北翔海莉、峯岸みなみら出演「次の時代に向けて」 『ミュージカル ふたり阿国』製作会見
明治座『ミュージカル ふたり阿国』製作発表記者会見
元宝塚歌劇団星組トップスターの北翔海莉、AKB48の峯岸みなみらが出演する明治座『ミュージカル ふたり阿国』の製作発表記者会見が、2019年2月27日に都内にて行われた。会見には、北翔、峯岸のほか、玉城裕規、坂元健児、コング桑田、モト冬樹、細貝圭、雅原慶、伊藤裕一、市瀬秀和、中村誠治郎、演出の田尾下哲、脚本の中屋敷法仁が登壇し、意気込みを語った。
本作は、皆川博子作の「二人阿国」を原作に、戦乱の世に咲き誇る芸の花、抑圧された名も無き民衆の声をテーマにした新作オリジナルミュージカル。突如現れた、民衆を虜にする天賦の才を持った踊り子阿国(北翔)と、阿国に憧れながらも反発し、のちに二代目おくにを名乗るお丹(峯岸)を中心に、ふたりの“おくに”による女の戦い、成長を描く。なお、北翔にとって明治座初出演・初座長となる公演である。
北翔海莉
会見は、この日事前抽選で選ばれたオーディエンス約30名から募った質問に答える形で進行。台本を読んだ際の感想と自身の演じる役のポイントについて、阿国役の北翔は「とにかく立ち回りが多そうなので非常に楽しみです。阿国は、何事に対してもブレないんですね。そこは憧れであり、自分自身としてもしっかり演じられたらと思います」とコメント。一方で、台詞は少ないそうで「天からのメッセージを届けているような台詞が多いんです。少ない分、一言一言に重みがあり、責任が詰まっているなと感じています」と語った。
峯岸みなみ
峯岸は「台本をいただいた時、まず思ったのは大変そうだなと……(笑)」と素直な気持ちを吐露しつつ「何と言っても、お能に初めて挑戦するのは、新しいこととの遭遇だなと思いました。人のいいところ、悪いところ、どちらもある人生そのものを描いているので、演じるのが今から楽しみです」と期待を寄せた。お丹という役どころについては「私は人の顔色を伺ってしまうタイプなんですが、お丹は自分の気持ちに正直に進んでいくので、羨ましいなと思いました」と憧れを抱いているという。
玉城裕規
そして、芸事を好む美男の公家・猪熊少将教利役を演じる玉城は「ミュージカルに出演させていただくことがあまりなかったので、いただいた台本をどう具現化していくのか、今からとても楽しみです。猪熊少将という役は、美男でプレイボーイと言われている人なので……プレッシャーです! プレイボーイという部分は、キャスティングミスです」と言い切り、笑いを誘った。
坂元健児
コング桑田
坂元が演じるのは、天涯孤独の流浪芸人・とっぱ役。日本でミュージカル熱が高まってきていることに触れ、「ミュージカルというと、フランス革命ですとか、海外の出来事を描いた作品が人気ですが、これは和。日本人だからこそ共有できる作品何じゃないかなと思いました」と述べた。洛中一の遊女屋の主・三郎左役のコングは、自身の役を「ブラック企業の社長のような役です(笑)」と例えながら、「最近、能を大成した世阿弥さんの本を読んだら、『老後の初心忘るべからず』と書いてあったんです。私も初心を忘れず、取り組んでいきたいと思います」と意気込んだ。
モト冬樹
モトは、阿国に強い対抗心と嫉妬心を持つ笠屋犬太夫役。作品の魅力については「何と言っても、歌、殺陣だと思います」と語り、「……皆さん、がんばってください!」と共演者にエールを送った。果たして、そこにモトの参加はあるのか?!
細貝圭
細貝演じる二蔵は、グァンス(SUPERNOVA)の演じる一蔵と兄弟役。細貝は、劇中では「壮大なナンバーがそろった中で、兄弟である一蔵と、一風変わった曲を歌います。楽しみにしていてください」とアピールした。
雅原慶
お丹の良き理解者・こふめ役の雅原は「このミュージカルは、阿国に憧れるお丹の成長物語でもあるなと思いました。そういう視点で、出雲の阿国の物語を改めて楽しめるのではないかなと思います。私の役は、ある事件をきっかけに、お丹との関係がガラリと変わります。そこも楽しみにしていただければと思います」とコメント。
市瀬秀和
殺陣師としても活躍する市瀬は近江の大名・京極高次役。京極はキリシタン大名ということで「今回、十字を切る(そして胸の前で手を組む)役なんです。この“十字”、楽しみにしていてください」と、いつもとは違った役どころを楽しみにしている様子。
中村誠治郎
阿国の夫で「阿国一座」の座頭である三九郎役の中村は、「台本を読み、芸事に関する部分など感慨深いなと思うことがたくさんありました。また、役として北翔さん、モトさん、コングさんと絡むシーンがたくさんあるので……怖いんですけど、がんばります(笑)」と語った。
演出の田尾下哲、脚本の中屋敷法仁
演出の田尾下は、明治座ならではの大仕掛けと共に「人間の身体の美しさと力強さを描きたい」と演出構想を明かし、脚本の中屋敷は、タイトルは原作の「二人阿国」を『ふたり阿国』と表記を変えたことについて、「ひらがなにすることで、踊っている様子が表現できる。田尾下さんもおっしゃった、人間の力強さやしなやかさ、艶やかさ、美しさを、ひらがな三文字の曲線美に込めました」と意図を明かした。
会見の終盤では、玉城、坂元、細貝、中村の4人が作品をイメージしたこの日のためだけの立ち回りパフォーマンスを披露。さらに、本作のメインテーマ曲「いざや、かぶかん!」の歌唱が行われた。
最後に、北翔は「出演者43人、次の時代に向け、若さあふれるエネルギーを爆発させていけたらと思います。私たちの仕事は、皆様に生きる喜びを与える仕事でございます。そのために、私たち自身が生き生きとエネルギッシュに舞台に立ち、それをお伝えしていければと思っております。本日はありがとうございました」と挨拶し、会見を締めくくった。
明治座『ミュージカル ふたり阿国』は、3月29日(木)から4月15日(月)まで明治座にて上演される。
取材・文・撮影=R.M
公演情報
脚本:中屋敷 法仁
日程:2019年3月29日(金)~4月15日(月)
場所:明治座(東京都中央区日本橋浜町2-31-1)
出演者:
北翔海莉 峯岸みなみ(AKB48) 玉城裕規
グァンス(SUPER NOVA) 細貝圭 伊藤裕一 雅原慶 平田裕一郎
市瀬秀和 大沢健 中村誠治郎
桜一花 鳳翔大 高岡裕貴 関根慶祐(K-SUKE) 今川宇宙 カムイ
坂元健児 コング桑田 モト冬樹
【料金(税込)】
SS席(オリジナル特典付) 13,500円
S席 10,000円
A席 7,500円
B席 4,800円
C席 2,500円
※6歳以上有料/5歳以下のお子様のご入場はご遠慮ください
明治座センター(10:00~17:00) 03-3666-6666
明治座公式ホームページ https://www.meijiza.co.jp/lineup/2019/03/