今年で10回目の開催『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』ーーその魅力に迫るべくSPICEで徹底解説

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2019.8.6
『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』

『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』

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『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』を知っているだろうか。毎年秋に神戸・六甲山の山上付近で展開される現代アートの展覧会である。電車や駅でポスターや広告を目にしたことのある人も多いだろう。数々のフォトジェニックな作品が興味をそそる。作品は屋外メインに展示されるため、六甲山の優れた景観や自然環境、歴史や文化を楽しみながら、ピクニック気分で芸術散歩を楽しむことができる。この『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』は今年10年目。アートファンのみならず、幅広い客層にも秋の恒例イベントとして浸透しつつある。今年は浅野忠信、宇野亞喜良、榎忠、藤本由紀夫ら42組のアーティストの参加が決定している。昨年に引き続き、安藤忠雄の「風の教会」も会場に選出された。

“現代アート”と聞くと取っ付きにくい印象を受けるかもしれないが、自然の中に突如現れるアート作品は、非日常の世界に入り込んだようで、発見と刺激を与えてくれる。そして友達や家族、カップルで気楽に遊びに行けるのが本展の大きな魅力。毎年訪れるのが恒例になっている人も、10年間開催されているにもかかわらず、なんとなく行く機会を逃してしまっているという人も、是非記念すべき10回目の『六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019』に足を運んでもらいたい。

◇六甲山までのアクセス◇

六甲山へはJR六甲道駅・阪急六甲駅・阪神御影駅のいずれかから、市営バス16系統もしくは106系統で六甲ケーブル下駅に向かう。六甲ケーブル下駅からは、ケーブルカーに乗車する。

六甲ケーブル

六甲ケーブル

約10分ほどで山上に到着。山上駅のロータリーには、六甲山上バスと六甲摩耶スカイシャトルバスが停留している。会場を巡るのは六甲山上バス。期間中、展示会場を巡る特別ルートで臨時運行してくれる。

◇六甲山上バスで会場全体を回遊◇

全体マップ

全体マップ

移動手段は、前述したエリア内を運行するバス(六甲山上バス)、車、徒歩と3つあるが、六甲山上バスがオススメ。有料施設5箇所を含む展示会場をぐるりと回ることができる。

展示を全て見るには1日あれば十分。回遊型のイベントなので、基本的にはどこから鑑賞しても問題ない。お弁当を広げてピクニック気分で散策したり、各施設でのんびり過ごす場合は2日程度あればベストだ。もしも1日で回りきれなくても、鑑賞チケットは期間中であればいつでも使うことができるので、入場できなかった施設へは改めて別の日に訪れても良い(一度入場した有料施設は、その日中であれば再入場可能)。開催期間中は特別イベントやパフォーマンスも予定されているので、時間に余裕を持ってどこを回るか検討しよう。

回遊ルートはもちろん自分で決めても良いし、公式HPや鑑賞チケット付属のマップにも効率の良いルートが掲載される予定だ。

それでは六甲山上バスの回遊ルートに沿って、有料エリアの見どころを見ていこう。

◇オルゴールのコンサートも鑑賞可能(Aエリア)◇

「六甲オルゴールミュージアム」は、文字通りオルゴールの博物館。カフェやコンサートホールがあり、アンティーク・オルゴールを使ったコンサートやアンティーク・オルゴールの展示が行われている。また、オルゴール組立体験では自分だけのオルゴール作りに挑戦することもできる。

作品は中庭にある池や入口、外周、館内と、あらゆる場所を使って展示される。

デカップ・ダンス・オルガン”ケンペナー”

デカップ・ダンス・オルガン”ケンペナー”

◇六甲高山植物園で季節の花々とともに作品を鑑賞(Bエリア)◇

続いては「六甲高山植物園」エリア。海抜865mの六甲山頂付近は北海道南部に相当する冷涼な気候。それを利用して、六甲に自生する植物をはじめ、世界の高山植物や寒冷地植物、その他山野草など約1,500種もの植物を栽培している。

六甲高山植物園

六甲高山植物園

園内は植物の栽培環境ごとにエリア分けされており、四季折々の花々を鑑賞することができる。公式HPでは季節ごとに見頃の花をチェックできる「花ごよみ」も掲載されているので、目を通しておくとより楽しめるだろう。

