流山児祥のシアターRAKUが寺山修司原作『女の平和~不思議な国のエロス~』を上演

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2019.4.14
シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

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シアターRAKUが『女の平和~不思議な国のエロス~』を5月に本多劇場で上演する。古代ギリシャの劇作家アリストパネスの喜劇『女の平和』を基に寺山修司が書いた戯曲『不思議な国のエロス』を原作に、流山児祥が上演台本・演出を手掛ける。

シアターRAKUは、旧名・楽塾(らくじゅく)。1997年、小劇場第二世代の流山児祥が、50歳を前にして同年代のフツーの人と芝居を作りたいと考え、「演劇で遊ぼう」の声に応えた5人のグループで同年4月より活動を開始した。1998年3月、旗揚げ公演『水色の雨』でデビューを果たし、シニア演劇のパイオニアとして「新しい演劇」の潮流を生み出してきた。2013年にはカナダ・ヴィクトリア国際演劇祭に参加し、ベストアンサンブル賞を受賞、近年は台湾の演劇フェスティバルに招聘を受けて上演する等、国際的にも高い評価を得ている。2018年に劇団名を現在のシアターRAKUに改めた。

今回上演する作品の元になっている『女の平和』は紀元前411年に古代ギリシャ・アテナイで上演されたアリストパネスの喜劇で、今なお世界中で上演されている「非戦の為のセックス・ストライキ」を描いた不朽の名作である。これを基に1965年、寺山修司が浅利慶太の依頼によって日生劇場のために書き下ろしたのが『不思議な国のエロス』だったが、当時同劇場で『オンディーヌ』のロングラン上演により未上演となってしまっていた。その戯曲を時代劇ミュージカルとして再構成し、全編を彩る数々の歌で反戦平和を希求するのが、今回の作品。2014年にも流山児★事務所+楽塾によって上演された。なお、この公演は5月に台湾からも招聘されて公演をおこなう。

シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

<流山児祥よりメッセージ>

シアターRAKU は、2016年台湾国立劇場で開催された「新視点演劇祭」に招待され『女の平和』を初演し台湾のシニア演劇運動に刺激を与えました。台湾国立劇場の企画でシニア劇団を作ろうとしていたグループとの交流会で RAKUのメンバーが語ったのは、単に演劇の事だけでなく、これまで経験してきた「人生そのもの」についてでした。家族のサポート、親や旦那の介護などの日常、大切なものとの離別などを乗り越えて来た道について。演劇の言葉というのは、そうした経験と融合して昇華するモノなのでしょう。そして人生にはモノガタリが必要なのです。この交流会で「演劇」が彼女たちの「人生の活力源」になっていることが再認識されました。これを機に旅公演を行う際には、地元の人たちとワークショップを行い、ジョイント公演を行うことを活動の目標の1つにしました。昨年5月の三重公演ではワークショップに参加した人たちが「町民劇団」を旗揚げしています。今年は下北沢本多劇場で上演し、その後台南の新營芸術祭に招聘され上演します。もちろん、新営の人々とワークショップを行い、ジョイントします。12年ぶりの小劇場演劇の聖地:本多劇場で、シアターRAKU の熱いエネルギーに満ちた音楽劇『女の平和~不思議な国のエロス』をご覧ください。待ってます。演劇界だけでなく、社会の、世界のびっくり箱のように驚きと喜びをもたらしたい!

シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

 

<あらすじ>
これは女同士の約束、何があっても破ってはだめよ。男ってどうして戦争が好きなんでしょう。夫を、息子を、父を、兄弟を、恋人を殺される女にとって、こんなに悲しくばかげたものはありません。長く続く戦争を女の力でやめさせることはできないものか。そう、“あれ”です。“あれ”を決してさせないのです。そうすれば男はきっと戦意喪失、戦争なんかやってられなくなるでしょう。これは女同士の約束、何があっても破ってはだめよ。さて、本当に平和はやってくるのでしょうか。

シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

シアターRAKU(楽塾改め)の台湾初演より

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公演情報

シアターRAKU 『女の平和~不思議な国のエロス~』
 

■原作:寺山修司~アリストパネス「女の平和」~
■出演:
いそちゆき、小野田大介、川本かず子、桐原三枝、佐野眞一、杉山智子、関口有子、高野あっこ、辻洋子、内藤美津枝、中尾レイ、永田たみ子、二階堂まり、西川みち子、原きよ、平山郁子、溝田勉、めぐろあや、村田泉、めぐろあや/ラビオリ土屋、後藤英樹、橋口佳奈、流山児祥
■上演台本・演出:流山児祥
■振付:北村真実(mami dance space)
■音楽監督:関口有子
■美術・舞台監督:小林岳郎
■照明:横原由祐
■音響:島猛
■衣裳:堀内真紀子

 
■公演日程:2019年5月2日(木)~5日(日)
※当日券は、開演の 1 時間前より発売。開場は、開演の 30 分前より。
■会場:本多劇場
■全席指定:一般 4,000 円 学生・U25 割引(25 歳以下)2,500 円 高校生以下 1,000 円
■問合せ:流山児★事務所(りゅうざんじじむしょ)
TEL03-5272-1785(平日 13:00~17:00)
■公式サイト:http://www.ryuzanji.com
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