ビッケブランカから届いた、弱さも痛みも音楽にした痛快にして最強のエール――3rdアルバム『Devil』を語る
ビッケブランカ 撮影=渡邉一生
ビッケブランカにとって、ジャンルレス、ボーダレスなのはもはやデフォルト設定。昨年、その名を知らしめたSpotifyのTVCMソング「Ca Va?」は、まるで彼の特異な存在そのもののようにストレンジかつポップにシーンへ浸透。なのに、だ。1年4ヵ月ぶりのリリースとなったオリジナル3rdアルバム『Devil』は、TVアニメ『フルーツバスケット』や『ブラッククローバー』との蜜月のタイアップもリスペクトと愛情たっぷりにこなしつつ、世界照準のEDMから一発録りのピアノ弾き語りまで、さらなるインパクトとクオリティで迫りくるチャレンジングでフルレンジな楽曲の連続! だが、その渦中にいるのは無敵のビッケブランカではなく、弱さも痛みもフェティシズムも(笑)、音楽と言葉の奥にある本性をさらけ出した1人の男の姿だ。今が最低だって、最高を目指せる。夢を見る者たちへ、あきらめぬ者たちへ、ビッケブランカから届いた痛快にして最強のエール、『Devil』を語る。
ビッケブランカ
●「こいつ、なかなか面白いことやるじゃん」というふうに扱われ始めた1年●
――シングル『Ca Va?』のインタビュー時から「ちょっとモードを変えていこうかな」みたいなことをさらっと言ってたけど、ビッケにとって2019年はどういう1年でしたか?
自分の肌感としてはちょっとずつ「若造がわめいてる」という域を出て(笑)。「こいつ、なかなか面白いことやるじゃん」というふうに扱われ始めた1年だったんじゃないかなと思って。
――今回の3rdアルバム『Devil』を聴いてると、1stの『FEARLESS』、2ndの『wizard』とはちょっと印象が違って。メジャーデビュー以降、自分で自分にアクセルを入れて「無敵のビッケブランカが行くぞ!」と焚きつけていたモードとはまた別な感じが。
前作の『wizard』以降、タイアップの話をたくさんもらって、この1年やってきたことが『Devil』で1つの集大成になるということで、今回は既出の曲が多かったんですよ。ただ、シングルベストみたいな感じになっちゃったらアルバムの意味がないから、純粋に書き下ろす曲をどれだけ強くできるのか、何の武器を持たせるのかという点で、作り方は今までと全然違いましたね。
――そういうふうにアルバムのために書き下ろした曲が痛みを伴うというか……近年は山池純矢(=ビッケブランカの本名)的要素がほぼなくなってたのが、ここにきてまたちょっと顔を出してきた気がしたけど。
ね!(笑) そうなんですよ。
――ちゃんとビッケの素が見えるというか。
今、「アクセル」と言ってくれたのがめちゃめちゃ分かりやすくて、「それか!」と自分でも思ったんですけど、『wizard』のときは「よし、アルバムを作るぞ!」という感じがあったのが、今回は非常にない! 荒削りともまた違うんですけど、本当にありのままというか素直に、アクセルを吹かすこともなく、平常運転だからこそ気張らずに、余計な鎧を被らず出てきたやわらかいところ……。それは悲しみが多くてもいいし、人間味に溢れててもいいし、今回はそれをそのままで書いてみようかなと。
