NightOwl「新たな夜を始めましょう」　新メンバー加入、最終形態となった渋谷QUATTROワンマンをレポート

NightOwl 新メンバーお披露目LIVE『Night Diver』
2021.01.24(sun) 渋谷CLUB QUATTRO

「新たな夜を始めましょう」

折原伊桜が静かに告げて、新生NightOwlの初ステージが幕を開ける。NightOwlが１月24日（日）東京・渋谷CLUB QUATTROにて、新メンバーお披露目ライブ『Night Diver』を行った。2019年８月、折原伊桜、百城凛音、雨夜憧の３人で活動を開始したNightOwl。2020年３月には活動半年でワンマンをソールドアウトし、９月には１stアルバム『Dear, Night』をリリース。コロナ禍で思うように活動出来ない時期もありながら、確実かつ順調に活動を続けてきた３人はNightOwlのさらなる強化のため、昨年末に長谷川嘉那、望月さくらの加入を発表。今年１月21日に３人体制でのラストワンマンを行い、この日ついに５人体制での新生NightOwlが爆誕！ 緊急事態宣言下において発令内容を遵守し、多くの規制がある中でのワンマンライブとなったこの日だが、会場には多くのファンが集い、新生NightOwlの初ステージを見届け、盛大に祝福した。

会場の照明が落ち、新SE「Night Cruising」が流れると、観客の手拍子に迎えられて最初に登場したのはなんと長谷川、望月の新メンバー２人。突き上げるビートに乗せて踊る２人に、百城、雨夜が加わり、最後に折原がゆっくりと登場。ステージに揃った新生NightOwlは５人で並ぶ姿がまだ少し不思議な感じがするけれど、人数が増えたことで華やかさやスケールを増した印象。１曲目、明るくキラキラした曲調に乗せて、ダンスも５人仕様に再構成された「Shining Ray」をパフォーマンスする５人。新たな夜の始まりに喜びが隠しきれず笑顔で踊る折原、百城、雨夜に対し、懸命に踊る長谷川、望月の緊張した面持ちが初々しく微笑ましい。しかし、そんな緊張が伝わってきたのは最初だけ。「今日は思う存分、楽しんでくれ！」と折原が煽って始まった「Be the one」ではダンサブルな曲調に乗せて、息の合った５人のフォーメーションとパワフルなダンスで観客を魅了。５人のNightOwlの心意気を受け止めた観客が、声こそ出せないが観客が手を振り合わせてエールを送る。

MCでは緊張感もなく和気あいあいとした雰囲気の中、長谷川、望月が堂々と自己紹介。加入が決まった約半年前から、練習を重ねていたという彼女ら。「５人になった理由はこれやったんや！って。その答え合わせをここでしましょう」と始まった「Daybreak」では円形フォーメーションのダンスなど、ステージをフルに使った５人ならではのダイナミックなパフォーマンスで魅せる。５人の歌声が重なることで、歌の力強さや説得力も確実に倍増している。折原のタフでエモーショナルな歌声を全力のダンスが彩った「Feel Alive」、可憐に舞う中で長谷川と望月がリードしてる瞬間さえ見えた「incubate」と、初めての不安や心配を一切感じさせない堂々としたステージは５人になった理由をしっかり体現していて、３＋２が５でなく10にも100にもなる可能性を秘めていた。

「ここからも一つひとつのライブを大切にして、特別なものにしていきたいと思います」と雨夜が告げ、ファンへの感謝と明日への希望を力強く届けた「Precious Time」で始まった終盤戦。「みんなと一緒に未来へ歩んでいこう」というNightOwlの意志を５人で改めて表明した「Dear, Night」、長谷川と望月の見せ場も加わって明らかにパワーアップした「All Night Long」とNightOwlの重要曲が続き、振り付けを合わせる観客と気持ちも身体もひとつになったことをしっかり確認して終演。昨年末、３人体制での最後の取材を行った際に「「NightOwlは５人体制が最終形態だ」というのを結成時からプロデューサーさんに言われていたけど。「３人は準備期間じゃない！」みたいな気持ちもあって、必死に進んできた１年半があって。その速度は５人になっても緩めたくないし、さらに加速していきたい」と新生NightOwlへの意気込みを語っていた彼女ら。十分な準備期間を経て、頼もしい新メンバーと共に走り出した新体制はこの日のライブを見る限り、順調すぎるほどの走り出し。ここからさらに加速して、ファンと共にさらなる高みへと駆け上がっていく彼女らを見守りたい。眩しすぎる朝に向けた、新たな夜はまだ始まったばかりだ。
 

取材・文＝フジジュン　撮影＝真島洸