大阪4大オーケストラが合同で記者発表会を開催

レポート
クラシック
2018.12.27
大阪4オケの指揮者たち 左より太田弦(大阪交響楽団)、尾高忠明(大阪フィル)、O.デュメイ(関西フィル)、飯森範親(日本センチュリー)

大阪4オケの指揮者たち 左より太田弦(大阪交響楽団)、尾高忠明(大阪フィル)、O.デュメイ(関西フィル)、飯森範親(日本センチュリー)

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大阪に本拠地を置き、演奏活動を行っている4つのオーケストラ(大阪交響楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団、関西フィルハーモニー管弦楽団、日本センチュリー交響楽団)、通称大阪4オケの合同記者発表会が、先月開催された。会場には各オーケストラの事務局スタッフと、マエストロが一堂に会し、来年度の活動概要や、定期演奏会を含む主催公演の発表を行った。

こういった形でマエストロも出席し、大阪の4つのオーケストラが揃って会見をするのは全国的にも珍しいこと。会場となった日本センチュリー交響楽団の練習場、センチュリー・オーケストラハウスには、かつて見たことも無いほど多くの音楽記者やプレス関係者が勢揃い。この会見の関心の高さを物語っていた。

会見では大阪交響楽団から順番に事務局とマエストロが、来年度のトピックスや定期演奏会の聴きどころなどをアピールした。

大阪4オケの事務局スタッフとマエストロがずらっと並ぶ 写真提供:関西フィルハーモニー管弦楽団

大阪4オケの事務局スタッフとマエストロがずらっと並ぶ 写真提供:関西フィルハーモニー管弦楽団


■大阪交響楽団

事務局より

大阪交響楽団は11月1日付で公益社団法人の認定を受けました。どうぞよろしくお願い致します。

また、来年3月で退任する常任指揮者 寺岡清高氏の後任として、今年東京芸術大学大学院を卒業したばかりの太田弦氏(1994年生まれ)が正指揮者に就任する事が決まりました。同時に、ミュージック・アドバイザー外山雄三氏との契約は、2020年の3月まで1年延長となりました。定期演奏会はシンフォニーホールで11回開催。他にいずみホール定期演奏会を3公演×2回、名曲コンサート5公演×2回などを行います。

詳細は楽団公式サイトをご参照ください。 

次期正指揮者 太田弦

ご紹介にあずかりました太田弦です。ここにおられる大半の方には、初めましてとご挨拶申し上げるべきだと思います。1994年北海道札幌生まれの24歳です。来年の正指揮者就任時には25歳です。18年間札幌で暮らし、東京芸大に入学してから東京生活は6年になりました。東京芸大では尾高忠明先生と高関健先生に、ちょうど半分づつの期間、教わっておりました。2015年、大学4年の時に、東京国際音楽コンクール〈指揮〉で2位と聴衆賞を受賞しました。

大阪交響楽団を初めて指揮したのは昨年6月。今までに5回指揮をさせて頂いていますが、毎回指揮をしていて幸せな気持ちになるオーケストラです。今回のお話を伺った時、とても嬉しかったのですが、同時にどれだけの事が出来るのか不安に思う面もございます。新しい事をやって行きたいと、楽しみに思っています。どうぞよろしくお願いします。

太田弦(大阪交響楽団 次期正指揮者) (C)H.isojima

太田弦(大阪交響楽団 次期正指揮者) (C)H.isojima


■大阪フィルハーモニー交響楽団

事務局より

音楽監督 尾高忠明、2年目のシーズンも、定期演奏会はフェスティバルホールで10公演×2回開催します。また、尾高忠明マエストロの指揮で、今年のベートーヴェンに続き「ブラームス交響曲全曲演奏会」を開催。その他ではシンフォニーホールで行う、「マチネ・シンフォニー」を2公演、「ソワレ・シンフォニー」を2公演や、定番の小林研一郎指揮「3大交響曲の夕べ」、「新春名曲コンサート」、「第9シンフォニーの夕べ」などを開催します。

詳細は公式サイトをご参照ください。 

音楽監督 尾高忠明

大阪の地で別々に独自の活動を行う4つのオーケストラが、このような形で合同で記者会見を行うのは、他では考えられない画期的で素晴らしい事だと思います。また、教え子の太田弦さんが大阪交響楽団の正指揮者に決まった事は、とても嬉しいです。

大阪フィルとは2年目のシーズンを迎えます。定期演奏会の選曲や指揮者、ソリストを決めるのは実質今回からです。年10回の定期演奏会の内、私が指揮をするのは3回。残りの7回のうち、初めて指揮していただくのは、シャルル・デュトワ、ダン・エッティンガー、ハインツ・ホリガーの3人。デュトワはN響のサウンドを変えました。大フィルのちょっと浪花節がかったサウンドから、洗練されたサウンドを引き出して欲しいです(笑)。エッティンガーの作り出すサウンドは、どの瞬間を切り取っても音楽的。若さ溢れるチャイコフスキーをお楽しみください。80歳を超えるホリガーのプログラムはアイデア満載。意欲的なプログラムで私も楽しみです。

