「新しいシーンをつくりたい」新進気鋭の2人組・KannaとEMNWが対談ーーミクスチャーロックへの想い、東名阪スプリットツアーへの意気込みを語る
撮影=大橋祐希
10月29日(水)にソニー・ミュージックレーベルズから第1弾シングル「ヤング・ムーヴメント」をリリースした1MC1ギターの2人組・Kannaと、2025年にライブシーンで存在感を放ってきた2MCスタイルのロックバンドのEMNW(エムニュー)。懐かしくも新しい日本語ラップにギターサウンドからチルな魅力もあるのKannaに対して、ラウドにしてポップという振り幅を持つEMNWとスタイルこそ違えど、ともに新世代ミクスチャーロックを鳴らす2組が『Kanna×EMNW“2X2”』と題したスプリットツアーを11月6日(木)から名古屋、大阪、東京の3か所で開催する。シーンの新たな胎動となるべく、今回手を組んだ2組がスプリットツアーの見どころや意気込みを語ってくれるというので、合わせて2組の出会いはもちろん、お互いの印象やそれぞれの近況も聞かせてもらった。メンバー達の言葉から早くも両者の間に生まれているグルーヴを、ぜひ感じ取っていただきたい。
写真左からNouchi(MC)、Koshi(Gt)
異なるルーツの“2X2”が
ミクスチャーロックで交差する
ーー『Kanna×EMNW“2X2”』についてはもちろん、Kannaの近況やEMNWはSPICE初登場なので、どんなバンドなのかについても聞かせていただきたいと思っています。早速ですが、Kannaの近況から聞かせてください。おふたりに取材でお会いするのは、1年8か月ぶりなのですが、その時、(2024年の)4月から東京に活動の拠点を移すとおっしゃっていましたよね。それから1年半ぐらい経って、東京の生活にはもうすっかり慣れましたか?
Koshi(Gt):だいぶ慣れました。
Nouchi(MC):うん、慣れました。
Koshi:ただ、こっちに来た当初は駅が難しくて、渋谷とか、出口の案内が途中で消えるし、人もやっぱり名古屋より全然多いから。
Nouchi:倍ぐらいいるよね。
Koshi:そういうところで気疲れは若干あったんですけど、それにもようやく慣れてきたし、アーティストの人達と知り合う機会も増えて視野が広がったと思います。曲を作る時間もめっちゃ増えました。
Nouchi:僕は逆に何も変わってない。もちろん、いい意味で。名古屋にいた時は、毎日喫茶店に行って、パソコンをカタカタやりながら曲を作って、夜になったら家に帰って、また次の日、起きたら喫茶店に行って、またパソコンを開いて、曲を作ってみたいな生活をしてたんですけど、さすがに東京に来たら、感覚も含め、変わるだろうなと思ってたんです。いろいろな場所もあるし、刺激的なものもいっぱいあるからって思ってたんですけど、結局、今も朝起きたら喫茶店行って、パソコン開いて、曲作って、家に帰ってるんですよ。
ーー名古屋にいた頃と変わらずに音楽に取り組めている、と。
Nouchi:そうですね。気張りすぎずに伸び伸びと音楽ができてると思います。強いて変わったことを挙げるとすれば、東京に来てからリリックの書き方がすごく変わりました。名古屋にいた時は割とセルフボーストしていると言うか、いわゆるヒップホップライクな自信満々な曲が多かったけど、東京に来てからもうちょい自分の生活のパーソナルな部分を書くようになった気がします。
ーーなるほど。東京に拠点を移すとき、「Kannaの知名度が上がって来たからこそがんばらなきゃいけない」とおっしゃっていましたが、精力的にシングルのリリースを重ね、今まさにさらなる飛躍を目指しているわけですね。
Koshi:そうです。
ーーそれについては後ほど聞かせてください。その前にEMNWがどんなバンドなのか聞かせてほしいのですが、結成が2024年3月だそうですね?
Menu:そうです。1年半ぐらい前でしたね。
写真左からEmma、Menu
ーーEmmaさんとMenuさんはどんなふうに出会って、どんなきっかけからバンドを組むことになったんでしょうか?
Emma:同じ事務所に所属しながら、元々個人で活動していた2人がバンドを組むことになりました。初めての顔合わせの時、はじめましてと挨拶してから話をしていたら、たまたま『閃光ライオット』というオーディションの話が出て、そしたらMenuが1年前の『閃光ライオット』で一緒だったよねと言い出して、そこで思い出したんです。私ともう1人、ソロで参加していた女の子とたまたま楽屋が一緒になって、「めっちゃ歌がうまいですね」と声を掛けたんですよね。その時、けっこう話をしたんですけど、名前も連絡先も聞けずじまいで、「あの子誰だったんだろう」のまま、まさか1年後にバンドを組むことになるなんて。ね。
Menu:部屋に入った瞬間、見たことがある顔だと思って考えたら、『閃光ライオット』の話が出て、あー、あの時だって。運命的なものをちょっと感じました。
ーー最初から今のようなミクスチャーロックをやろうと考えていたんですか?
