川崎皇輝、元木湧ら東西ジュニアが出演 舞台『サマータイムマシン・ブルース』が開幕し、舞台写真・取材会レポートが公開

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舞台
2025.10.24
舞台『サマータイムマシン・ブルース』

舞台『サマータイムマシン・ブルース』

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2025年10月22日(水)IMM THEATERにて、舞台『サマータイムマシン・ブルース』が開幕し、舞台写真・取材会の模様が公開された。
 

川崎皇輝、元木湧、安嶋秀生、長瀬結星、大西風雅、阿達慶、高橋曽良ら東西ジュニアが出演する舞台『サマータイムマシン・ブルース』が2025年10月22日(水)にIMM THEATERで開幕。初日前には、ゲネプロ取材会が行われ、出演者たちと脚本の上田誠、演出の諏訪雅が登壇し、本作への思いを語った。
 
『サマータイムマシン・ブルース』は、ヨーロッパ企画の第8回公演として2001年8月の初演以降、これまで劇団内で3度上演され、2005年には本広克行監督により映画化された上田誠の戯曲。
とある大学のSF研究会の部室を舞台に昨日と今日をタイムトラベルしていく若者たちを描いており、青春の初々しさ、張り巡らされた数々の伏線が回収されていく美しい脚本、コミカルな会話劇、個性豊かなキャラクターたち、ちょっと不思議で心躍るSF感など、作・上田誠の魅力が詰め込まれたヨーロッパ企画のフラッグシップ・タイトルだ。今回の上演では、演出を上田と共にヨーロッパ企画を設立し、本作に役者として出演してきた諏訪雅が務める。

取材会で主演の甲本役を務めるの川崎は、座長としての思いを聞かれ、「名目上、座長という肩書きがついていますが、僕はそれをあまり感じておらず、みんながそれぞれの空気感を持ってお芝居をしている現場になったと思います。空気が本当に暖かくて、みんな優しく和気あいあいという言葉が似合う現場でした。このメンバーだからこその空気感が出ているのではないかなと思います」と語った。
また、見どころを聞かれると川崎は「今日の我々が昨日の我々に入れ替わる瞬間が何度かあるんですが、そのシーンはすごく新鮮に観ていただけると思います」とコメント。元木も「数分前とは違う自分というのは見どころだね」と同意し、「伏線があちこちにあるので、それを回収する楽しさもあります。僕たちもその伏線がお客さまの記憶に残るようにセリフをしっかり伝えていかないといけないなと思っています」と力を込めた。

本作は、上田にとってもヨーロッパ企画にとっても代表作といえる作品だ。上田は、この作品を書いた当時を「みんな大学生で、今の自分たちっぽいことをやってみようと作った作品です」と振り返り、「ヨーロッパ企画としては、この作品もさすがにそろそろできないなと思っていたときにこのお話をいただき、こうして部室のセットを見ていると演劇そのものがタイムマシンになったような気持ちです。登場人物たちが、不自由な時間のしがらみの中でいかに青春を生きるかというところと、伸び伸びと演じる彼らの姿が重なって、新しい『サマータイムマシン・ブルース』が生まれると思います」と思いを述べた。
そして、演出の諏訪も「皆さんのポテンシャルが高すぎるので、動きもキレがあるし、見栄えもいいし、スピードもある。できるだけ生き生きした状態で観いただきたいと思って演出しました」とアピールした。

取材会の最後に、川崎は改めて「外はアウターを着るか迷うような時期になってきましたが、舞台上ではセミが鳴いています。真夏日のクーラーのない部室を舞台に我々も熱く物語を展開していけたらと思っております。大阪の大千穐楽まで皆さまのお力もお借りして熱く盛り上げていきます。何回観ても新しい気づきのある舞台になっていると感じていますので、ぜひ何度も楽しんでいただけたらと思います」と呼びかけて会見を締めくくった。

物語はとある大学のSF研究会の部室。前日にクーラーのリモコンを壊してしまい、暑い部室でぐったりしているメンバーの前にタイムマシンが現れる。SF研究会のメンバーは昨日に戻り、壊れる前のクーラーのリモコンを取ってこようと画策するが…。

取材会で元木が話していた通り、物語冒頭からあちこちに伏線が張り巡らされている緻密に計算された本作。「あれがここに繋がるんだ!」と胸がスッキリする気持ち良さを味わえる。そして、キャストたちの普段の姿を彷彿とさせるようなわちゃわちゃ感も本作の魅力のひとつ。ぜひ彼らの仲良しっぷりも楽しんでもらいたい。

