カンヌ最高賞に輝いた『PARASITE』(英題)日本公開が決定 ポン・ジュノ監督×ソン・ガンホ4度目のタッグ作
ポン・ジュノ監督
現地時間5月14日から25日にかけてフランス・カンヌにて開催された第72回カンヌ国際映画祭にて、韓国映画『PARASITE』(英題)が最高賞のパルムドールを受賞した。同作が日本で公開されることが明らかになっている。
『PARASITE』は、『殺人の追憶』『母なる証明』『グエムル -漢江の怪物-』などで知られるポン・ジュノ監督の最新作にして、10年ぶりとなる韓国映画。主演を『タクシー運転手 約束は海を越えて』のソン・ガンホが務める。ガンホとポン・ジュノ監督は、本作で『スノーピアサー』『グエムル -漢江の怪物-』『殺人の追憶』に続いて4度目のタッグを組む。そのほか、共演に『最後まで行く』のイ・ソンギュン、『後宮の秘密』のチョ・ヨジョン、Netflix『オクジャ/okja』や『新感染 ファイナル・エクスプレス』のチェ・ウシクらが出演している。
『PARASITE』海外版予告
同作では、失業中のキテク(ソン・ガンホ)一家の長男が、ある裕福な家で家庭教師として働きはじめたことから始まる物語が描かれる。2つの家族の出会いは、やがて予期せぬ悲喜劇へと展開していく。
『PARASITE』(英題) (C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
『PARASITE』(英題) (C)2019 CJ ENM CORPORATION, BARUNSON E&A ALL RIGHTS RESERVED
5月21日(現地時間)に行われた公式上映では、上映中に何度も拍手や歓声が起こる盛り上がりぶりを見せた。会場には『オクジャ/okja』や『スノーピアサー』に出演しているティルダ・スウィントンが、娘で女優のオーナー・スウィントン・バーンとともに来場。上映後には、約10分間にも及ぶスタンディングオーベーションが起こり、ポン・ジュノ監督はじめキャスト陣も喜びを噛み締めていた。
その後、Screen International 誌が掲載する、各メディアの批評家による星取表では、4点満点中3.5点を記録。タランティーノ、アルモドバル、ジャームッシュ監督らの作品を抑えて首位をキープし続け、審査委員の満場一致による受賞を果たした。
審査員長を務めたアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥは、記者会見でポン・ジュノ監督の手腕を高く評価している。イニャリトゥ氏、ポン・ジュノ監督のコメントは以下のとおり。
アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ(審査員長)
この映画で、私たちは予想のつかない展開を体験しました。「PARASITE(英題)」は、ユーモラスで優しく、何かを決めつけることなく現実の問題に直結していました。ローカルな映画でありながら、非常に国際的であり、“映画とは何か”という本質の理解によって、素晴らしく効果的に生み出されていました。私たちは観た瞬間からこの映画に魅了され、観た後も自分たちの中でどんどんと育っていきました。これが、私たちが満場一致でこの映画を選んだ理由です。
ポン・ジュノ監督
ポン・ジュノ監督
まさかパルムドールをもらえるなんて思ってもみませんでした。本当に光栄です。私はフランス映画から多くの影響を受けて来ました。特に2人の監督、アンリー=ジョルジュ・クルゾーとクロード・シャブロルに感謝したいと思います。この作品はとても特別な冒険でした。全てのアーティストに感謝したいと思います。そして何よりもこの作品は素晴らしい俳優がいなかったら取れなかったと思います。彼らに感謝します。私は映画が本当に好きで、12歳の頃から映画狂の青年でした。そしてまさか監督になるなんて…!本当に何にせよ、今夜この手で、私にとって大きな賞を頂けるなんて思っていませんでした。本当にありがとうございました!
ポン・ジュノ監督作のカンヌ国際映画祭出品には、監督週間出『グエムル -漢江の怪物-』(06年)、ある視点部門では『TOKYO!〈シェイキング東京〉』(08年)と『母なる証明』(09年)、コンペティション部門ではNetfilx『オクジャ/okja』(17)があるが、受賞は今回の『PARASITE』(英題)が初めて。