また、レヴィのヤナーチェクも準・メルクルのシューマン「ライン」も、僕の師匠 秋山先生のチャイコフスキーの交響曲第1番も、大親友 井上道義のストラヴィンスキー「春の祭典」も、すべて本人たちの十八番。とても充実したプログラムが並びました。

私が指揮する公演では、4月にマーラー交響曲第9番。この曲を大フィルとやるのは2度目です。10月にはアニバーサリーイヤーのオールR.シュトラウスプログラム。1月は大フィル伝統のブルックナーで交響曲3番を取り上げます。

そして、今年のベートーヴェンに続き、来年はブラームスの交響曲全曲演奏会をやります。普通なら4つのシンフォニーに4つの協奏曲を組み合わせるのが一般的ですが、大阪フィル合唱団の出来があまりに素晴らしいので、合唱曲を組み合わせてプログラムを作りました。ブラームスのいつもとは違う側面を感じて頂きたいですね。どうぞご期待ください。

尾高忠明(大阪フィルハーモニー交響楽団 音楽監督) (C)H.isojima

尾高忠明(大阪フィルハーモニー交響楽団 音楽監督) (C)H.isojima


■関西フィルハーモニー管弦楽団

事務局より

7月に念願の公益財団法人の認可を得、公益財団法人関西フィルハーモニー管弦楽団となりました。どうぞよろしくお願い申し上げます。

1970年に楽団を創立した関西フィルは、2020年に創立50周年を迎えます。また4月に実施する定期演奏会が第300回記念となります。定期演奏会は第九特別演奏会と合わせて、ザ・シンフォニーホールで10回開催します。音楽監督デュメイ氏との契約は、22年3月まで3年間延長することになりました。

49年目のシーズンは「未来への出航」と題して関西フィルが誇る3人の指揮者陣が新たなる感動の扉を開きます。

デュメイ氏には古典作品を軸に3回の定期演奏会で、名作を披露してもらいます。藤岡幸夫氏は4月の第300回記念定期演奏会で菅野祐悟さんの交響曲第2番の日本初演、そして10月にはハチャトリアンの交響曲第2番「鐘」と、楽しみなプログラムが並びました。桂冠指揮者の飯守泰次郎氏にはメンデルスゾーンの大作「エリア」を指揮してもらいます。他では6月定期演奏会で、鈴木優人氏指揮で衝撃的な日本プログラム(黛敏郎氏と矢代秋雄氏の生誕90年、芥川也寸志氏の没後30年を記念したプログラム)をお届けいたします。どうぞご期待ください。

その他の演奏会は公式サイトをご覧ください。 

音楽監督 オーギュスタン・デュメイ

4つのオーケストラが一堂に会してミーティングを持つことは大変素晴らしいことです。他のオーケストラのマエストロとご一緒出来て光栄に思います。

個々のオーケストラにおいては、楽団の特徴を打ち出す事は大切ですが、それ以上にオーケストラとしてのアイデンティティをより強く鮮明に社会に映し出していく事が大切だと考えます。また、音楽に携わる人間が、もっと普遍的かつ社会的に、文化的な側面に向かって一緒に邁進していく事は、将来の音楽界にとって大変重要な事だと思います。そうした意味においても、4つのオーケストラが合同でプレスミーティングをすることは意味が有ります。

来年は関西フィルにとって、演奏力を発揮出来るプログラムが並びました。ソリストは若く才能溢れる音楽家を招聘します。ご期待ください。

そして2021年には創立50周年を記念して2度目のヨーロッパ公演(2015年に実施)を行う予定です。関西フィルを進化させ、世界へ発信することが私の務めなのです。

オーギュスタン・デュメイ(関西フィルハーモニー管弦楽団 音楽監督) (C)H.isojima

オーギュスタン・デュメイ(関西フィルハーモニー管弦楽団 音楽監督) (C)H.isojima


■日本センチュリー交響楽団

事務局より

来年は日本センチュリー交響楽団創立30周年となります。記念すべきシーズンの定期演奏会には、過去の音楽監督・首席指揮者を迎え、ザ・シンフォニーホールで年間10回定期演奏会を開催します。

名誉指揮者兼初代正指揮者 ウリエル・セガル氏が2002年以来となる第242回定期演奏会に登場します。定期が行われる12月8日は創立記念日の前日となります。また、5月には2代目首席指揮者 高関健氏、1月には初代音楽監督 小泉和裕氏が定期演奏会に登場。現首席指揮者 飯森範親氏は4回指揮をします。

