2ヶ月連続楽曲リリース GARNiDELiAが込めた楽曲への想い 「私たちの2022年はここからが本番!」

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2022.10.5
GARNiDELiA

GARNiDELiA

2021年11月の『Duality Code』を皮切りに再始動を果たしたGARNiDELiAが、次なる楽曲を、2ヶ月連続で僕らに届けてくれることとなった。

1曲目として9月にリリースされるのはテレビアニメ『うちの師匠はしっぽがない』の主題歌である「幻愛遊戯」。続いて10月にリリースされるのは『踊っちゃってみた』動画シリーズの最新楽曲であり、ダンサー・みうめの引退に向けて制作された3人で送る動画シリーズのフィナーレを飾る楽曲でもある「謳歌爛漫」。

強い想いを込めて制作された両楽曲、SPICEではその制作秘話を聞くインタビューを決行した。これを読めば今回の二曲がより輝きを増して聴こえてくること間違いなし。楽しんでもらえたら光栄だ。


■仕込んでいたものがついに披露できる、待ちに待った瞬間が来た

――2022年も後半、お二人の名前を見る機会がすごく増えたように感じています。

toku:ここまでひたすら作っていたものがやっと皆さんに公開できるタイミングが来たんですよ。その結果、みなさんの目に触れる機会も増えている気がします。僕らとしては、待ちに待ったタイミングがついに来たという感じです。

MARiA:新曲のリリースが10ヶ月ぶりって言ってたからね。

toku:その間に『カバコレ』で新収録の楽曲は披露していましたけどね。でも、新曲リリースとなると感慨はひとしおです。加えて、これから発表することも数多く控えていますから、今まさに2022年の本番が始まったという感じがしています。

――MARiAさんはその間にソロアルバム『Moments』のリリースもありましたが、今のお気持ちはいかがですか?

MARiA:『Moments』で進化した私をGARNiDELiAを通して見せることができる、やっとその時がきた思ってワクワクしています。ずっと皆さんに披露したくてうずうずしてましたから。

――公開が待ち遠しかったのが伝わってきます。今回リリースとなる楽曲、制作はいつ頃からスタートしていたのでしょうか?

MARiA:先に制作した「幻愛遊戯」は去年の末には動きはじめていましたね。『Duality Code』がリリースされてからすぐぐらいだったかな?

――すると『Moments』と同時進行で作業を行っていたことになりますね。

MARiA:そうなんですよ。ソロやりながら並行してGARNiDELiAも動いていた感じ。ソロの活動している時に「次のGARNiDELiAのリリースはいつですか?」なんて聞かれたりして、その度に発表したくて仕方がなかったですよ(笑)。「今頑張って作っているから待って!」みたいな気持ちでいっぱいした。

■大正を舞台としたアニメならGARNiDELiAにお任せ!

――待ちに待ったリリースとなったのが「幻愛遊戯」だということですね。本楽曲は『うちの師匠はしっぽがない』の主題歌、「オトメの心得」に続いて、タイアップ作品の舞台が大正となっています。

MARiA:そうなんですよ。まさかのタイアップ作品が2作連続で大正(笑)。

toku:次の大正アニメの主題歌も、きっと僕たちが担当するんでしょうね(笑)。

MARiA:いいね、「大正だったら私たちにお任せ」みたいな! あ、でも流石にネタが尽きるか……。

――やはりその部分は課題になるんですね。

MARiA:「幻愛遊戯」は「オトメの心得」とオーダー内容も似た部分がありましたね。「大正っぽさのあるビッグバンドで華やかな曲で、和メロ」というほぼ同じオーダーで、同じコンセプトで曲を作ったばかりだな、なんて思ったのは事実です。

toku:それだけ「オトメの心得」でオーダーに沿った曲が作れたという証拠でもあるので、嬉しい反面ではあるんですけどね。最初はちょっと焦りました。

MARiA:絶対に「「オトメの心得」とあんまり変わらないじゃん」とか言われたくないじゃないですか。いかにしてオーダーの世界観に沿った中で新しい要素を入れていくかってことはすごく考えまたしたよね。

――確かに、そこはバリエーションを持たせたいところではありますね。違いを見せていくにあたって何かとっかかりはあったのでしょうか?

