詩森ろばの意欲作『スローターハウス』の新ビジュアルが公開　障害者施設で事件を起こした犯人と被害者の母親との葛藤を描く

ニュース

舞台

serial number09 『スローターハウス』

2023年7月15日（土）～７月23日（日）東京芸術劇場シアターイーストにて上演される、serial number09 『スローターハウス』の新ビジュアルと公演詳細が発表となった。

詩森ろばの新作である『スローターハウス』は、2016年神奈川で起きた障害者施設での大量殺人事件に多大なショックを受けた詩森が、その犯人と障害児を殺された母との葛藤を対話劇のかたちで炙り出す意欲作。

主役の青年役にhedge1-2-3で組み高い評価を受けた原嘉孝、彼と対峙する母親役にさまざまな舞台で活躍する那須佐代子。語り手の施設職員をモダンスイマーズの津村知与支、そして殺された息子役を鐘下辰男作品などに出演する新垣亘平が演じる。

【ものがたり】
少年は過酷な環境の中育ち、取り返しのつかない犯罪を犯した。
それは障がい者をこの世に必要ないものと考えて殺すという許されざる犯罪だった。
未成年だった青年は20代後半となり刑務所を出て、いまは孤独に暮らしている。
そこにひとりの女が訪ねてくる。
それはかつて彼が殺した障がいを持つ子供の母であった。
ふたりの行き場のない会話が、鋭く現代を切り裂いていく。

詩森ろば　コメント

詩森ろば

長く知的障害の子供たちのボランティアをやっていました。年に数回の宿泊ボランティアを約10年。子供を持たなかったので、定型発達の子供より、彼らとむしろ親しく、深く関わったという思いがあります。言葉を持たない彼らによってわたしは演出家として、様々なことを学びました。つまり、言葉ではない部分でかわすノンバーバルなコミュニケーションがこの世にあり、それはとても難しく、でも大切で愛しいものだということです。と同時に彼らに対しての社会の無理解も我がこととして知りました。だからこそ、やまゆり園での事件はほんとうにショックで、その後、導かれるようにして現地にも足を運びました。わたしにとって向き合うべき問題と向き合う時間がようやく始まります。「逃げない」それしかできることはありません。大切に作りたいと思っています。