全登壇者たちのコメントは以下。

■上田誠(脚本)
2001年にこの作品を最初に書いた後、ヨーロッパ企画で何度か再演をしているのですが、今日は見届け人のような気持ちでいます。若手ボクサーの試合を客席の後ろの方から帽子深くかぶって見ている人の気持ちで今日は来ました。楽しみにしています。

■諏訪雅(演出)
この作品はヨーロッパ企画で2001年から4回も上演しているので、初めてのキャストで上演するというのは難しいかなと思っていましたが、昨日、稽古を観ていたら余裕で当時の僕たちを上回っていました。嬉しさよりも悔し涙が出てしまいました(笑)。20年前の作品ですが、新たな形で楽しんでいただけると思いますし、今、観ても楽しい作品になったと思います。

■川崎皇輝
1カ月ほど稽古を続けてきましたが、初日を迎えるという実感がないというのが正直なところです。連日、通し稽古をしてきましたが、僕たちそれぞれの個性に近いキャラクターを演じているので、稽古場でもカジュアルに関わってきました。その勢いのまま、初日を迎えられるのかなと思います。これまでやってきたことに自信を持って初日を迎えられたらと思います。

■元木湧
以下、同文です(笑)。全部(川崎が)言ってくれました。稽古場でも、僕がボケたり、みんながボケたり、突っ込んだりということをやってきたので、その仲の良い感じが自然に舞台に出たらいいなと思います。そうすれば、自然と良いテンポ感ができてセリフも落とし込めると思います。初日を迎える緊張感はありますが、普段通りできたらと思っています。それくらい、通し稽古も重ねてきました。頑張ります。

■安嶋秀生
この作品に携われることをとても嬉しく思っています。タイムマシンというテーマの中に僕たちの青春のキラキラが詰まっているので、この作品を観たお客さまが過去や昨日、今日を大切にしたいと思ってもらえたらいいなと思います。何度も再演され、映画にもなった作品ですが、それらに負けないくらい、僕たちにしかできないものになったらと思っています。

■長瀬結星
皆さまの前でできる嬉しさと、やっと幕が開くんだなという気持ちでいっぱいです。この緊張感がいい意味で伝わり、笑うところは皆さんに思い切り笑っていただけたらと思います。「ここは笑うところだな」と思ったら、皆さん、笑ってください。笑ってくださると僕たちもやりやすくなります。一人でも笑っていただけたら僕たちの勝ちだと思っているので、笑って楽しんでいただきながら、このストーリーに浸かっていただけたらと思います。

■大西風雅
僕は今回、関西から一人で東京に来て一人暮らしをしているのですが、正直、心細いと思っていました。でも、今回は仲が良いジュニアの友達と一緒にお芝居ができ、仲の良い空気感が面白い舞台に挑戦しています。大学のサークルのお話なので稽古前から楽しくできたらと思っていたんですが、実際にめちゃくちゃ楽しくやれています。その空気感を感じていただけたらと思います。

■阿達慶
上田さんの作品で未来人になるのは今回、2回目なので、世間の方より未来人の経験があります。その経験を生かしつつ、演じたいと思います。今日は一段と寒くなりましたが、“サマー”を感じられるような舞台になっています。そこに自分なりの未来人としてのエッセンスを入れて演じられたらと思います。

■高橋曽良
大学のサークルを舞台にした物語ですが、僕自身も現役大学生で、たまにサークルも行くことがあるので、自分に合っているなと思います。みんなよりも後輩なので、最初はめちゃくちゃ緊張していましたが、先輩方が話しかけてくださったり、いろいろなところに連れて行ってくださって、暖かい空気で初日を迎えられることができて嬉しいです。現役大学生なりに、大学生を演じられたらと思います。
 
 
文:嶋田真己

公演情報

舞台『サマータイムマシン・ブルース』
 
【日程・会場】
<東京>2025年10月22日(水)~11月2日(日)IMM THEATER
<愛知>2025年11月6日(木)~7日(金)COMTEC PORTBASE
<大阪>2025年11月12日(水)~11月16日(日)サンケイホールブリーゼ
 
【出演】
甲本:川崎皇輝
石松:元木湧
新美:安嶋秀生
小泉:長瀬結星
木暮:大西風雅
曽我:高橋曽良

田村:阿達慶

照屋:大窪人衛
柴田:北村沙羅
伊藤:川原琴響
 
 
【スタッフ】
脚本:上田誠(ヨーロッパ企画)
演出:諏訪雅(ヨーロッパ企画)
主催:「サマータイムマシン・ブルース2025」製作委員会
 

9,900円(税込、全席指定)
 
(C)️「サマータイムマシン・ブルース2025」製作委員会
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