――今までは常にブーストしていたのを、1回そのままで出してみると。
そう! 今回のアルバムはブースト感がほとんどない。すごく自然体に近くて、本来の姿になっていってる感じはあります。ライブを重ねたり、いろんな場面でいろんな人とこうやって話してきた中で、今までは感覚でやってきたことが、「自分は今こういうつもりで臨んでるんだな」と気付けるようになって。例えば、ライブ前に何で緊張しないかというと、「どうせ自分でしかないんだから」という開き直りがあるからで。練習で100点しか出せないなら、ライブで120点出さなくていい。その100点の質がだんだん上がっていけばいいんだから。自分の書く曲も、どれだけアクセルを踏もうと、しょせんは自分の経験とか能力の範疇を出ないと完全に自覚した感じ。だからこそ、自分のナチュラルな状態のレベルを上げていかなきゃいけない。そういう感覚になると、自然と気張らなくなるんですよね。
――盛った状態で強いんじゃなくて、素の状態でそうじゃなきゃいけないもんね。
そうそう。そうじゃないと、「どこに行ってもOK!」というふうにはもうなれない自分がいて。「たまたまこの日はアクセルを吹かせられたからいい感じだったけど、今日はアクセルがうまく踏めなくて……」だと不安定だから、常に100点を出せるようになる為のメンタリズムが、いよいよ曲作りにも影響し始めた感じですね。
●ビッケブランカ=「Ca Va?」みたいなところに甘んじるのはイヤだった●
ビッケブランカ
――アルバムの構成的には、1曲目にテーマ曲のような壮大な表題曲が入って、最後に天災が起こるという流れは一貫していて。頭の「Devil」からユーモアがありつつだけど、その後の「Shekebon!」と「Ca Va?」の流れはヤバいでしょ(笑)。
ハハハ!(笑)
――「Shekebon!」は明らかに「Ca Va?」のカウンターソングだけど、この序盤の並びはヤラれたな~。
やっぱり自分でも「Ca Va?」で認知してもらえた気持ちがありつつ、ビッケブランカ=「Ca Va?」みたいなところに甘んじるのはイヤだったし、そういうアルバムだと思われるのもしゃくだから、「Ca Va?」に対抗する曲を書いてやろうというのが「Shekebon!」の存在意義だったので、「Ca Va?」の前にちゃんとそれを配置して。
――ビッケブランカがビッケブランカをからかってる感じはめちゃくちゃ面白いなと。「Ca Va?」は日本の音楽シーンにおいてもかなり異質かつポップな楽曲でビッケの存在を知らしめたけど、普通はあのぶっ飛び具合が天井だと思うもんね(笑)。
そうそう(笑)。でも、そうなったらイヤだなと思ったんですよ。
――まさかあれ以上に遊んでる曲が来るなんて思わないから。でも、アイデア的にはカウンターを書くとなったらスムーズにいきそうな……。
と思うじゃないですか? いやもう、むっちゃ大変だった! やっぱりね、「Ca Va?」がすげぇ邪魔!!(笑)
――確かにあのパンチを超えられないなら、逆にアルバムに入れられない。
そうなんですよ。だから最低限、「Ca Va?」派、「Shekebon!」派ぐらいまでいくクオリティの曲にならなきゃいけないというので結構練りに練って、録り直しやミックスのやり直しまであったんで、一番手こずったのはこいつですよ!
