座」の新開場を記念する「開場式」が開催され総勢100名の歌舞伎俳優が舞台上に登壇し、招待された約1,000名の来賓に向け挨拶を行った。続く「南座新開場祇園お練り」では、中村時蔵ほか総勢69名の歌舞伎俳優が南座から南座の氏神様である八坂神社前までの約400mに及ぶ四条通を練り歩き、集まった約15,000人の観客とともに南座新開場を祝った。

南座開場式

南座開場式

開場式では総勢100名の歌舞伎俳優が勢揃いし、座元である松竹株式会社から囃子方に大太鼓の撥が渡され、「一番太鼓」の響きによって、南座の開場が告げられた。そして始まった開場式は、11月の吉例顔見世興行で襲名披露を行う二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎による『寿式三番叟』の上演で幕を開けた。

南座開場式

南座開場式

南座の紹介映像と休憩をはさみ、再び幕が上がると、舞台上には坂田藤十郎を始めとする総勢100名の歌舞伎俳優たちや松竹株式会社代表取締役会長の大谷信義、松竹株式会社代表取締役社長迫本淳一などがずらりと揃い、招待された約1,000名の来賓に対し挨拶した。

藤十郎は「これからも南座が幾久しく栄え、京の伝統文化として、また我が国が世界に誇る劇場として、愛され続けることを願ってやみません」と強い気持ちを述べると、それに応えるかのように、場内は大きな祝福の拍手に包まれた。結びに、歌舞伎俳優と客席一体となって手締めが行われた。

南座開場式

南座開場式

続いて、場所を南座正面の四条通に移し、歌舞伎俳優他、総勢約150名による「南座新開場祇園お練り」が開催された。歌舞伎俳優だけでも総勢69名と、5年前の歌舞伎座新開場の際のパレードの参加人数を超えており、歌舞伎発祥の地・京都のイベントとしてふさわしく、豪華で華やかな顔ぶれが勢揃いした。

四条通の全面交通規制は、祇園祭を除き実施されることは極めて異例であり、京都府、京都市、祇園商店街などの地域関係者の全面協力の元で開催された、近年まれにみる一大イベントとなった。

南座新開場祇園お練り

南座新開場祇園お練り

直前に行われた出発式では、西脇隆俊京都府知事、門川大作京都市長、北村典生祇園商店街振興組合理事長、大谷信義松竹会長からも京都の更なる発展につながる言葉が語られ、祇園五花街の舞妓衆10名も華やかにいろどりを添え、迫本淳一松竹社長の合図で特殊効果の金銀テープが祝砲から発射されると、華々しくお練りがスタートした。

時蔵、雀右衛門、又五郎を先頭とした69名の歌舞伎俳優は、沿道のファンやビルの中から手を振る人々に、にこやかな笑顔で応えた。今年、親子三代での襲名を果たした松本幸四郎はこの世紀のお練りに参加した感想について、「ものすごい人の数で驚きました。参加した歌舞伎俳優の数もそうですが、こんなお練りは初めてです」と興奮した様子で語り、「11月に襲名公演をこの南座でやらせていただくのですが、新しく生まれ変わったこの南座の最初の1ページを刻むと考えると責任を感じます。やっと灯った南座の火を消さないように精一杯頑張りたいです」と意気込みを語った。

南座新開場祇園お練り

南座新開場祇園お練り

また、この日の南座開場式に出席し、南座のステージに初めて立った市川染五郎は、「今日、初めて南座の舞台に立たせていただいて、お客様との距離が近いと感じました。11月からの襲名公演ではお客様と一体感のある芝居をしたいです」と語った。また、今後の目標について聞かれた松本幸四郎は「新しいことに挑戦していきたいです。心身ともに鍛えて歌舞伎の可能性を広げるべく、チャレンジしていきたいです」と述べ、息子の市川染五郎について「“お芝居をする”歌舞伎役者になってもらいたい。相手の役者さんと芝居で会話ができる歌舞伎役者になってもらいたいです」と嬉しそうに語った。

南座新開場祇園お練り

南座新開場祇園お練り

集まった約15,000人の観客とともに、俳優たちもこの"世紀のお練り"を楽しみながら、ゆっくり四条通を練り歩き、熱気冷めやらぬうちにお練りは終了した。

開場式およびお練りに参加した俳優の一覧は下記参照のこと。また、当日の警備誘導にあたったスタッフの総勢はおよそ450名だった。

南座開場式参加俳優

南座開場式参加俳優

南座新開場祇園お練り参加俳優

南座新開場祇園お練り参加俳優

◆公式サイト:https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/

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