長江崚行が贈る心温まる感動物語! ミュージカル『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』
長江崚行
2.5次元舞台で人気を誇る長江崚行が主演を演じるミュージカル『「また、必ず会おう」と誰もが言った。』が2018年11月14日(水)より東京・全労済ホール/スペース・ゼロにて開幕した。
原作は2010年の発表以降、13万部を超えるロングセラーとなり、全国高校生選定図書にも選出されている人気小説。2013年には佐野岳主演で映画化され、学校上演プロジェクトが実施されるなど青少年育成の観点からも注目される本作が、ミュージカルとして生まれ変わる。脚本・作曲はまきりか、演出は本藤起久子が務める。
「また、必ず会おう」と誰もが言った。
ピアニスト・村井一帆とヴァイオリニスト・RiOの生演奏による美しい調べとともに幕が上がり、物語は熊本の高校2年生・和也がクラスメイトに「小さな嘘」をついてしまったことから始まる。その「小さな嘘」のために、和也は夏休みに親に内緒で東京への一人旅を実行するが、帰りの飛行機に間に合わず、わずかな所持金のまま空港に取り残されてしまう。落胆する和也をみかねた土産物屋の昌美は彼を家に泊めることに。昌美との出会いをきっかけに、和也は自力で熊本へ帰ることを決意する。
「また、必ず会おう」と誰もが言った。
「また、必ず会おう」と誰もが言った。
小さな嘘から起きた、少年にとっての大冒険の始まり。トラブル続きの和也は、人生経験の豊富な大人なら気にも留めないようなささいなことにも真剣に思い悩む。そこがまた少年らしさなのかもしれない。そこからの様々な大人たちとの偶然によってもたらされる必然の出会い。美容師、警察官、トラック運転手、医者……。
「また、必ず会おう」と誰もが言った。
彼らとの出会いによって、和也は成長していく。その過程で、和也がシンプルなセットの背景パネルをカラフルなパネルに差し替えていく。まるで、彼の心が成長して色づいていくように。そして、和也と出会う大人たちも和也の純粋さからなのか、和也に自分の生きてきた道を重ね合わせて自分自身を見つめ直していく。そんな和也の高校生らしい思いと、彼に感化されていく大人たちの心情が、生演奏とミュージカルナンバーによって重くのしかからずに心にスッと染み込み、感動を呼ぶ。青春ロードムービー風ミュージカルとも言える作品だ。
長江崚行
和也を演じるのは、ミュージカル『ヘタリア』シリーズや舞台『文豪ストレイドッグス』シリーズなど数多くの2.5次元系舞台で活躍する長江。今回は、2.5次元系のキャラクターではなく、ごく普通のどこにでもいる高校生を演じる。自分がついた小さな嘘に苛まれ、トラブル続きで悩んだかと思えば、支えてくれる大人たちに純粋なまなざしと笑顔を見せる。思春期の高校生らしく、目まぐるしい心の変化と多感さを長江はステージ上で見せつけた。
和也が旅の途中に出会う大人たちを演じるのは、元宝塚歌劇団雪組トップスターの杜けあき、ザ・コンボイオリジナルメンバーの石坂勇、男女の声を器用に使い分ける歌い手「いかさん」としても活動している大人気アーティストの松岡侑李ほか、実力派・新進気鋭のキャスト陣が、物語の大人たちのようにカンパニー最年少で主演の長江をしっかりと支える。
「また、必ず会おう」と誰もが言った。
昌美を演じる杜は、面倒見の良いおばちゃん全開かと思えば、ミュージカル・シーンでは元トップスターらしくピシッと決め、そのギャップがなんとも魅力的。ミュージカルナンバーを力強く歌い上げていた石坂は、こわもてながらも、ときおり見せる笑顔がチャーミングなトラック運転手・柳下を演じる。さらに、柳下の娘を演じる松岡は、その印象的な声を生演奏の調べに乗せて披露し、観客の心へと刻み込む。
若者にとっては未来地図を描くきっかけとなり、大人たちにはかつての自分と対峙し新たな希望を与えてくれる本作。観終わったあとに「この作品に出会えて良かった。“また、必ず会おう”」と思わされるハートウォーミングで心優しくなる感動物語だ。
「また、必ず会おう」と誰もが言った。
開幕にあたり、主演の長江より初日コメントが届いている。
長江崚行(秋月和也役)
これまで、2.5次元系の作品を多くやらせて頂いた自分がこういう機会を頂きまして……僕の役者人生もかかってるんじゃないかなと思って、すごくプレッシャーを感じるとともに気合いが入っております! カンパニーの中でも最年少で主演ということで、周りの皆様からお力を借りながら僕自身できることをやるしかないなって思っています。
原作もすごくいい小説で、どの年代の方が読んでも刺さるっていうか、僕らの世代の人なら主人公に、30代40代の方なら他の登場人物に、何かしら共感できるような、すごく考えさせられる作品です!
主人公の和也は、なんというか若いなー!というか、僕も若いんですけど(笑)まさに思春期の男の子って感じで、自分も経験あるんですけど、とっさにくだらない、必要ないウソをついて後で困ったりとか。そういう部分を重ねて共感して、改めて自分も成長できそうだなって思います。
演劇にも色んなジャンルがあると思うんですけれども、普段2.5次元系に慣れ親しんでいるお客様にも、こういう演劇の世界もあるんだなーとか、色んな世界に触れて頂きたいと思っています。
2.5次元系の舞台は、割と原作の影響力が大きいと思います。お客さんにしても、演じる側にしても。今回、演じる側としてはこういった小説原作のものって、それぞれの想像力だったり解釈がストレートに出るんだと思います。原作をご存じの方へも、そうでない方へも、演劇そのものの魅力を伝えられるような作品にしたいなと思っています。
普段2.5しか観ない! っていう方にもぜひ足を運んで頂けたらなと思います。劇場でお待ちしております。
取材・文・撮影=櫻井宏充
公演情報
2018年11月14日(水)~11月18日(日)
全労済ホール/スペース・ゼロ
■脚本・作曲:まき りか
■演出:本藤 起久子
■キャスト:長江崚行 杜けあき/松岡侑李・石坂勇
多岐川装子/関根慶祐/豊田豪/Adam/桐矢彰吏/安城うらら/西村秀人
■演奏:村井一帆(ピアニスト)/RiO(ヴァイオリニスト)
Zen-A(ゼンエイ)TEL:03-3538-2300(平日 11 時~19 時)