第91回アカデミー賞ノミネート一覧　Netflix『ROMA／ローマ』が最多10部門、『ブラックパンサー』はアメコミ映画初&7部門で候補に

1月22日（火）夜22時20分（アメリカ・LA時間午前5時20分）、映画芸術科学アカデミー（AMPAS）が主催する第91回アカデミー賞の各部門の候補作が発表された。

最多ノミネートとなったのは、Netflixオリジナル映画『ROMA／ローマ』（アルフォンソ・キュアロン監督）で、作品賞、外国語映画賞など10部門で候補に。また、『女王陛下のお気に入り』（ヨルゴス・ランティモス監督）が助演女優賞で女優二人（エマ・ストーン、レイチェル・ワイズ）がノミネートされ、合計9部門10ノミネートを果たしている。

続いて、『アリー／スター誕生』（ブラッドリー・クーパー監督）が、レディ・ガガとブラッドリー・クーパーのW主演ノミネートほか合計8部門で候補に。同じく、クリスチャン・ベールが、アメリカ元副大統領・チェイニー氏を演じた『Vice（原題）』も8ノミネート。

さらに、『ブラックパンサー』が7部門でノミネートを果たしたほか、アメコミ映画としては初となる作品賞の候補となっている。スパイク・リー監督の『ブラック・クランズマン』は監督・作品賞ほか6部門にノミネート。​日本でもヒットしている『ボヘミアン・ラプソディ』は、作品賞・主演男優賞などで5部門の候補となっている。

日本からは、是枝裕和監督の『万引き家族』が外国語映画賞にノミネート。細田守監督の『未来のミライ』も長編アニメーション映画賞で候補となっている。

そのほか、衣装デザイン賞では、『女王陛下のお気に入り』、『メリー・ポピンズ リターンズ』の2作品でサンディ・パウエルが候補に。パウエルは、過去に3度アカデミー賞を受賞している。

また、10歳少年二人組が二歳児を誘拐・殺害した“ジェームズ・バルジャーちゃん事件”を描いた短編映画『Detainment（原題）』が短編映画賞の候補に。殺害されたジェームズちゃんの母親が怒りのコメントを発表するなど、物議を醸している。

発表された、第91回アカデミー賞のノミネート作リストは以下のとおり。

 

主演男優賞

クリスチャン・ベール（『Vice（原題）』）
ブラッドリー・クーパー（『アリー／スター誕生』）
ウィレム・デフォー（『永遠の門　ゴッホの見た未来』）
ラミ・マレック（『ボヘミアン・ラプソディ』）
ヴィゴ・モーテンセン（『グリーン ブック』）

 

助演男優賞

マハーシャラ・アリ（『グリーン ブック』）
アダム・ドライバー（『ブラック・クランズマン』）
サム・エリオット（『アリー／スター誕生』）
リチャード・E・グラント（『キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?』）
サム・ロックウェル（『Vice（原題）』）

 

主演女優賞

ヤリッツァ・アパリシオ（『ROMA／ローマ』）
グレン・クローズ（『天才作家の妻 40年目の真実』）
オリビア・コールマン（『女王陛下のお気に入り』）
レディー・ガガ（『アリー／スター誕生』）
メリッサ・マッカーシー（『キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?』）

 

助演女優賞

エイミー・アダムス（『Vice（原題）』）
マリーナ・デ・タビラ（『ROMA／ローマ』）
レジーナ・キング（『ビール・ストリートの恋人たち』）
エマ・ストーン（『女王陛下のお気に入り』）
レイチェル・ワイズ（『女王陛下のお気に入り』）

 

長編アニメーション映画賞

『インクレディブル・ファミリー』
『犬ヶ島』
『未来のミライ』
『シュガー・ラッシュ:オンライン』
『スパイダーマン: スパイダーバース』

 

撮影賞

『COLD WAR あの歌、２つの心』（ウカシュ・ジャル）
『女王陛下のお気に入り』（ロビー・ライアン）
『NEVER LOOK AWAY（原題）』（キャレブ・デシャネル）
『ROMA／ローマ』（アルフォンソ・キュアロン）
『アリー／スター誕生』（マシュー・リバティーク）

