ワッツ・オン・ブロードウェイ?~B’wayミュージカル非公式ガイド~vol.2 <2019年2月編>

コラム
舞台
2019.2.7


ブロードウェイのミュージカル情報を定期的にお届けするこの連載。2回目以降の展望を特に持たないまま見切り発車的に始めてしまったのだが、よく考えてみたら「今何やってるの?」という時々聞かれる質問に日本に根を張るミュージカルファンの視点から答えてみようという以外に大きな目的はなく、となると情報(リスト)パートは新作を足して終了した作品を削る以外あまり更新することがない(コピペで済んでしまう)ことに気付いた。

そこで今回から、まだブロードウェイを訪れたことのない人からの疑問に答えるパートを設け、その上でリストパートに移行する形にしてみようと思う。まずは知人から寄せられた疑問を取り上げることから始めるが、いずれ枯渇してくることが予想されるため、何かあればお気軽にお寄せいただきたい。なお、ロングラン作品のひとことコメント同様、この答えも多分に主観的になるが、そこは“非公式ガイド”の醍醐味と思っていただければ幸いだ。

Q.英語ができなくても楽しめるの?

これについては、人による。全くできなくても感性でふわっと楽しめる人もいれば、ある程度できるにもかかわらず、数少ない分からないところが気になって楽しめない人も。筆者自身はどちらかと言えば後者で、一時はそれを気に病んで、もう行くのはやめようと決意しかけたことすらあった。だが今は、たとえ意味が全部は分からなくてストレスを感じても、それを上回る面白さが絶対的にあるからやっぱり観たい、という境地。よって答えは、「英語が全くできなくて、しかも感性もあまり豊かではない人以外は、きっと楽しめる」だ。

不安なら日本語版や原作映画で予習してから観るのもいいが、予備知識がないほうが驚きによって感動や興奮が増幅することもあるので、個人的なオススメはPLAYBILL(劇場で配られる無料の当日パンフレット)予習。開演20分前には席に着いて目を通し、役者の顔と役名を一致させ、曲名に登場する地名を頭に入れておこう。聞き取りが最も困難な固有名詞の壁を乗り越えたら、少なくとも「何が起こっているのかも分からなかった」という事態には陥らず、意味を上回る面白さである表現レベルの高さや熱さに目が行くことだろう。

【今シーズンの新作】

■2月に始まる作品

『Ain’t Too Proud』2月28日プレビュー開始/3月21日開幕
テンプテーションズの軌跡を『ジャージー・ボーイズ』の演出家と振付家が描く。期待大!
https://www.ainttooproudmusical.com/

 

『Be More Chill』2月13日プレビュー開始/3月10日開幕
オフでの好評を得てオンに進出する話題作。モテモテになれる薬を巡る人間ドラマとか。
https://bemorechillmusical.com/

 

『Kiss Me, Kate』2月14日プレビュー開始/3月14日開幕★
1948年初演の名作のリバイバル。今夏『王様と私』で来日するケリー・オハラが主演する。
https://www.roundabouttheatre.org/get-tickets/2018-2019-season/kiss-me-kate/

 

■既に上演中の作品

『The Cher Show』
米歌手シェールの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。劇評も入場率もイマイチの様子。
https://thechershowbroadway.com/

『King Kong』
あの、キングコング。やはり気になるので続いてほしいが劇評を見る限り厳しいか。
https://kingkongbroadway.com/

『プリティ・ウーマン』
あの、プリティ・ウーマン。映画版「レミゼ」エポニーヌ役のBWデビュー作。同上。
https://prettywomanthemusical.com/

『The Prom』
スタッフ陣は盤石だし各紙絶賛なのに入りはイマイチ。やはり映画原作もの強しか。
https://theprommusical.com/

【ロングラン作品】

■日本で既に上演された/されている作品

『アラジン』
ディズニーアニメが舞台ならではの手法で表現された秀作。魔法の絨毯もスゴイ。
https://www.aladdinthemusical.com/

『ビューティフル』
キャロル・キングの半生を彼女自身の楽曲で綴る系。ロングラン5年目、そろそろ下火か。
https://beautifulonbroadway.com/

『シカゴ』
オペラ座の怪人に次ぐロングラン記録を更新中の名物作。出来は割とキャスト次第。
https://chicagothemusical.com/

『キンキーブーツ』
6年間のロングランの末、今年4月に閉幕予定。日本版(4月再演)と観比べたいなら急げ!
https://kinkybootsthemusical.com/

『ライオンキング』★
開幕から20年以上経つというのに、未だ入場率がほぼ毎週100%を超える大ヒット作。
https://www.lionking.com/

『マイ・フェア・レディ』★
1956年初演の名作を、渡辺謙の『王様と私』を手がけた演出家がリバイバル。上質。
http://www.myfairladybway.com/

『オペラ座の怪人』★
言わずと知れた世界的メガヒット作。圧倒的な知名度ゆえ、劇場では日本人に遭遇しがち。
http://www.thephantomoftheopera.com/

『ウィキッド』★
開幕から15年が経ち、ようやくに多少の余裕が。定期的に観たい傑作。
https://wickedthemusical.com/

■日本未上演の作品

『アナスタシア』★
同名アニメ映画の舞台化。深みに欠けるが映像表現は一見の価値アリ。3月末で閉幕予定。
https://anastasiathemusical.com/

『バンズ・ヴィジット』★
映画「迷子の警察音楽隊」を舞台化した、2018年のトニー賞受賞作。4月7日に閉幕予定。
https://thebandsvisitmusical.com/

『ブック・オブ・モルモン』
日本では永遠に上演されなさそうだが超絶面白い。モルモン教だけwikiで調べて観るべし。
https://bookofmormonbroadway.com/

『カム・フロム・アウェイ』★
「911」の日、カナダの小さな町に起こった実話をシンプルだが力強い演出で描く感動作。
https://comefromaway.com/

『ディア・エヴァン・ハンセン』
深遠なテーマをスタイリッシュに描く、2017年のトニー賞受賞作。絶対日本でやると思う。
https://dearevanhansen.com/

『アナと雪の女王』★
舞台ならではの表現が見当たらない残念作だが、満足感は保証する。生レリゴー最高。
https://frozenthemusical.com/

『ハミルトン』
開幕4年目にして未だ超入手困難なモンスター級ヒット作。文句なしに革新的。観るべし。
https://hamiltonmusical.com/

『ミーン・ガールズ』★
同名映画の舞台化。なぜか人気。アメリカ的なノリについていける自信があればどうぞ。
https://meangirlsonbroadway.com/

『ウェイトレス』★
同名映画の舞台化。完全に女子向け。観るとスイーツが食べたくなります。
https://waitressthemusical.com

【2月のミュージカルイベント】

2月26日、毎年恒例の「The 2019 Kids’ Night on Broadway」が開催される。リスト内に★印をつけた作品において、定価でを購入した大人と一緒なら、18歳以下の子どもは無料で観劇できるというもの。こういう割引は通常、売れてない作品が行うものだが、なかなかの人気作も含まれているところにこの企画の気概を感じる。なかにはもちろん、定価1枚分のお金があれば普通に2枚買えてしまうような、半額が日常的に出回っている作品もあるが、『ライオンキング』『ウィキッド』などについては貴重な機会と言えそうだ。

https://www.kidsnightonbroadway.com

文:町田麻子

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