「物語の生まれる場所」大宮エリー×原田郁子(クラムボン)インタビュー 「音があふれるイブ、色があふれる聖夜」

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2015.12.19
左から)原田郁子、大宮エリー

左から)原田郁子、大宮エリー


12月24日(木)、25日(金)に大宮エリーと原田郁子(クラムボン)による「物語の生まれる場所 at 銀河劇場 vol.2」が上演される。ひょんなきっかけで出会ったこの二人。2回目となる今回はどんなことをしようと考えているのか、さっそく大宮と原田に話を聞いた。

――お二人で、またやってみようと思ったきっかけは? 

大宮:前回のライブ (2014年12月13日に銀河劇場で開催された第1回公演) では、700人くらい集まってくれて、そのときは言葉と音楽のステージをやったんです。演劇好きな、辛口の友人が観てくれたんですが、終演後楽屋にきてくれて「すごいよかった」って言ってくれて。また、お客様の反応が“爆笑”だったり“号泣”だったり…。そのとき「来年(2015年)もやれたら」と思っていましたが、いろいろ忙しくて今年(2015年)できるかどうかが微妙になっていました。今年ももうすぐ終わるなと思ったときに、「第2回をやりたい、今やらなきゃ!」という気持ちになりまして、原田さんにお願いしました。 

大宮エリー

大宮エリー

――そもそもお二人の最初の出会いは?何かのお仕事ですか? 

大宮:いえいえ。確かカフェなどで飲んでいて、(原田)郁子ちゃんがいて…ひょんなきっかけで飲むようになって、ハシゴもしているうちに、お互い何か考えていることが近いなって思って…二人とも、あまり女子同士で群れたりしないし、友達もそんなに多いほうじゃない。話しやすいのと、いろいろ説明しなくても「こうなんでしょ?」って気持ちが通じる相手でした。

郁子ちゃんは最初「ノイズバンドをやろうよ」といってくれまして。音楽なら本当の自分の「素」が出るんじゃないかなって言ってくれたのが郁子ちゃん。その後いろいろな人と音楽をやることになったけど、それらすべてのきっかけは郁子ちゃんだったんです。 

この回の公演は仲のいい二人がやる、でなく、絶対やらなくちゃ、という気持ちでいます。 

このクリスマスにライブをやるなんてチャレンジャーだなって思いましたが、自分が郁子ちゃんに出会ってものすごく救われたって思いもありますし、悩んでいたことに光が見えたこともあり、このステージを観ることで同じように感じる人もいるんじゃないかなって。 

クリスマスって、私にとっては家族と過ごしたり、自分と向き合う日なんです。そんな日にライブができることは、来年、再来年に向けて自分が変わっていくステージになるんじゃないかなって思います。 

原田:(大宮)エリーが少しずつ音楽とかかわってきたり、絵を本格的に描きだしたり、その変化を割と傍で見ていました。

「変わる」という曲ですが、仕事で出会ってこんな曲を作ってください、って出来た曲ではなく、自発的に生まれた曲。そのときに悩んでいたり、悶々としていたことなどをお互い話しあっているうちに生まれた曲。「ああ、こういうことから曲が生まれることってあるんだ」って私はすごく驚いたんです。「自分たちのために出てきた曲なんだろうな」と。だからこそ、ぱっと音源化してぱっと世に出す、というより、この曲はゆっくり熟して、曲が育っていくのを見てみたいと思ったんです。それぞれの変化も音に含まれたらと。タイミングを待って、ちゃんと発表したいと思ってました。 

そしたらこの銀河劇場の話が突然やってきて、「やろう!郁子!今!やろう!」ってエリーに言われて(笑) 

原田郁子

原田郁子

大宮:なんでそう言っちゃったんだろう。何かが降りてきちゃったのかな(笑) 今、世の中的に不安だったりするじゃないですか? どんどんこの国も変わってきている。そんなときに心の部分、人を思いやる気持ちとか、人を愛する気持ちとか、そういう原点に立ち返る気持ちが大切だな、今そういうことをやっていかないとならない時期なんじゃないかな…。一つの活動として、そのきっかけは早いほうがいいと思って。

「変わる」は、渋谷のWWWで2012年に発表したんです。あれから3年経ちましたが「変わる」も変わっていきました。3年経ってようやく音源化したものを今回のライブでお届けできることになりました。

原田:今回ライブをやるにあたり、チラシをつくったり、二人の年表をつくったり、一から宣伝活動もして、なんでエリーはこういうことをやろうと思ったんだろう、とか、二人と、そしてバンドのみんなたちとどういうことができるだろう、などなど、毎日考えながら、準備しています。

――二日間、それぞれどんなことをしようと思っていますか?出演者も違いますので何か狙いがありそうですね。 

大宮:郁子ちゃんがやってきたことに芳垣(安洋)さん、高良(久美子)さん、鈴木(正人)さんという手練れの人が加わることで多様な表現が生まれていくと思うんです。芳垣さんはドラムで星の音とか出せちゃうし、高良さんはクラシックにもミュージカルにも精通している、そして鈴木さんはベースからピアノからなんでも弾けちゃう人。ということでこのメンバーが出演する24日の回は「音があふれるイブ」になると思います。そして、25日は私と郁子ちゃんの二人だけの静かな、聖なる夜。ライブペインティングもやりますし。(あ、まだ何も準備してないや…)ええっと、「色があふれる聖夜」になると思います! 

