我儘ラキア、日本一攻めてるアイドルが叩きつけた挑戦状 マイファスをゲストに迎えた対バンツアーFINALに見た成長の証
我儘ラキア
マイファスの熱気と余韻が会場に残る中、後攻で登場したのは我儘ラキア。SEが鳴り、バンドが定位置に付くと、4人がゆっくりステージに登場。「我儘ラキア、始めます。MY FIRST STORYさん、最高のバトンパスをどうもありがとうございます!」と星熊南巫がマイファスへの感謝を告げると、そのまま美声を響かせて「reflection」でライブが始まる。ラウドなバンドサウンドに乗せた、堂々とした星熊のボーカルとMIRIの切れ味鋭いラップ、川﨑怜奈のキュートなムーブに海羽凜の妖艶さ。そして息の合った4人のダンスと、マイファスのバトンを受けて、1曲目から全力のステージを見せた彼女ら。それぞれの個性爆発、ラキアの魅力全開のパフォーマンスに、ラキアを初めて見たであろうマイファスのファンからも大きな拍手が起きる。マイファスNobのプロデュース曲「FUTURES」、さらにメンバー作詞作曲の「Why?」と続き、序盤から気合い十分、攻めのステージで会場を沸かした4人。礼儀を持って遠慮はせず、このステージに本気で挑んでくれたマイファスへの敬意と、「絶対負けない」という遠慮のない気迫に満ちたステージは、普段のワンマンやイベントと比べても、放つ気迫やオーラが全然違う!
我儘ラキア
MCでは、「自分たちは色んな人たちに、アイドルでもない、バンドでもないと言われ続けてきたけど、好きなことをやりたくて。もしかしたら何にもなれないかも知れないけど、自分たちを信じて、いつか憧れのあの人たちとライブが出来るかも知れないという夢を抱きながら、ここまでやってきました」と、このツアーに懸けた想いと、挑戦状を受けてくれたマイファスへの感謝を告げた星熊。「日本一攻めてるアイドル、我儘ラキアです!」と力強く宣言して、披露した曲は「GIRLS」。ダンサーも加わり、歌とダンスで賑やかで華やかなステージを魅せられるのは、ロックバンドにはない彼女らの強み。パワフルな星熊のリードにダンスが華を添えた「New World」、スケール感のある楽曲世界を星熊の歌唱力と全身を使ったダンスで表現した「Ambivalent」と続いて観客を魅了すると、ダンサーがステージを降りて、ステージ上は再び4人に。「Reboot with...「」」で強烈な熱量を放ち、フロアに拳が上がると、その様子を見て星熊が笑顔を見せる。「みんな、こっから盛り上がっていけますか? 一緒に踊ろうぜ!」と川﨑が煽り、「Leaving」が始まる。初見であろう人も懸命に手振りを真似て、明るく楽しい雰囲気が会場を包む。
星熊南巫
川﨑怜奈
続くMCでは、6月にNew EP『ONYX』がリリースされ、リリースツアーを開催することを発表。「今日でWツアーは最後。自分たちの遥か先輩のバンドさんとやるのは初めてでした。でもすっごく嬉しかったのが、どのバンドも全力で来てくれたこと。本当に心から嬉しかったです。色んな人にもらったパワーを引き連れて、リリースツアーも成功させたいと思います!」と対バンツアーの感想とリリースツアーへの意気込みを語った星熊は、「自分たちは叶えたい夢があって、まだまだ夢の途中にいます。無理な壁を越えていこうと思ってるけど、いつか色んな夢を実現して。みんなにもっと勇気を与える人になれると自分では思ってます」と熱い想いを語り、「こんな時期でもひとつになれることを証明して下さい」とスマホのライトが会場中を美しく照らす中、気持ちたっぷりに「One」を熱唱。このツアーを通じて先輩バンドやオーディエンスからたくさんの力をもらって改めて思った、みんなにもっと勇気を与えられる人になりたいという気持ち。4人がマイクを繋ぎ、歌に乗せた熱い想いはしっかり胸に響いたし、この曲を通して会場中の気持ちが重なり合ってる感覚はすごく温かく力強かった。
我儘ラキア
ライブ終盤。「「あの人の人生いいな」とか、「自分とは違うから」とか。そんな言い訳、これからはさせないような曲をみなさんにぶつけていきます。この世に生まれた、一人ひとりが人生の主人公だということ。泥臭くてもいい、どんな生き方でもいい、好きなように生きて、みなさんの人生を全うして下さい。決して、イヤなヤツに負けないと誓ってくれますか?」と曲に込めたメッセージを伝え、星熊が拳を振り下ろして始まったのは、新曲「GR4VITY G4ME」。こみ上げる想いを歌声に乗せた星熊の鮮烈なサビが、聴く者の胸を突き刺すこの曲。川﨑のポジティブなラップや、MIRIの攻撃的なラップ、海羽の心癒す歌声とそれぞれの個性が際立ち、音源とも異なる表現でオーディエンスの心に強く訴えかける歌とパフォーマンスは明らかにツアーを経て、たくましさを増したラキアの最新型。
MIRI
海羽凜
この日の最大の魅せ場と言える新曲披露から、「There is surely tomorrow」、「Melody」とライブ定番曲をたたみ掛けるように披露して、オーディエンスを大いに沸かせたラキア。「この一曲に我儘ラキアの誇りと色んな気持ちをぶつけて帰ります、お願いします!」と始まったラストナンバーは、マイファスNobのプロデュース曲であり、いまやラキアの代表曲とも言える「SURVIVE」。いまの自分たちに足りない部分も自覚して、無謀と分かりながら先輩ロックバンドに挑戦状を叩きつけ、各地でライブの猛者たちと激戦を繰り返し、ついに迎えたツアーファイナル。ツアーに懸けた全ての想いを込めた、まさに全身全霊の「SURVIVE」は最高に熱く力強くエモーショナルで、このツアーのエンディングを飾るに相応しい、素晴らしいパフォーマンスだった。
我儘ラキア / MY FIRST STORY
ツアー前のインタビューで、「対バンのお願いに行ったバンドに「どうしてアイドルなのに、バンドと対バンするの?」と聞かれ、答えることが出来なかった」と話していた星熊だったが。マイファスへの愛と敬意と感謝の気持ちを持って、死ぬ気でぶつかっていったこの日のライブを見て、「そんなライブが出来る相手と対バンしたかった」というのが、答えだったんだろうと思った。6月にはNew EP「ONYX」をリリースして、7月からは新たなツアーが始まる我儘ラキア。自身の成長に加え、先輩バンドたちからも多大な刺激や影響を受けたであろうこのツアーを経て、ラキアはどんな進化変化を遂げたのか? 早く次のツアーが見たい。
取材・文=フジジュン 撮影=TAKAHIRO TAKINAMI
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セットリスト
2022.05.29(sun) チームスマイル・豊洲PIT
MONSTER
FAKE
Missing You
ACCIDENT
PARADOX
I'm a mess
モノクロエフェクター
REVIVER
不可逆リプレイス
reflection
FUTURES
Why?
GIRLS
New World
ambivalent
Reboot with...「 」
Leaving
one
ゼッタイカクメイ
GR4VITY G4ME
There is surely tomorrow
Melody
SURVIVE