NTLiveの人気4作品が4週間限定の無料配信~ナショナル・シアター・アット・ホームを開設

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2020.3.29
『一人の男と二人の主人』One Man, Two Guvnors

『一人の男と二人の主人』One Man, Two Guvnors


ナショナル・シアター・ライブ(NTLive)の作品が、2020年4月3日(日本時間)より4週間限定で、自宅のインターネットで無料鑑賞が可能となる。現時点で決まっている4作品は『一人の男と二人の主人』『ジェーン・エア』『宝島』『十二夜』。このうち『ジェーン・エア』と『十二夜』は日本劇場未公開作品。全作品いずれも日本語字幕はない(よって日本語訳の戯曲や原作がある作品については事前の予習をおススメする)。

“ナショナル・シアター・アット・ホーム”と称された本企画は、世界中の人々が新型コロナウィルスと戦う現状を鑑み、英国ナショナル・シアターが、ナショナル・シアター・ライブの存在意義を維持しながら、少しでも全世界の人々の励みになれる活動をしようと考え出した試みである。

元々、ナショナル・シアター・ライブの目的は、世界中の人々へ今もっとも旬な英国演劇をイギリスに居なくても楽しめる“劇場”を提供することだった。現在の過酷な状況下では文化活動が制限され、“STAY AT HOME”の大号令の下、自宅にとどまらなければならない時間が長くなる。そこで、家自体を“劇場”に変えようという考えに至ったのだ。

“ナショナル・シアター・アット・ホーム”では、日本時間2020年4月3日(金)3時から、過去にNTLiveで公開された作品を1週ごとに1作づつ、ナショナル・シアターのYouTubeチャンネルで配信する。視聴は無料で、1週間のみ視聴可能。前述の4作品『一人の男と二人の主人』、『ジェーン・エア』、『宝島』、『十二夜』が週替わりで無料配信される。なんといっても『一人の男と二人の主人』という超バカバカしい笑劇を第一弾に据えることこそ、イギリスが笑いの帝国と呼ばれる所以だ。まずはこの貴重な舞台を自宅で楽しみ、精神の免疫力がマシマシとなっていただくことを望む。

<配信作品>

1、『一人の男と二人の主人』One Man, Two Guvnors
英国時間2020年4月2日(木)19時~4月9日(木)
日本時間2020年4月3日(金)3時~4月10日(金)

■作:リチャード・ビーン(『グレイト・ブリテン』『ヤング・マルクス』他)
■演出:ニコラス・ハイトナー(『ミス・サイゴン』『ヒストリーボーイズ』『ヤング・マルクス』他)
■出演:ジェイムズ・コーデン、トム・エデン 他

英デイリー・メール紙が「この惑星で最高に面白い見世物」と評した抱腹絶倒のドタバタ・コメディー。2011年初演で大好評を博し、ウエストエンドでロングランを記録。ブロードウェイにも進出し、2012年のトニー賞7部門(主演男優賞・助演男優賞・演出賞・楽曲賞・舞台デザイン賞・装置デザイン賞・音響デザイン賞)にノミネートされ、ジェイムズ・コーデンが最優秀主演男優賞を受賞。この後、英国人コーデンは全米人気No.1コメディアンの道を突き進んでいく。イタリアの喜劇作家カルロ・ゴルドーニの戯曲を原作とするが、劇作家リチャード・ビーンが舞台を1960年、イギリス南東部の街に置き換えた。主人公フランシスは地元のギャング ロスコーと、悪名高い犯罪者スタンリーの二人に雇われているが、その事実を主人たちは知らない。二人が鉢合わせしないように右往左往するフランシスだが――。毒の利いた悪ふざけ満載の笑劇だが、その演出をあの『ミス・サイゴン』オリジナル版の演出家で、ロイヤル・ナショナル・シアター総監督も務めた名匠ニコラス・ハイトナーが手掛けていることは大いに注目に値する。

2、『ジェーン・エア』Jane Eyre
英国時間2020年4月9日(木)PM7時~4月16日(木)
日本時間2020年4月10日(金)AM3時~4月17日(金)

■作: シャーロット・ブロンテ
■演出:サリー・クックソン
■出演:マデリン・ウォーラル(『ミスター・ホームズ』『クマのパディントン』)
■上映時間:約3時間20分予定

シャーロット・ブロンテの代表作『ジェーン・エア』の舞台化。元々ブリストル・オールド・ビック劇場で2日に分ける形で上演されて好評を博したプロダクションを、ナショナル・シアターのLyttelton Theaterにて1日で上演する形に焼き直された作品。

3、『宝島』Treasure Island
英国時間2020年4月16日(木)PM7時~4月23日(木)
日本時間2020年4月17日(金)AM3時~4月24日(金)

■作:ロバート・ルイス・スティーヴンソン
■演出:ポリー・フィンドレー
■出演:パッツィー・フェラン、アーサー・ダーヴィル

あの有名なロバート・ルイス・スティーヴンソンによる冒険物語の舞台化。エンターテイメントに仕上がっている本作は、家族で楽しめる一本。過去にほぼアンコール上映がなかった本作も今回、万を持しての貴重なアンコール上映。

4、『十二夜』Twelfth Night
英国時間2020年4月23日(木)PM7時~4月30日(木)
日本時間2020年4月24日(金)AM3時~5月1日(金)

■作:ウィリアム・シェイクスピア
■演出:サイモン・ゴドウィン(『人と超人』)
■出演:タムシン・グレイグ、ダニエル・リグビー、タマラ・ローレンス
■上映時間:約3時間予定

2019年シアターコクーンで上演された『ハムレット』(主演:岡田将生)を演出したサイモン・ゴドウィンが手掛けた、シェイクスピアの喜劇作品。船の難破で生き別れとなった双子の兄妹の周囲に巻き起こる恋の騒動が描かれる。今回配信の舞台では、イギリス人気女優のタムシン・グレイグが、影の主役ともいわれる伯爵家の執事マルヴォーリア(原作では男性執事マルヴォーリオ)を演じて大いに話題を呼んだ。

以上4作品配信についての詳細は、下記のナショナルシアターライブ公式サイトを参照のこと。

公式サイト

ナショナルシアターライブ公式サイト https://www.nationaltheatre.org.uk/nt-at-home/
ナショナル・シアター・チャンネル https://www.youtube.com/user/ntdiscovertheatre/
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