 

衣装デザイン賞

『バスターのバラード』（メアリー・ゾフレス）
『ブラック・パンサー』（ルース・E・カーター）
『女王陛下のお気に入り』（サンディ・パウエル）
『メリー・ポピンズ リターンズ』（サンディ・パウエル）
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』（アレクサンドラ・バーン）

 

監督賞

スパイク・リー（『ブラック・クランズマン』）
パヴェウ・パヴリコフスキ（『COLD WAR あの歌、２つの心』）
ヨルゴス・ランティモス（『女王陛下のお気に入り』）
アルフォンソ・キュアロン（『ROMA／ローマ』）
アダム・マッケイ（『Vice（原題）』）

 

長編ドキュメンタリー映画賞

『Free Solo（原題）』（ジミー・チン、エリザベス・チャイ・ヴァサルヘリィ）
『Hale County This Morning, This Evening（原題）』（ラメル・ロス）
『Minding the Gap（原題）』（ビング・リュー、ダイアン・モイ・クォン）
『Of Fathers and Sons（原題）』（タラール・デルキ）
『RBG（原題）』（ベッツィー・ウェスト、 ジュリア・コーエン）

 

短編ドキュメンタリー映画賞

『Black Sheep（原題）』（エド・パーキンズ、ジョナサン・チン）
『End Game（原題）』（ロブ・エプスタイン、ジェフリー・フリードマン）
『LIFEBOAT（原題）』（スカイ・フィッツジェラルド、ブライアン・ムーサー）
『A Night At The Garden（原題）』（マーシャル・カレー）
『Period. End Of Sentence.（原題）』（ライカ・ゼタブチ、メリッサ・バートン）

 

編集賞

『ブラック・クランズマン』（バリー・アレキサンダー・ブラウン）
『ボヘミアン・ラプソディ』（ジョン・オットマン）
『女王陛下のお気に入り』（ヨルゴス・マヴロブサリディス）
『グリーンブック』（パトリック・J・ドン・ヴィト）
『Vice（原題）』（ハンク・コーウィン）

 

外国語映画賞

『CAPHARNAÜM（原題）』（レバノン）
『COLD WAR あの歌、２つの心』（ポーランド）
『NEVER LOOK AWAY（原題）』（ドイツ）
『ROMA／ローマ』（メキシコ）
『万引き家族』（日本）

 

メイクアップ&ヘアスタイリング賞

『BORDER（原題）』（ヨーラン・ルントシュトレーム、パメラ・ゴールダマー）
『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』（ジェニー・シャーコア、マーク・ピルシェア、ジェシカ・ブルックス）
『Vice（原題）』（グレッグ・キャノン、ケイト・ビスコー、パトリシア・デハニー）

 

作曲賞

『ブラックパンサー』（ルドウィグ・ゴランソン）
『ブラック・クランズマン』（テレンス・ブランチャード）
『ビール・ストリートの恋人たち』（ニコラス・ブリテル）
『犬ヶ島』（アレクサンドル・デスプラ）
『メリー・ポピンズ リターンズ』（マーク・シャイマン）

 

歌曲賞

「ALL THE STARS」（『ブラックパンサー』）
「I'LL FIGHT」（『RBG（原題）』）
「THE PLACE WHERE LOST THINGS GO」（『メリー・ポピンズ リターンズ』）
「SHALLOW」（『スター誕生』）
「WHEN A COWBOY TRADES HIS SPURS FOR WINGS」（『バスターのバラード』）

 

作品賞

『ブラックパンサー』
『ブラック・クランズマン』
『ボヘミアン・ラプソディ』
『女王陛下のお気に入り』
『グリーンブック』
『ROMA／ローマ』
『アリー／スター誕生』
『Vice（原題）』

 

美術賞

『ブラックパンサー』ハンナ・ビーチラー
『女王陛下のお気に入り』フィオナ・クロムビー
『ファースト・マン』ネイサン・クロウリー
『メリー・ポピンズ リターンズ』ジョン・マイヤー
『ROMA／ローマ』エウジェニオ・カバイェロ