――このライブに行ってみようかなと思っている方にメッセージを。 

大宮:私もいろいろなクリスマスを過ごしてきました。普通にデートしてみたり、表参道のイルミネーションの中を歩いてみたり、ごちそうを食べてみたりもしましたが、今それらを振り返ると「もう一度やりたいか?…楽しかったけど、別にたいしたことではなかったな」と思うんです。それより一人で教会に行ってみたりするほうが心が落ち着くんです。キリスト教の信者ではないのですが、この日は何か<スピリット>がある日だと思うんです。そういう気持ちを届けていけたらなって。 

夏だったかなぁ。公園で郁子ちゃんと二人で語り合ったとき…ベンチに座って星がきれいだったときがあって「なんかクリスマスみたいだね」って思ったことがあったんです。夏なのに。不思議で忘れられない一日です。

原田:これまでの肩書きをあげていけば「大宮エリー」はいろいろなことをやってきた人。でも彼女がやろうとしてることはおそらくひとつのことで、誰かの心に語りかける、ということなんじゃないかとわたしは思っていて。そういう人と「クラムボン」というバンドをやっている原田郁子という人が一緒にやる…うん、確かにやるんですけど、”仲良しコラボ”っていうような概念は一度捨ててもらって(笑)、たまたま40歳の女ふたりが、いろいろ悩ましいこともあるにせよ、歌ったり、笑ったり、ほっとしたり、楽しいことをしたい。クリスマスにそんなにワイワイしなくてもしみじみ過ごしたい人もいるんじゃないかと。わたしもそういうタイプなのですが、そういう方にもぜひ遊びに来てほしいですね。両手広げて待ってます! 当日はロビーにて、エリーの友人の料理人・青山有紀さんのスペシャルフードも出るそうです。ささやかな、いい時間になるといいなと思ってます。

大宮:お客様に何かしらプレゼントができるといいな、って考えています。24日は、ふたりと親交のある、あの、シークレットゲストが飛び入り参加で歌を歌ってくれますよ! ご期待ください! 
 

この日、銀河劇場の会議室でインタビューを受けた二人。「せっかくだから会場の様子を確認しに行こう!」とインタビューの途中で会場の視察に赴き、公演当日にスペシャル・ドリンクやスペシャル・フードが提供されることになっている銀河劇場名物「ロビーのバー」の様子を念入りにチェック。そこでは(インタビュー中にも話が出たように)大宮エリーの友人でもある、料理人の青山有紀さんがクリスマスフードをみなさんに。さらに、スパークリング日本酒のプレゼントも!!!

その後、二人は、劇場が入っている建物「シーフォードスクエア」内の吹き抜けスペース「ガレリア」に飾られたクリスマスツリー前へと移動。まるで子どものようにはしゃぐ二人。果たしてどんな公演になるのだろう?その答えは聖なる夜に天王洲 銀河劇場にて、とくとご確認いただきますよう。

公演情報
物語の生まれる場所 at 銀河劇場 vol.2

■日時:12月24日、25日(木、金) 各日18:00開場、19:00開演
■会場:天王洲 銀河劇場
■出演:
大宮エリー(詩、朗読、バイオリンなど)
原田郁子(曲、歌、ピアノなど)
<24日のみ>出演
芳垣安洋(ドラム、パーカッションなど)
高良久美子(ヴィブラフォン、マリンバなど)
鈴木正人(ベースなど)
■問合せ:銀河劇場 03-5769-0011(平日10:00~18:00)
■案内サイト:http://www.ellie-office.com/ginga/​
 

いまからでも間に合う!ひとりでも、友達同士でも、カップルでも、家族でも楽しめるクリスマス!いろんな仕掛け、特典があります!

☆スペシャルフード☆
劇場では、クリスマススペシャルドリンクと、フードも用意します!
“お願いランキング”でもおなじみの料理人、青山有紀さんがこの日のためにみなさんに作ってくれることになりました。

☆☆ワンドリンク、クリスマスプレゼント!☆☆
新感覚のスパークリング清酒、“澪”の試飲コーナーをロビーに設けます!ぜひクリスマス気分を楽しんでください。

☆☆☆お守りのようなふたりの手作りCD枚数限定で販売☆☆☆
大宮エリーと原田郁子の共作『変わる』を会場限定で販売します!3年の時を経て、やっと初めての音源化です!
ジャケット監修:原田郁子
絵:大宮エリー


 

 
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