作品の展示場所によっては、斜面を登ったり砂利道を歩くこともあるので、足元には気をつけてほしいポイント。歩きやすい靴を履いて行こう。

◇巨大作品が多い、六甲山カンツリーハウスエリア(Cエリア)◇

続いてCの「六甲山カンツリーハウス」エリア。カンツリーハウスに行くには2つの方法がある。1つは、六甲ガーデンテラスから出ている展望ペアリフト(片道150円)に乗る方法。もう1つは、カンツリーハウス中央入口まで山上バスに乗るか、車で移動する方法だが、オススメは断然前者。六甲の自然を感じながら心地良い風を受けて、空中散歩を楽しみたい。

展望ペアリフト

展望ペアリフト

六甲山カンツリーハウスには、BBQ場や人工芝スキー、魚釣り、パターゴルフなど地の利を活かした遊び場が数多くある。敷地が広大で見晴らしも良いため、毎年巨大な作品や、フォトジェニックな作品が並ぶのがこのエリア。

六甲山カンツリーハウス全体

六甲山カンツリーハウス全体

芝生の上で腰をおろして休憩をしつつ、次に見るエリアや時間配分も検討することができる。

是非、陽が高い時間に探索することをオススメする。

◇自然体感展望台 六甲枝垂れ、六甲ガーデンテラスエリア(Dエリア)◇

六甲山のシンボルとも言える六甲枝垂れは、建築家・三分一博志氏によって設計された総檜葺きの展望台。フレームや壁、床に奈良県・吉野の森で厳選されたヒノキを使用して作られており、内部に入ると包まれるようなヒノキの優しい香りと、「枝葉」と名付けられたフレーム越しに降り注ぐ太陽の光がやわらかく感じられる。中に作品が展示される場合もあれば、外観を使った展示の場合も。ここから一望できる景色はとても見応えがあるので、ぜひ訪れてほしい。夜にはLED照明によるライトアップも行われるが、17時点灯なので時間の確認も忘れずに。

自然体験展望台 六甲枝垂れ

自然体験展望台 六甲枝垂れ

また、六甲枝垂れの近くには六甲ガーデンテラスがある。ヨーロッパの古い建物を意識して作られた敷地内にはレストラン、カフェ、ショップがあり、食事やショッピングを楽しめる。

六甲ガーデンテラス

六甲ガーデンテラス

六甲枝垂れ・ガーデンテラスから徒歩5分ほどで、六甲有馬ロープウェーに着く。六甲有馬ロープウェーとは、有馬温泉駅と六甲山頂駅を約12分で結ぶロープウェー。駅内に作品が展示されている場合もあれば、六甲ガーデンテラスからロープウェー駅に行くまでの道中に作品が展示されていることもあるので、見逃さないようにしたい。

◇安藤忠雄設計・風の教会が展示会場に(Eエリア)◇

六甲ミーツ・アートは毎年展示エリアが変わるのも楽しみの1つ。すでに廃館になっていて普段は入れない場所で展示が行われることもある。今年は「風の教会」が会場に選ばれている。風の教会は日本を代表する建築家・安藤忠雄が設計を手掛けたもの。大阪府の「光の教会」、北海道の「水の教会」とあわせて「教会三部作」と呼ばれている。2015年、2018年に続き、3度目の開放となる。

風の教会

風の教会

風の教会での展示の様子(2018年)

風の教会での展示の様子(2018年)

1986年に六甲オリエンタルホテルの庭園内に結婚式場施設として建てられ、以前は自由に見学することができたが、2007年にホテルが廃業してからは閉鎖されていた。2018年からは宴会場や貸しホールとしての利用も可能だが、アーティストの作品とともに空間を堪能できるこの機会に、ぜひ足を運んでみたい。

◇招待アーティスト、公募アーティスト含め、42組が参加予定◇

記念すべき10回目の今年はどんなアーティストが参加するのだろうか。毎年招待アーティストと公募アーティスト合わせて40組前後の作家が参加する本展。10回目記念展には招待アーティストとして、浅野忠信、宇野亞喜良、榎忠、藤本由紀夫ら27組が決定している。

招待アーティストとは、主催者・キュレーターが本展に相応しく欠かせないとしてあらかじめ選定したアーティスト。公募アーティストは、広く一般に作品プランを募集し、応募者の中から審査員による選考を経て採用される。選考の結果、今年は15組のアーティストの出展が決定した。招待アーティストと合わせた総勢42組は、10年で最多の出展数だ。

さらに今年は関西の人気ラジオ局FM802とACN(ASIAN CREATIVE NETWORK)が共同で主催するアートイベント『UNKNOWN ASIA 2019』とのタイアップが決定。『UNKNOWN ASIA』のキュレーションアーティストとして、岩城典子、大東真也、秦まりのが招待されている。