MARiA:ヒントとなったのはやっぱりタイアップである『うちの師匠はしっぽがない』の作品性。この作品って芸事に打ち込む人たちを描いた作品、芸事に打ち込むのって正気の沙汰じゃないということがすごく表れているんですよ。それを曲の中で表現したら「オトメの心得」とは全然違う曲になるんじゃないかと思ったんです。

toku:そこから考えたのは、華やかで大正っぽいビッグバンドの楽曲でありながら、硬派なイメージを曲にしようということ。物語も一直線に、真面目に芸に打ち込んでいくキャラクターたちが描かれていますからね。

MARiA:言葉にすると同じ“華やか”ですけど、「オトメの心得」は愛する人への気持ちを表現した可憐な“華やか”さ、「幻愛遊戯」は芸事のギラついた“華やか”さ。踏み込んで考えたら全然違うテーマが出てきたんです。

GARNiDELiA「幻愛遊戯」

■カギとなったのは「私のしっぽは掴ませない♡」というフレーズ

――そうしてコンセプトが固まり、そこから楽曲に落とし込んでいったかと思います。歌詞が一見普通のラブソングのように見せていますが……というあたりのお話をうかがいたいのですが。

MARiA:気づいていただけたんですね! そうなんです、パッと見た感じラブソングのようですが、実はダブルミーニングになっている。よく読むと恋人への愛ではなく、芸事への愛が歌われていることがわかるようになっているんですよ。

――その芸事への愛こそが『うちの師匠はしっぽがない』から感じとった作品のテーマだったということですね。

MARiA:そうなんです。芸事ってある意味、“芸”を愛してくれるお客さんと、“芸”を作る私たちの間の擬似恋愛みたいなところがある。だから芸事への愛を恋人への愛と錯覚させるように歌詞を書きたいと思いました。

――そんなラブソングのように展開される楽曲、サビ終わりに「私のしっぽは掴ませない♡」と“しっぽ”が出てきたのも印象的でした。

MARiA:絶対にどこかで”しっぽ”という言葉を使おう、それは最初から決めていたんです。そうすればタイアップである『うちの師匠はしっぽがない』ともリンクが強くなる。でも、ギラギラした華やかさのある曲の中で”しっぽ”という言葉を入れるのは難しくて……。

――歌詞世界と“しっぽ”という言葉の相性が良くなかったということでしょうか?

MARiA:そうなんですよ。“しっぽ”って可愛い言葉で、ギラギラした世界とは乖離がある。それをどうやって歌詞の中に入れるかすごく悩んで……。結果的に思いついたのが“しっぽを掴ませない”という慣用句。これなら芸事における“何かを演じて正体を見せない”ということともリンクすると思って、絶対にこの言葉を使おうと決めたんです。

――なるほど、そしてこの慣用句を印象的なサビの終わりに持ってきたと。

MARiA:そう、既に出来上がっていた曲の、サビ終わりのメロディに「私のしっぽは掴ませない」がバッチリはまったんです。これを発見したときは歌詞の神様が降りてきたと思いましたね!

――まさに奇跡のようなマッチングですね!

MARiA:いや、本当に! そこから、普段なら頭から歌詞を書いていくところを、今回はサビ終わりに向けて歌詞を組み立てていく方法で作詞をした。なんかオチに向けて物語を作っていくみたいで、これも落語っぽくていいな、なんて思いましたね。

■スタイリッシュでかっこいい、夜の感じを出したかった

――作詞のお話をうかがってきましたが、続いて作曲のお話も伺えればと思います。tokuさんは「幻愛遊戯」を制作するにあたって「オトメの心得」と曲調の差をつけるために意識したことはありましたか?

toku:まず考えたのは、「オトメの心得」がメジャーキーだったのに対して「幻愛遊戯」はマイナーキーにしようということ。「オトメの心得」は可愛らしい、フワッとした印象の曲だったのでメジャーキーの方がしっくりきたんですよ。対する「幻愛遊戯」はスタイリッシュでかっこいい、夜の感じを出したかった。それを表現するためにマイナーキーを使う、そこがまず意識した点でした。

――なるほど、そのキーの差が楽曲全体の印象を大きく変えているということですね。

toku:そうですね。あとはスタイリッシュさを出すにあたってMARiAの言葉のチョイスも上手く効いているとは思っています。サビ終わりの「掴ませない」なんかは否定の言い切りで曲を引き締まった印象にしていますよね。

――tokuさんは作曲の際に、歌詞がスタイリッシュになるような工夫もしたのでしょうか?

toku:してますね。例えば今回だとサビには音符を多めに配置している。そうすると言葉を詰めて作詞することになるんですよ。結果的に言葉が密になったサビができあがる。ラップの早口を聴いた時のようなかっこよさが作れるんですね。その辺りは意識をして作曲をしいます。

――そんな工夫があったんですね。実際にMARiAさんが書いた歌詞を見た印象はいかがでしたか?

toku:先ほどMARiAも話してましたけど、特に素晴らしかったのが「私のしっぽは掴ませない♡」の部分でしたね。メロディとすごくはまったフレーズになっている。あそこは感動しました。

MARiA:やっぱり! あそこ、いいでしょ!

――tokuさんから見てもメロディとフレーズがうまくはまっているのを感じたんですね。長年ともに活動しているからこその奇跡だったのかもしれません。

toku:それはあるかもしれませんね。言葉にしなくても通じる部分があったのかもしれない。

 

この後、『踊っちゃってみた』動画シリーズの最新楽曲「謳歌爛漫」について

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