末満健一の傑作戯曲『Equal-イコール-』、元吉庸泰演出でリーディング上演&配信が決定
2020年9月27日(日)~10月17日(土)DDD青山クロスシアターにおいて、2014年初演以来、これまでに3度カンパニーを変えて上演されてきた末満健一の傑作戯曲『Equal-イコール-』のリーディング上演と配信が決定した。本公演は、シーエイティプロデュースが7月よりスタートさせたSTAGE GATE VR シアターの第二弾公演として、16名のキャストが2人1組となって行われる。
『Equal-イコール-』は、TRUMPシリーズや舞台『刀剣乱舞』(脚本・演出)、テレビアニメ『ボールルームへようこそ』(シリーズ構成・全話脚本)などで知られる劇作演出家・末満による二人芝居。
病を患う青年・ニコラと、ニコラのために錬金術に傾倒していく親友・テオの運命の七日間を描いた物語で、自身の代表作であるTRUMPシリーズとは一味違った“末満ワールド”に、再演を望む声も多かった。本作では、ふたりきりの濃密な会話劇を、ふたりの役者が役を固定することなく演じ合う手法の戯曲となっており、観るものを“幻惑的錯綜”へと導く。
演出には、劇団エムキチビート主宰、『僕のヒーローアカデミアThe “Ultra” Stage』やミュージカル『ソーホー・シンダーズ』など、幅広い作品でひっぱりだこの元吉庸泰があたり、リーディングならではの新演出で描き出す。
また同時期には、本作のほか2本の末満作品が進行。9月20日(日)より末満が演出を手掛けるshared TRUMP シリーズ『黑世界~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~』が開幕するほか、9月18日(金)~11月22日(日)には末満戯曲初の海外進出となる『Equal-イコール-』の韓国ロングラン公演も決定(イ・ウンヨン演出)。今秋、『Equal-イコール-』が日韓競演となる。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、新しいエンターテインメントの形を模索するなかで生まれたSTAGE GATE VR シアターによる最新技術と、小劇場でうまれ、VRシアター、そして海外へと広がる戯曲『Equal-イコール-』の融合。綿密な戯曲と新演出、そして公演ごとに異なる気鋭の俳優陣が届ける“幻惑的錯綜”の観劇体験を楽しみたい。
演出家・元吉庸泰コメント
とても光栄なことに、“VRシアター”という演劇の新機軸、そして戯曲『Equal』を素晴らしいスタッフ・俳優の皆さまと上演できる機会を頂きました。
“戯曲をリーディングする”という形態は、物語と俳優の本質を暴き出すものです。その生々しい体感を、かろやかに絶望を描き出す物語世界の美しさを借りて、構築致します。お客様には一緒にこの戯曲の迷宮に迷い込んで頂けますよう、趣向を凝らして、お待ち申し上げる所存です。
18世紀初頭、ヨーロッパの田舎町。
肺の病を患い長い間病床に伏しているニコラと、町の小さな診療所で新米医師として働く幼馴染のテオ。
テオはニコラのために、かつて実在しながらも失われた学問「錬金術」を蘇らせようと試みる。
それは「錬金術」における主要研究とも言える「不老不死」の実現を目指すものであった。
しかし、死期の迫るニコラは次第に不可解な行動を見せるようになり、テオとニコラの運命の七日間がはじまるのだった。