初共演の眞島秀和と吉高由里子が語る、岩松了の新作舞台『クランク・イン!』は映画製作の現場を舞台にした悲喜劇

インタビュー
舞台
2022.9.20

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劇作家、演出家であり、個性派俳優でもある岩松了の最新作『クランク・イン!』。映画撮影の現場を舞台に繰り広げる、サスペンス色溢れる六人芝居となる今作は、2020年に上演した二人芝居『そして春になった』をベースに、その後の物語として再構築する形での上演となる。

とある新人女優が謎の死を遂げ、ストップした映画製作の現場。彼女の死の真相は明らかになっていないものの、映画監督やスタッフたち、そしてこの映画に出演する女優たちは「この映画を完成させなければ!」という強い思いを抱き、映画撮影を“クランク・イン”させる。ロケ地は監督の所有する別荘、キャスティングされた女優たちはどうやら監督と何かしらの関係がある様子……。新人女優は殺されたのか、ならば誰に、どうやって? 愛憎が交錯する、スリリングな悲喜劇が展開していく。

(上段左から)吉高由里子、眞島秀和、秋山菜津子(下段左から)石橋穂乃香、伊勢志摩、富山えり子

(上段左から)吉高由里子、眞島秀和、秋山菜津子(下段左から)石橋穂乃香、伊勢志摩、富山えり子

現場で殺気立って指揮を執る映画監督役に眞島秀和、撮影中に徐々に存在感を増していく女優役に吉高由里子が扮するほか、秋山菜津子、伊勢志摩、富山えり子、石橋穂乃香が出演する。

この舞台が初共演となる、眞島と吉高。「実はつい5分ほど前が初対面、まだ台本も、さわりの部分を手にしたばかり」と笑う二人に、作品の印象、岩松作品に感じる魅力など、いろいろ語ってもらった。

――この『クランク・イン!』への出演のお話が来て、まずどんなことを思われましたか。

眞島:岩松さんの舞台作品はこれまでも何度か拝見させていただいていまして。役者同士で共演する機会が多かったので、俳優である岩松さんのことは良く知っているのだけれど、演出家である岩松さんと今回ついに仕事ができることは本当に楽しみです。そして「岩松さんの演出は厳しいよ」ということはいろいろな役者さんから耳にしていますので、その点ではちょっと緊張しますね。

吉高:私は俳優同士で一度共演はしているのと、あとは別の舞台の楽屋挨拶などでお会いする機会があったりはしたんですが……舞台作品で演出していただけるなんて、最初は冗談かと思ったくらいです。ビジュアル撮影も済ませましたが、いまだに「本当にやるの?」という感覚で、今もフワフワしていてあまり実感がないんですよね。まだ、信じられない。

眞島:ハハハ。それ、すごくよくわかる。

吉高:ねえ。本当なんですかね(笑)。

――岩松さんの作品の、どんなところに魅力を感じていますか。

眞島:岩松さんの舞台は、人間の本性というか、人間の汚い部分もしっかり描いている印象があります。それと、セリフがすごく計算されていると思うので、どういう風に作ってらっしゃるのかにも、とても興味がありますね。

吉高:私は“言葉の人”だなと思っていて。たった一言のフレーズで、どこまで風呂敷を広げられるんだろうと思うくらい、想像もつかない方向で物語が進んでいく感覚があるんです。ある意味、言葉の揚げ足をとるような感じもあるので、ちょっと意地悪なところがあるんだろうな、なんて思ったりもします。

――吉高さんにとって、舞台に立つということは。

吉高:緊張しますね。これまでも舞台に立つと、うれしいこともあれば、さみしいこともありました。あと、自分に興味を持ってくれている人の存在をちゃんと知ることのできる機会になる、ということもあります。映像作品に出る時とはちょっと違う、たとえば失敗した時に自分を立て直す時の心のモチベーションというか、メンタルを強化することが、舞台の仕事ではできるような気がしています。

――ちなみにその、舞台で感じたうれしいこと、さみしいこととは。

吉高:うれしいことは、観てくださる方の高揚している顔の表情から感情がとても伝わってくるところ。チケットをとるのも大変だったでしょうし、仕事を休んだりもしながら、自分の出ている舞台を観に来てくださったんだと実感できた時は、とてもうれしかったです。でも舞台が始まって、寝てる人がいるのを見つけてしまうと、傷ついたりしてさみしい気持ちにもなります(笑)。

――眞島さんにとって、舞台に立つということは。

眞島:役者をやっていく上で、舞台は一番純度の高い仕事だなと思うんです。ライブでお客様に観てもらうという、すごくシンプルな空間なので。そういう意味ではとても大事ですし、ある意味で修業の場だなと毎回思っています。

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