 

短編アニメ賞

『Animal Behaviour（原題）』（アリソン・スノーデン、デイビット・ファイン）
『Bao（原題）』（ドミー・シー、ベッキー・ニーマン）
『Late Afternoon（原題）』（ルイーズ・バッグナル、ヌリア・ゴンザレス・ブランコ）
『One Small Step（原題）』（アンドリュー・チェスワース、ボビー・ポンティラス）
『Weekends（原題）』（トレバー・ヒメネス）

 

短編映画賞

『Detainment（原題）』（ヴィンセント・ラム）
『Fauve（原題）』（ジェレミー・コンテ）
『Marguerite（原題）』（マリアン・ファーリー）
『Mother（原題）』（ロドリゴ・ソロゴジェン）
『Skin（原題）』（ガイ・ナティヴ）

 

音響編集賞

『ブラックパンサー』（ベン・バート、スティーブ・ボエデカー）
『ボヘミアン・ラプソディ』（ジョン・ワーハースト、ニナ・ハートストーン）
『ファースト・マン』（アイ＝リン・リー、ミルドレッド・イアットルー・モーガン）
『クワイエット・プレイス』（イーサン・ヴァン・ダー・リン、エリク・アアダール）
『ROMA／ローマ』（セルジオ・ディアス、スキップ・リーヴセイ）

 

録音賞

『ブラックパンサー』（スティーブ・ボエデカー、ブランドン・プロクトル、ピーター・デブリン）
『ボヘミアン・ラプソディ』（ポール・マジー、ティム・カヴァジン、ジョン・キャサリ）
『ファースト・マン』（ジョン・テイラー、フランク・A・モンタノ、アイ＝リン・リー、メリー・H・エリス）
『ROMA／ローマ』（スキップ・リーヴセイ、クレイグ・ヘニガン、ホセ・アントニオ・ガルシア）
『アリー／スター誕生』（トム・オザーニッチ、ディーン・A・ズパンシック、ジェイソン・ルーダー、スティーブ・モロー）

 

視覚効果賞

『アベンジャーズ／インフィニティ・ウォー』（ダン・デリーウ、ケリー・ポート、ラッセル・アール、ダン、ダン・サディック）
『プーと大人になった僕』（クリストファー・ローレンス、マイク・イームズ、テオ・ジョーンズ、クリス・コーボールド）
『ファースト・マン』（ポール・ランバート、イアン・ハンター、トリスタン・マイルズ、J・D・シュワルム）
『レディ・プレイヤー1』（ロジャー・ガイエット、グレイディ・コファー、マシュー・E・バトラー、デヴィッド・シャーク）
『ハン・ソロ／スター・ウォーズ・ストーリー』（ロブ・ブレドウ、パトリック・タバック、ニール・スキャンラン、ドミニク・タオイー）

 

脚色賞

『バスターのバラード』（ジョエル&イーサン・コーエン）
『ブラック・クランズマン』（チャーリー・ワクテル、デヴィッド・ラビノウィッツ、ケヴィン・ウィルモット、スパイク・リー）
『キャン・ユー・エヴァー・フォーギヴ・ミー?』（ニコール・ホロフセナー、ジェフ・ウィッティ）
『ビール・ストリートの恋人たち』（バリー・ジェンキンス）
『ROMA／ローマ』（エリック・ロス、ブラッドリー・クーパー、ウィル・フェッターズ）

 

脚本賞

『女王陛下のお気に入り』（デボラ・デイビス、トニー・マクナマラ）
『魂のゆくえ』（ポール・シュレイダー）
『グリーンブック』（ピーター・ファレリー、ブライアン・クリー、ニック・バレロンガ）
『ROMA／ローマ』（アルフォンソ・キュアロン）
『Vice（原題）』（アダム・マッケイ）

 

なお、第91回アカデミー賞の授賞式は、現地時間2月24日にロサンゼルスのドルビー・シアターで開催。日本では、2月25日（月）午前8時30分から、WOWOWプライムにて、独占生中継される。アカデミー賞公式サイトはこちら。