その他の主催演奏会、好調の「いずみ定期演奏会」通称“ハイドンマラソン”や「豊中名曲シリーズ」などは、楽団公式サイトをご覧ください。

首席指揮者 飯森範親

4つのオーケストラがこのような形で集まる機会とアイデアに、心から敬意と感謝を申し上げます。日本センチュリー交響楽団は、今まさに技術的に充実の時を迎えています。どうか私たちの演奏にご期待ください。

私が指揮する定期演奏会は4回。4月のブルックナー交響曲第9番と合わせるのは、ワーグナーの交響曲ホ長調。以前から温めていた未完成プログラムです。7月は演奏機会の少ないダンディの「フランスの山人の歌による交響曲」を、ピアノ独奏 横山幸雄さんで演奏します。10月は30周年記念としてどうしてもやりたかった曲ブラームスの「ドイツ・レクイエム」を、生まれ変わった日本センチュリー合唱団と共に演奏します。そして3月は友人ファジル・サイの曲を前半に取り上げ、メインではチャイコフスキーの交響曲第5番でシーズンを締めくくります。

“ハイドンマラソン”はようやく半分まで辿り着きました。今年も4回実施します。どうぞご期待ください。

飯森範親(日本センチュリー交響楽団 首席指揮者) (C)H.isojima

飯森範親(日本センチュリー交響楽団 首席指揮者) (C)H.isojima

また席上、大阪4オケが集うきっかけになった「大阪4大オーケストラの響演」(2015年4月以降毎年実施)を主催する朝日新聞文化財団より「4オケ・スペシャル~佐渡裕&4楽団合同オーケストラ~」と、尾高忠明指揮大阪フィルによるオペラ「サロメ」の演奏会形式上演の報告もあった。

1年に1度、大阪4オケが一堂に会し、演奏を披露する「大阪4大オーケストラの響演」は、4オケすべてが演奏会のトリを取ったことも有り、来年は合同オーケストラを特別編成し、それを関西に馴染みのある世界的指揮者 佐渡裕が指揮をすることになったとのこと。取り上げる曲はホルストの組曲「惑星」と、来年没後70年の記念イヤーを迎えるリヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」とのこと。チケットは現在発売中だが、順調に売れているようだ。

現在のオーケストラレパートリーにとって、大変重要な作曲家の一人、リヒャルト・シュトラウス。大阪国際フェスティバル2019では、彼の没後70年を記念して、官能と狂気に彩られた異色オペラ「サロメ」を、過激な舞台演出を排し、音楽のみを堪能するために演奏会形式で上演する。指揮をする尾高忠明は「大好きなオペラは色々あるが、サロメは特別!」と語る。尾高忠明と大阪フィルによるオペラ「サロメ」は、ソリスト陣も充実しており、名演が期待される。これを聴き逃す手はない。

4つのオーケストラが交流を図りながらも切磋琢磨技術を磨き、聴衆に個性的な活動やプログラムを投げかける。大阪4オケの更に充実した活動から目が離せない!

取材・文=磯島浩彰

公演情報

第57回大阪国際フェスティバル2019
『4オケ・スペシャル~佐渡裕&4楽団合同オーケストラ~』

■日時:2019年4月20日(土)15時開演(13時45分開場、14時半プレイベント開始)
■指揮:佐渡裕
■管弦楽:大阪交響楽団/大阪フィルハーモニー交響楽団/関西フィルハーモニー管弦楽団/日本センチュリー交響楽団
■合唱指揮:矢澤定明
■合唱:大阪府立夕陽丘高等学校音楽科
■料金:S席8500円 A席7000円 BOX席14000円 バルコニーBOX(2席セット)17000円 学生席1000円
■問い合わせ フェスティバルホール チケットセンター 06-6231-2221
■公式サイト:https://www.festivalhall.jp/​

公演情報

リヒャルト・シュトラウス『サロメ』(演奏会形式/全一幕/原語上演・日本語字幕付き)
■日時:2019年6月8日(土)15時開演(14時開場)
■会場:フェスティバルホール
■指揮:尾高忠明
■管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
■出演:
サロメ:リカルダ・メルベート
ヘロデ:福井敬
ヘロディアス:加納悦子
ヨカナーン:友清崇
ナラボート:望月哲也
ヘロディアスの小姓/奴隷:中島郁子
ユダヤ人1:高田正人
ユダヤ人2:菅野敦
ユダヤ人3:児玉和弘
ユダヤ人4:岡本泰寛
ユダヤ人5:畠山茂
ナザレ人1/カッパドキア人:北川辰彦
ナザレ人2:秋谷直之
兵士1:大塚博章
兵士2:斉木健詞
■料金:
S 8,500円 A 7,000円 B 6,000円 BOX 14,000円

バルコニーBOX 17,000円(2席セット・電話予約のみ)学生 1,000円
■問い合わせ:フェスティバルホール チケットセンター 06-6231-2221
■公式サイト:https://www.festivalhall.jp/
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