そのほか、来年度の『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』『UNKNOWN ASIA』、双方のゲストアーティストが選出されるなど、相互に若手クリエイターをサポートする企画も誕生している。現代アートの重鎮と若手アーティストの作品が世代を超えて鑑賞できる、またとないチャンスだ。

◇10月下旬からはナイトミュージアムも開催◇

10月18日からは六甲オルゴールミュージアムと六甲高山植物園において、夕刻から期間限定で「ザ・ナイトミュージアム〜夜の芸術散歩〜」として、夜間開園が行われる。紅葉のライトアップ他、夜間限定のアート作品も見ることができる。美しく夜に映える紅葉とともに、昼と夜で表情を変える芸術作品を楽しんでみたい。

六甲ガーデンテラスの見晴らしのテラスやデッキからは、明石海峡から大阪平野、関西国際空港まで広がる大パノラマの景色を、夜には1,000万ドルの夜景を眺望することができる。

ザ・ナイトミュージアムイメージ

ザ・ナイトミュージアムイメージ

六甲オルゴールミュージアム、六甲高山植物園ともに、通常の営業時間は17時までだが、「ザ・ナイトミュージアム」期間中は延長される(平日・土日祝で時間変動あり)。

◇前売チケット好評発売中◇

会場となる有料施設に入るには入場料が必要だが、各施設のチケットを個別に買うと大人3,070円、小人1,830円。そこにケーブルや山上バスの乗車代をあわせると、大人だと4,000円以上が必要になってくる。

そこでお得なのが、9月12日まで販売される前売券(大人3,250円/小人1,580円)。「六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019」の有料5会場に入場できる鑑賞チケットと、六甲ケーブル往復&六甲山上バス2日間乗り放題(大人1,350円/小人680円)がセットになったもの。当日券は大人2,200円、小人1,100円で、窓口では鑑賞チケットのみの販売となる。なお、六甲ケーブル下駅では会期中にも乗車券(表六甲周遊乗車券 大人1,350円、小人680円)のみも販売している。

鑑賞チケットと一緒に渡されるエリアマップにはスタンプラリーが付いているので、ぜひラリーも楽しみながら回ってほしい。また、アーティストグッズやオフィシャルグッズは、六甲ガーデンテラス内のショップ「リトルホルティ」で販売されている。

過去のオフィシャルグッズ

過去のオフィシャルグッズ

過去のオフィシャルグッズ

過去のオフィシャルグッズ

◇防寒対策も忘れずに◇

注意してほしいのが服装だ。地上と六甲山頂では気温の体感差が5℃近くあり風も強いため、しっかりとした防寒が必要。9月のまだ暖かい日でも、半袖は言語道断。10月に入ると夕方以降は冷え込みが厳しくなる。会期後半の11月は真冬なみの防寒対策が必須とのこと。もちろん足元は歩きやすいスニーカーで臨もう。

いかがだったろうか。やはり丸1日時間をとって、ゆっくりと味わうつもりで参加することをオススメする。展示される作品は作風や切り口も様々で、フォトジェニックなものや体験型の作品もある。難しく考えることなく、カップルや友人同士で思い出を共有したり、ファミリーであれば少し遠出をしてピクニックをする、といったようにどの世代にも楽しんでもらえるのがこの『六甲ミーツ・アート 芸術散歩』。刻々と変わる自然の中で、アートと出会う発見や驚きとともに六甲山を散策し、非日常な芸術の秋をじっくり堪能してほしい。

取材・文=ERI KUBOTA   

イベント情報

六甲ミーツ・アート 芸術散歩2019
【 会 期 】 2019年9月13日(金)~11月24日(日) ※会期中無休
【開催時間】 10時~17時 ※会場により営業時間が異なります。17時以降も鑑賞できる作品があります。
【 会 場 】
六甲ガーデンテラス、自然体感展望台 六甲枝垂れ、六甲山カンツリーハウス、六甲高山植物園、
六甲オルゴールミュージアム、六甲ケーブル、天覧台、六甲有馬ロープウェー(六甲山頂駅)
風の教会(グランドホテル 六甲スカイヴィラ会場含む) 、記念碑台(六甲山ビジターセンター)
[プラス会場]TENRAN CAFE
※プラス会場「TENRAN CAFE」の展示作品の見学は、カフェのご飲食利用が必要です。
※2019年7月23日(水)現在の情報です。
変更が生じた場合は web サイト(http://www.rokkosan.com/art2019/)で随時お知らせします。
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