――やっぱり遊ぶ曲ほどクオリティが求められるというかね。
まさに。ただ無茶苦茶にやればいいわけじゃなくて、遊ぶ中にもちゃんと秩序を設けたいし、それは「Ca Va?」に関してもあるものなので。そういうバランスはなかなか大変だったんですけど一応、恥ずかしくないレベルには持っていけたかなと思います。
●発音、文法、音作り……全てが世界照準で、日本はもう全く度外視(笑)●
ビッケブランカ
――あと近年、ビッケはEDMにも意識的に挑戦してるけど、本当にクオリティが上がってきていて、「Save This Love」なんかはマジで……この言い方が合ってるのかは分からないけど、何かが間違ったら世界的に売れるんじゃねぇかみたいな(笑)。
ハハハ!(笑) そこはすごく意識してるところです。海外をマジで目指して、「Save This Love」と「Heal Me」に関してはガチで英語の発音、文法、音作り……全てを世界照準で制作しました。日本はもう全く度外視(笑)。やっぱりトラックメイキング、歌の加工から、日本のいわゆるポップスの概念とは全く違う手法なんで、それを研究して、世界のカルヴィン・ハリス、リハブ、ティエスト……みんなが使ってるDAW(=Digital Audio Workstation)楽曲制作用のソフトウェアを見つけて、じゃあ俺もこれを使って、最低限の能力さえあれば、あの音が作れるんだなと。
――まずは機材的なところで見劣りしないように、スタートラインに立って。
それをどう配置して、どう使っていくか。言語も関係なく、音楽的な感覚だけなら負けるつもりはないと思っていたので、「やれんだろ自分!」と。
――お客さんはポカーンなところもあるかもしれないけど(笑)、このラインが太くなっていったら、一気に違う層のお客さんが流れ込む可能性もあるからね。
それを見越して動いてます。今って音楽を聴く場所もいろいろあって、フェスの在り方だってロックもあればEDMもあり、それが混在してるフェスもあったりしますけど、例えば「Save This Love」を外国人が聴いて、「めっちゃいいじゃんこいつ! 聴いてみよう」とSpotifyでビッケブランカに飛んで「かたうた」が流れたら、「あれ? 何か違ったな」と離れちゃう可能性だってあるじゃないですか。なので、いずれはEDMをメインとした楽曲を制作して、そのシーンにチャレンジしてみたい気持ちもありますね。
――個人的にもEDMに関しては新しくチャレンジしていくと良いと思ってたから、世界戦略的なところを目指す上でもワクワクする展開だね。
だからこっちはマジで、ティエスト、マシュメロ、デヴィッド・ゲッタ、ディミトリ・ヴェガス~たちのプレイリストに並んでも遜色ない曲だけをやっていきます。
●ありのままじゃないとダメだなと思って●
ビッケブランカ
――さっき話題に出た「かたうた」はインディーズ時代から歌っている曲だけど、なぜこのタイミングで収録を?
音源化するとしたらもう今回しかないだろうなと。『wizard』はアクセルを踏んで世界観をガチガチに作り込んだので入る余地がなかったし、この次のアルバムではポップスばかりを集めた、そっち方面での名盤を作りたいなという構想が何となくあって。そうなってくると、音源化するとしたら「本性をさらけ出す」というテーマの今回だろうと。ライブでもアンコールでさらっと「かたうた」をやったら、本編でめっちゃ一生懸命歌ってたのに、「「かたうた」が一番よかった」みたいに言われたりするんですよ(笑)。この曲は一発録りなんですけど、「ちゃんと本気で作った曲が並んでる中で、それでもいいと言われるのか?」という自分の曲への問いかけでもありますね。
――例えばこの曲って、最後の「Avalanche」が終わった後に1分ぐらい空白があって始まる、シークレットトラックとかでも面白いというか……。
俺も最初はまさにそうしようと思って。ただ、CDで聴くならいいけど、例えばSpotifyだったら、システム的に「Avalanche」が流れてその後5分ぐらい空白が空いちゃうと、ちょっと聴きづらい=「Avalanche」も聴きづらくなっちゃうので。時代ですね。
