ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン 青学(せいがく)vs山吹　ゲネプロレポート

12月24日、TOKYO DOME CITY HALLにて開幕したテニミュ最新作「3rdシーズン 青学（せいがく）vs山吹」公演。初日直前に行なわれた公開ゲネプロには、今回も多くのプレスが駆けつけた。

原作コミックのストーリーに忠実に描かれるテニミュの世界、それも３rdシーズン＝３周目となると、やはり「あの試合展開」「あの名場面」「あの決め台詞」など、すでにおなじみのシーンが「今度はどう描かれるのか」に注目が集まるもの。もちろん、今回もその点は抜かりナシ。まずはこれまでテニミュには登場して来なかった山吹のキャラクター、新渡米稲吉と喜多一馬を投入！　原作コミックでも限られたコマでしか描写のなかった青学(せいがく)・不二周助＆河村 隆とのダブルス戦を、『ジャンプSQ』監修のもと、舞台オリジナルの展開で披露してくれた。これは嬉しいサプライズ。“山吹の陰の立役者”たちがあれほどのキレのあるプレーを見せるとは、長年のテニプリファンでも想像できなかったのではないだろうか。

ミュージカルとしての楽しさの中、きっちりと青春ドラマを描写しているのもテニミュの大きな特徴。例えば「青学(せいがく)メンバーは試合中に進化している」という“言葉”だけではなく、山吹との試合の合間に前回の対戦校・聖ルドルフとの試合シーンを挟み込み、観客に時間の経過を一瞬でフラッシュバックさせつつ“なにを経験しなにを得たか”をしっかり再確認させてくれる構成は、まさに進化の体感。青学(せいがく)レギュラー陣としてもそれを演じる俳優としても、目の前に立つ彼らが場数を踏んで着実に逞しくなっているんだという手応えが、そこにある。

明るさの裏にシビアな強さを秘めた山吹のスクールカラーも好印象。ラッキー千石、南部長と東方の地味’S、サングラスの室町くん、健気なマネージャー壇くん、そして主人公・リョーマと対戦する異端児の亜久津と、それぞれの個性がしっかり印象に残り、どの試合も見応え充分だ。真面目に面白いことをやってくれる聖ルドルフのメンバーももはやおなじみの存在。聖ルドルフは日替わりコーナーにも挑戦、盛り上げることに真摯なその姿もぜひ見守っておきたい。

もちろん、座長として着実に頼もしさを増している古田一紀を中心に、青学(せいがく)メンバーもそれぞれのキャラクターを瑞々しく体現。山吹とのハードな一戦を乗り越えた都大会優勝校にふさわしい強さと自信で、しっかりと板の上に生きている。さあ、ここから全42公演の始まり。遠慮せず、さらなる飛躍に向けてラケットを振って行こう。

会見コメント

越前リョーマ役：古田一紀

原作を読んで感動した亜久津との試合、自分が最初に受けたあの感動をそのままにお客様へ伝えられたら…と思っています。あんなに怖い（笑）亜久津に立ち向かうリョーマの姿は素敵ですよね。今日（12月24日）はリョーマの誕生日だし、この山吹公演の間には大晦日も元旦も節分もバレンタインもあるので、僕らもその都度楽しいことをお届けできたらと思っています。（ステージ同様）そこも是非お楽しみに。

桃城 武役：眞嶋秀斗

今回はついにシングルス３で試合に挑戦することができます。桃城は強いんだ、ということがみなさんに伝わるよう熱いパワーで千石を揺さぶりたいです。校内戦など、青学(せいがく)の良さ…楽しく明るく競い合いながら高め合う僕らの良さが伝わるシーンも見どころですね。年末は今年の感謝を込めて、そして年明けからは「今年もまたテニミュで盛り上がるぞ！」という思いを持って、全42公演を駆け抜けて行きます！

千石清純役：森田桐矢

見どころはやっぱり千石・桃城戦。くわせ者とくせ者のふたりが互いに駆け引きしながら戦う姿を、原作に忠実にやっていきたい。千石のナンバーも楽しくて大好き。みなさんも楽しんでくださいね。山吹中のみんなの試合に詰まっているストーリーひとつひとつも感じてもらえたらいいな。新アンコールソングの『シャカリキ・ファイト・ブンブン』はみんなで踊れる曲なので、振り付けを覚えてみんなで盛り上がりましょう！

亜久津 仁役：川上将大

すべてが初めてでとても新鮮。わくわくと昂った気持ちを全開にしてすべての公演、頑張っていきたいです。亜久津はすっごく悪いんですけど（笑）、そこを全面に押し出し、怖い亜久津をまっとうしたい。新曲のソロナンバーも迫力を大事に見せていきたいです。山吹中としては新渡米と喜多も加わって、原作でもわからなかった山吹のすべてがこの公演でわかるのではないかと。僕ら８人揃った素晴らしさを見てください。

ゲネプロの模様

[取材・文＝横澤由香]