『タータン 伝統と革新のデザイン』展が岩手県立美術館で開催 タータンの歴史や社会的、文化的背景を紹介

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2019.2.27
<アフタヌーンドレス> 1865年頃 神戸ファッション美術館蔵

<アフタヌーンドレス> 1865年頃 神戸ファッション美術館蔵

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『タータン 伝統と革新のデザイン』展が、2019年4月13日(土)〜5月26日(日)まで、岩手県立美術館にて開催される。

日本でも人気が高く、世代を超えて愛されている普遍的なデザイン・タータン。ファッションに限らず、日用雑貨や室内装飾、あらゆるところでタータンを目にする一方、その定義や歴史などが紹介される機会は多くなかった。

<子ども用ハイランド衣装一式> 1868年頃   神戸ファッション美術館蔵

<子ども用ハイランド衣装一式> 1868年頃 神戸ファッション美術館蔵

タータンの起源は、中央ヨーロッパに住んでいたとされるケルト人にまでさかのぼる。スコットランドの北西部・ハイランド地方に定住したケルト人は、タータンと呼ばれる織物を日常着として用いていた。そこからタータンは、英国の歴史の中で特異な運命をたどり、18世紀にはハイランドの男性に対して着用が禁止された。しかし、ハイランド文化復興の動きによって数十年後にその禁令が解かれると、スコットランドを象徴する文化として再び脚光を浴びるようになった。

また、タータンは身につけることにより、そのひとの出自や所属を示すようになった、世界でも珍しい織物だ。スコットランドの由緒ある氏族が身につけるクラン・タータン、王族のロイヤル・タータンなど、いくつかに分類されるそのデザインは、スコットランド・タータン登記所に現在8,000種類以上も登録されている。

ジョン・ケイ 《バグパイパー アーチボルド・マッカーサー》 1810年 京都ノートルダム女子大学 図書館情報センター蔵

ジョン・ケイ 《バグパイパー アーチボルド・マッカーサー》 1810年 京都ノートルダム女子大学 図書館情報センター蔵

本展では、これまで日本ではあまり目にすることがなかった様々なタータン生地約110点により、その多彩で洗練されたデザインを楽しめる。このほか、19世紀に活躍した諷刺画家ジョン・ケイの版画、現在活躍中のファッション・デザイナーによる服、日本とタータンの関わりを示す資料など約160点を通じて、その歴史や社会的、文化的背景を紹介し、様々な視点からタータンがもつ意味や魅力をさぐる。

高田喜佐  <シューズ> 1990-93年(制作年不明を除く) 神戸ファッション美術館(高田邦雄氏寄贈)蔵

高田喜佐  <シューズ> 1990-93年(制作年不明を除く) 神戸ファッション美術館(高田邦雄氏寄贈)蔵

ヴィヴィアン・ウエストウッド <タータン・スーツ> 1993年 神戸ファッション美術館蔵

ヴィヴィアン・ウエストウッド <タータン・スーツ> 1993年 神戸ファッション美術館蔵

毎日新聞社『サンデー毎日』昭和11年10月11日号 1936年 アドミュージアム東京蔵

毎日新聞社『サンデー毎日』昭和11年10月11日号 1936年 アドミュージアム東京蔵

イベント情報

タータン 伝統と革新のデザイン
会期:2019年4月13日(土)〜5月26日(日)
会場:岩手県立美術館
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