――それこそビッケはサブスクとの親和性も高いし、なおさらね。ただ、心情を結構吐露していて恥ずかしいから英詞で、歌詞カードにも載せないとかはたまに聞くけど、「かたうた」は日本語詞なのにしれっと載らない。しかも放送禁止用語でもボーナストラックでもないのに(笑)。
正式な収録曲なのに歌詞を載せないっていう(笑)。
――「かたうた」はいわゆるフェチの曲ですけど、「肩が好き」ってなかなか聞かないよね。
何なんでしょうね? 多分ね、俺が思うに、母親が肩幅が広かったんですよ。結局、男って母親に似た人を好きになるって言うじゃないですか。その面影を求めてるのかなとか、いろいろ考えますね。タイトルも「うたかた」に変えようかなと思ったこともあったんですけど、オシャレにすればするほど中途半端というか、ありのままじゃないとダメだなと思って。バンドアレンジも合わなくて、一発録りでポンッと歌って、歌詞も載せない、タイトルも初めて付けた「かたうた」から変えない。オシャレにしないことで存在意義がある曲という。
●自分の中から確固たるものが1つなくなったことで、タガが外れちゃってる●
ビッケブランカ
――今作のリリースに先駆け「白熊」、「Black Catcher」、「Shekebon!」と配信されましたけど、「白熊」の絵本みたいな世界観はどこからきたのかなと。
これはかつて当たり前に思ってたことではあったんですよ。過去に「Echo」で、<君がどんなに辛くても ぜんぶ引き受けよう ゴミ箱に捨てるように話して>と書きましたけど、もっともっと童心に帰って、例えば小学生の頃、俺の大好きなよしみちゃんを(笑)、かずとがいじめて泣かせて「イェ〜イ!」と逃げて行って。そのときに「よしみん、俺がいるから大丈夫だよ」と言うのってマジでダセェなと思って。俺だったら「よしみん、誰にやられたん?」と聞いて、かずとを追いかけて「オメェ!」と言うはずなんですよ。それが好きな人を守るときに最初に取る行動だと俺は思ってるんですよね。でも、大人になっていろんなことを考えるようになったがために、選択肢が甘くなってる感じがして。本来、好きな人を守るって、その人を傷つけるものをぶっ飛ばすことだろう、みたいな。それぐらい純粋なところに立ち返って書いた感覚はありました。
――この曲しかり、当時、赤裸々な胸の内を綴った「TARA」の再録しかり、ビッケが制作時期にピュアネスを求めていたのを感じるね。元来ビッケが持っていた喪失感を彷彿とさせる。それってかつてのビッケのガソリンだったし。
正直……母親が死んでから結構ヤケになってるところはありますね、いまだに。何て言ったらいいんだろうなこの感覚。別にそれを普段から意識してるわけじゃないんですよ。だけど、自分の中から確固たるものが1つなくなったことで、タガが外れちゃってるというか。「しょせん」、「どうせ」みたいな感覚はずっとあるかもしれない。
――良くも悪くもだね。それによってふっ切れることもあるだろうし。
そうそう。「どうせ母親はいないし!」みたいな、そういう感覚にすぐつながっちゃうけど。一番近くにいた喜ばせたい対象はもういないし、こうなったら本気でやることをやって、その結果「いいことが起きろ!」と願う。それが一番シンプルだよな、みたいな感じになってきました。
――そういう意味では、今までは自力でブーストしてたのが、また何か違う力で背中を押される感覚だよね。
いやもう、まさにそんな感じですね。諸行無常感というか。だから『Devil』では手動でアクセルを踏むというよりも、本質的に爆発できたのかもしれない。
●今年が終わるときに自分がどうなってるか、自分でも楽しみなんですよね●
ビッケブランカ
――ビッケの一連のアルバムの最後は、めちゃくちゃ壮大な曲で幕を閉じるのが鉄板だけど、「Avalanche」はただただエネルギーに満ち溢れて、とは違うよね。ドン底からもう1回這い上がる、痛みをちゃんと知っている人の強さを感じます。
