こまつ座「戦後"命″の三部作」第二弾 栗山民也演出、松下洸平ら出演で『木の上の軍隊』を再々演

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2019.3.22

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井上ひさし没後10年目の2019年、「井上ひさしメモリアル10」として様々な舞台をラインアップするこまつ座が、2019年5月11日(土)~19日(日)新宿・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAにて『木の上の軍隊』を再々演する。

演劇界最高峰の実力派が集う本作は、沖縄で起こった真実の物語。山西惇松下洸平普天間かおりこまつ座版オリジナルキャストが再集結し、混沌とする現代に問いかける。数々の演劇賞を総なめにした本作は、こまつ座「戦後“命”の三部作」の第二弾。山田洋次監督が『父と暮せば』(作:井上ひさし、 演出:鵜山仁/初演1994年)、『木の上の軍隊』(原案:井上ひさし、 作:蓬莱竜太、 演出:栗山民也/初演2013年)、『母と暮せば』(作:畑澤聖悟、 演出:栗山民也/初演2018年)を「戦後“命”の三部作」と命名し、それぞれが、数多くの演劇賞に輝いた傑作だ。

山西惇

山西惇

松下洸平

松下洸平

普天間かおり

普天間かおり

また、本公演はこまつ座にとって記念碑的な作品でもある。井上ひさしは生前、ヒロシマ・オキナワ・ナガサキで突然に日常を奪われた人々の姿を書こうとしていた。この思いを引き継ぎ、2013年に蓬莱竜太が書き下ろしたのが本作だ。本作の開幕は、こまつ座井上ひさしの思い残しを後世に継ぐ試みとして、新たな一歩を踏み出した瞬間だった。そして2016年には、こまつ座オリジナルバージョンとして、琉歌など新演出を盛り込み、よりアクチュアルかつ胸に迫る作品へと進化を遂げた。 

2018年秋には、ナガサキを舞台とする『母と暮せば』を、作家・畑澤聖悟、演出家・栗山民也を迎え、二人芝居として上演した。この舞台成果により、読売演劇大賞 大賞・最優秀演出家賞が栗山民也に、読売演劇大賞 優秀男優賞・杉村春子賞および文化庁芸術祭演劇部門 新人賞(関東参加公演の部)が松下洸平に贈られた。 
『木の上の軍隊』は、いま最も演劇界で注目される栗山・松下の二人が、再び相まみえる作品として、改めて注目されている。

栗山民也

栗山民也


 
【ストーリー】 
ある南の島……。 その島では戦争が行われていた。 
激しい銃撃戦の末、 二人の兵士が追いつめられて、 ガジュマルの大木の上に身を隠す。 
その木は太い枝と覆い茂った葉で絶好の隠れ場所であった。 
本土出身、 生真面目で戦争経験が豊富な“上官”と、 
島出身、 おおらかな性格で初めて戦争を経験する“新兵”。 
彼らを静かに見つめるのはガジュマルに棲みつく精霊“語る女”。 
木の下に広がる仲間の死体……日に日に大きくなっていく敵軍の基地……。 
兵士達は、 終戦を知らぬまま二年もの間、 二人だけの“孤独な戦争”を続けた。 

 

公演情報

こまつ座第127回公演『木の上の軍隊』
 
日程:2019年 5月11日(土~19日(日)
場所:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
 
原案:井上ひさし
作:蓬莱竜太
演出:栗山民也

出演:
山西惇
松下洸平
普天間かおり
 
有働皆美(ヴィオラ)
 
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