GOOD ON THE REEL『RUSH BALL 2019』クイックレポート ーー５人の熱が伝播して音楽の中へ強力に引き込む

『RUSH BALL 2019』【ATMC】GOOD ON THE REEL

「もっともっと素晴らしき『RUSH BALL』を始めよう！」（千野.Vo）と選ばれた1曲目は、もちろん人気ナンバー「素晴らしき今日の始まり」。心象風景を描く言葉が、徐々に大きなテーマへと移り変わって強いパンチライン。それを伝えるのは、千野の震えるようにも響く味ある歌声だ。拳を前に突き出して「愛してる」の熱唱に呼応して観客も彼に手を伸ばす。

そして「サーチライト」でさらに聴く者に問いかけ、またもやリリックどおり光を求めるかのごとく多くの手があがる。今度はクラップも伴ってメンバーもファンも笑顔に！　しかしMCは、千野が伊丸岡（G）の派手なギターをネタにしてくだけた空気にし、心の距離感をグッと縮めると、次はリードするベースにゆったりとギターを重ねて「灯火」へ。熱を帯びたボーカルに再び観客は心と耳を奪われ、後方の人までも噛みしめるように曲に入り込む。

そんな様子に千野も「お付き合いをありがとうございます！」と嬉しそう。そして「誰にも悩みがつきもので……。（中略）でもそういうことも考え方一つで変わるんだよね。だからもっと簡単でいいんだよ。頭、空っぽにして楽しもう！」と、ポップな「シャワー」！　千野、伊丸岡、岡崎（G）のハーモニーで突き抜け、サビはハンズアップから詞に合わせて全員でぐるりと腕を一周。曲の持つ前向きさが、千野が語ったようにシンプルに音楽に向き合わせる。「すげー、いい笑顔（笑）！」と曲中に思わず千野が言ってしまうほどに会場にはグッドムードが流れ、野外のマッチする熱量もポジティブさもあるライブはきらめきを残すようにして終了した。

取材・文＝服田昌子　撮影＝河上良

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