【WWE Live Tokyo 開催直前!見どころ特集コラム Vol.3】新生ロウ・ブランドの主役AJスタイルズが1年ぶり4度目の日本凱旋 ザ・クラブの復活とユニバーサル王者セス・ロリンズとの結託!?
WWE日本公演『WWE Live Tokyo』は6月28日(金)開幕
昨年の日本公演でWWE王者として“日本凱旋”を果たしたAJスタイルズが、ちょうど1年ぶりに日本に帰ってくる。世界最大のスポーツエンターテインメント団体WWEが6月28日(金)&29日(土)、東京・両国国技館にて開催する『WWE Live Tokyo』に、AJも名を連ねているのである。
2003年の初来日以来、慣れ親しんできた日本マットではあるが、こんどの日本公演はWWEスーパースターとしては4度目の来日。前回はWWE王者、団体の頂点に君臨するという過去最高のポジションでリングに上がり、初日はサモア・ジョー、2日目にはジョー、ダニエル・ブライアンとのトリプルスレットマッチを勝ち抜き見事WWE王座を防衛してみせた。
日本公演終了後、アメリカに戻ってからもWWE王座をめぐるジョーとの闘いは継続された。7・15『エクストリーム・ルールズ』でルセフ相手に防衛を果たすと、8・19『サマースラム』、9・16『ヘル・イン・ア・セル』、10・6オーストラリアでの『スーパーショーダウン』でジョーに連続防衛。10・30アトランタでブライアンを退けた直後に再びジョーに襲撃されたのだが、11・2サウジアラビアでの『クラウンジュエル』で返り討ちにしてみせた。が、王者としての年越しが見え始めた頃、11・13セントルイスでの『スマックダウン』でブライアンに敗れ王座から陥落してしまう。この試合をきっかけにブライアンは“イエス旋風”を封印、ヒールの“ニュー(新生)”・ダニエル・ブライアンとして生まれ変わったのだった。
無冠になったAJだが、ブランドトップとしての意地が彼の目を再びベルトに向けさせた。12・16『TLC』におけるブライアンとの再戦に敗れるも、12・29ピッツバーグでの挑戦者決定5WAYマッチに勝利し、リベンジへのチャンスを得る。舞台は19年1・27『ロイヤルランブル』。しかしここで返り討ちに遭い、2・17『イリミネーション・チェンバー』でもベルトは奪えなかった。が、振り返ってみれば昨年後半の抗争相手はジョー、ブライアンと日本公演で闘ったメンバーである。しかもこの2人とは若手時代からアメリカのインディーシーンで切磋琢磨し、日本のプロレスも積極的に研究、吸収しあってきた間柄だ。そう考えると、昨年の日本公演はその後へ向けての予告編でもあったわけだ。
その後、ブライアンとの一連の闘いに終止符を打ったAJは、あえて方向転換をはかってみせた。4・7『レッスルマニア35』でWWEを代表するスーパースター、ランディ・オートンとの一騎打ちに臨んだのだ。祭典でのAJは、フェノメナル・フォアアームからオートンに勝利を飾った。そして翌週におこなわれたブランド再編成『スーパースターシェイクアップ』では、スマックダウンからロウへの移籍が決定。スマックダウンの主役がロウでなにを見せるのか。その狙いは、ロウのトップを意味するユニバーサル王座にあった。
難攻不落のブロック・レスナーから王座を引っぺがしたセス・ロリンズが、AJのターゲットになったのだ。まずは4・22デモインでジョー、レイ・ミステリオとのトリプルスレットマッチを制し、同日おこなわれる挑戦者決定戦へのを手に入れる。そしてメインでおこなわれたバロン・コービンとの一騎打ちも突破し、5・19『マネー・イン・ザ・バンク』でのタイトル戦に進出。このカードは、両者にとって意外にも初めてのシングルマッチにもなっていた。遺恨なき闘いは、カードが決定した時点から両者が握手。タイトルマッチ本番においても真っ向勝負が展開され、お互いが持てる力のすべてをぶつけ合った。技の豊富なロリンズに対抗し、AJもトーチャーラックボム、カーフクラッシャー、ペレ・キック、スタイルズ・クラッシュ、フェノメナル・フォアアームなどで応戦。最後は王者に屈したものの、敗れたAJの方から歩み寄りクリーンに握手をかわしている。この闘いは握手に始まり握手に終わったのだ。と同時に、2人の王座争いはまだまだつづくのではないか。そう期待させるに十分な、内容の濃い一騎打ちだった。アフター・レッスルマニア35、新生ロウの主役はロリンズとAJで間違いない。それをまざまざと見せつけたタイトルマッチだったのだ。
そして迎えるこんどの日本公演、AJはドリュー・マッキンタイア&バロン・コービン&ボビー・ラシュリーという大型トリオとの対戦がアナウンスされている(5月23日発表)。AJのパートナーは初日(6・28)が、トリプリH&ルーク・ギャローズ&カール・アンダーソンで、2日目(6・29)がセス・ロリンズ&ブラウン・ストローマン。初日は新日本のバレットクラブを前身とするザ・クラブの復活にトリプリHが加わるという夢のチーム結成となる。ユニバーサル王座を争ったロリンズと2日目に結託するのも興味深い。ここにスーパーヘビー級のストローマンが入るのだが、いったいどういうことになるのだろうか。よって、AJのカードは両日とも実に魅力的。今年のWWE日本公演も、見逃せない!
(新井宏)
WWE日本公演『WWE Live Tokyo』は6月28日(金)開幕