俺の中では三部作扱いで、1stアルバムの最後は「THUNDERBOLT」=雷、2ndの最後は「Great Squall」=嵐ときて、最後は何にしようかなってずーっと考えてたんですけど、「まっしろ」も「Winter Beat」も「白熊」もあるし、何だかんだでビッケブランカは冬の男だなと。そこから冬の雪の最強形態というところで、「Avalanche」=雪崩を選んで。この曲の1番の特徴が「自分は最低の人間だ」と言ってるところなんですけど、これは僕が23〜24歳の頃、大学を辞めて事務所にも所属してない2年間があったんです。そのときにたくさん曲を書いたし、携帯を解約してピアノを練習して、音楽的にも伸びたと今振り返っても思うんですけど、ずーっと血ヘドを吐くぐらい頑張ってたかというと、週に1回徹夜で麻雀してたし、色恋沙汰もあるわけですよ。一生懸命やらなきゃいけない時期にそれができてない自分に、すごく自己嫌悪に陥ったんですよね。例えば、大学の後輩に会って「純矢さん、最近は何をしてるんですか?」って聞かれたら、「この前、レコード会社の人と会ってさ」みたいなことを調子よく言ってる自分に、ものすごく嫌悪感があった。
――若かりし頃の夢を追うビッケブランカ。だからこそ葛藤もあり。
その2年を経て出会いがあって、ようやく音楽業界に入っていけて、まだ先は長いにしろ最低限このレベルまでは来れた。例えば、自分には夢があるけど、周りからは就職しろと言われるし、一生懸命やりつつも時々ふと自信がなくなって、自堕落な自分を嫌悪してる人って意外と多い気がするんです。「THUNDERBOLT」も「Great Squall」もそうですけど、「俺と同じ人って意外と多いんじゃないか?」という感覚が、アルバムを形成する枠の1つなんですよね。「THUNDERBOLT」で初めて「we」を主語に使ったのもそうだし……そういう人たちに、「最低限そのまま突き進めば、俺ぐらいには誰でもなれるから頑張れよ!」というメッセージを込めた感じですね。
――自分が思ってること=みんなが思ってることだと気付いたのは、ビッケの創作における大きな転機だったもんね。自分にも最低な時期は確かにあったけど、それをさらけ出すことでそんなヤツでもここまでは来れる、だからお前もやれるというエールを送ってくれる。
ここからは俺もどうなるか分からないけど、後押しになればいいなと思って、<夢を見る者たち 全てを飲み込んで>とか、<あきらめぬ者たち 全てに幸あれ>という言葉が歌詞になってるんで。<最善の手本として>とかもそうですけど。
――アルバムタイトルに関しては、そういう最低な自分みたいなところからも『Devil』?
それも関わってくるんですけど、アルバム全体を通して自分が感じるところで、赤裸々な本性という意味の『Devil』でもあるだろうし、慰めるじゃなくて懲らしめるという攻撃的な意味での『Devil』でもあるだろうし、相応しいタイトルだなと思って。
――『wizard』とか『Devil』とか、ビッケのアルバムタイトルは分かりやすいよね。
『何とか of 何とか何とか』、みたいなのはイヤなんですよ(笑)。「バーン!」と言い切る感じがいいんです。
――東名阪のホール公演を含む、過去最大規模のリリースツアーに向けては何かありますか?
ホールということは椅子があり、もみくちゃになってみんなで「ウェ〜イ!」というフロアならではの高揚感とは違って、常に冷静な感じもする。そんな中で何ができるかは全く想像できないので、逆にもうどうにでもなれという感じなんですけど(笑)。「とりあえず思い付くことは全部やるわ!」みたいな感じですね。
――最後に2020年、ビッケブランカはどうしていきたいかを聞きたいなと思います。
ビッケブランカのポップス性とEDMプロジェクトという二足のわらじの活動へ徐々にフォーカスしてる感覚があって、ちょっと作戦めいてきてるというか、日本での活動、EDMでは世界に特化しなきゃとか、何となく自分の中で選択し始めてるので、どんどん狙いを定めていく1年になる気がしますね。ただ、目標を定めるということは、失敗とか修正も出てくるわけで。それをちゃんと乗りこなしながらより考えて、でも、目の前のことには真剣にという気持ちも忘れずに。今年が終わるときに自分がどうなってるか、自分でも楽しみなんですよね。
取材・文=奥“ボウイ”昌史 撮影=渡邉一生(SLOT PHOTOGRAPHIC)