Emma:最初はカバーも含め、ポップな感じのものもやっていたんですけど、1stシングルの「調子どうだい?」ってけっこう激しい曲が初期からあって、「ライブをやるとき、こういう激しい曲のほうが気持ちは入りやすいよね」「こういう曲も増やしたいね」という話をしてから、段々激しくなっていって。そうするとミクスチャーロックにたどり着いたという感じです。
ーーということは、おふたりとも元々、ミクスチャーロックのバックグラウンドがあったわけではないということですよね。元々はどんな音楽をやっていたんですか?
Menu:私はロックもいろいろ聴くんですけど、元々はR&Bとかゆったり系の音楽がルーツにあるんですけど、今は本当にEMNWの音楽をやってるのが一番楽しいし、ライブをやっていても生きてるぞって感じるんですよ。
Nouchi:嬉しいですよね。ミクスチャーを、そんなふうに言ってもらえるなんて。
Koshi:確かにね。もはや俺達より全然激しいミクスチャーやってるもん。びっくりした。えっ、これドロップチューニング!?って。
ーー 一方のEmmaさんはどんな音楽をやっていたんですか?
Emma:元々ゴスペルとかミュージカルの舞台とかがルーツにあるんですけど、自分が作ったり、聴いたりするのはジャズ寄りのポップスが好きで。バンドでロックをやっていた時期もあったんですけど、最近は割と落ち着いた音楽をやっていました。そしたら、EMNWで一気に激しいところに行ってしまったっていう。でも、それがすごく楽しいんですよ。
ーー曲はおふたりが作っているんですか?
Menu:これまでリリースしてきた曲は、プロデューサーさんに作ってもらってるんですけど、これからは私達も作詞・作曲に関わっていこうと考えてます。
Emma:プロデューサーさん以外の方にお願いすることもけっこうあって。
Menu:最近、ライブでやってる「Headbang Baby」という新曲の作詞は、なんと、山嵐さんに担当していただいきまして。
ーーえーっ。結成して、まだ1年半ですよね。
Emma:はい(笑)
ーーなおさらすごいと思うんですけど、2025年は飛躍の年だったようですね。
Emma:ありがたいですね。BLOODYWOODさんのツアーから始まって。
Menu:『フジロック・フェスティバル』の「ROOKIE A GO GO」への初出演とか、台湾のフェスとか。
Emma:いろいろなところでライブさせてもらって。
Menu:ほんとありがたいです。
ーー自分達キテるなって気持ちもあるんじゃないですか?
Emma:SNSのフォロワー数も最初200人ぐらいだったのが最近ぐんぐん伸びてきていて、いろいろな人がコメントしてくれたり、EMNWについて話してくれたりしているのを目にすることが増えてきて、本当にうれしいです。
Menu:海外のフォロワーさんも増えてきているので、これは海外にも積極的にライブをしに行けたらと思っています。
Koshi:台湾を2組で回って、1か所だけオープニングアクトやらせてもらえれば、あとは荷物持ちでも何でもやる(笑)。
Menu:謙虚すぎるでしょ!(笑)
ーーLIMP BIZKITの「Rollin’ (Air Raid Vehicle)」の公式カバーは、ボーカルのFred Durstがレスポンスを返してくれたとか。
Emma:ショート動画にコメントを付けて何本も上げてくれてるんですけど、けっこうな頻度でコメントもしてくれていまして。あと、まさかの直接DMも届いて。
ーーえっ、Fredから?
Emma:そうです。最初、絵文字だけで送られてきたんですよ。
Menu:だから絶対本人じゃないって思いました(笑)
Emma:何回か見直したら、どうやらご本人だということが分かり返信させていただいたところから、連絡を取り合うようになりました。
Koshi:いいなぁー。
Nouchi:うらましいです。いや、マジすごいと思うし、僕らとしてはすごくありがたいとも思うし。僕らがミクスチャーをやり始めた8年前とかって、ミクスチャーとかラップロックとかみたいな音楽が日の目を見ない氷河期みたいな時代だったと思うんです。だけど、EMNWも含め、ここ1、2年、そういうバンドとかアーティストとかがけっこう増えてきて、ミクスチャーがまた流行りそうだなみたいな雰囲気がすごくあって。だから、やっていてよかったって思ったし、これからもっとやっていこうって思えるようになったんで。だから、EMNWが注目されてるって僕らとしてもすごくうれしいんですよ。
Koshi:Nouchiが言ったみたいに、これまではけっこうシーンを作りにくかったんです。対バンを誰にしようかってところでも悩んできたし。対バンイベントをやったらやったで、対バンのお客さんと僕らのお客さんで別れちゃったみたいなこともあって、僕達が力不足っていうのもあったと思うんですけど、他のアーティストと一緒にシーンを作って、盛り上げていくってことができずにいたから、EMNWをはじめ、ミクスチャーやってるアーティストが増えてきたおかげで、やっとシーンを築き上げることができるんじゃないかって思うんですよ。
ーーなるほど。まさに今回の『Kanna×EMNW“2X2”』はミクスチャーシーンをKannaとEMNWでもっと盛り上げていこうというスプリットツアーだと思うんですけど、KannaとEMNWはどんなふうに知り合ったんですか?
Koshi:EMNWって名前は知ってたんですけど、実際に会ったりとか、現場が被ったりとかっていうのはずっとなかったんです。そしたら、1回やってみたらいいんじゃないかって事務所から提案されて、ぜひってところから盛り上がっていきました。
Emma:私達も対バンはけっこう悩むところだったから、お話をいただいてから曲を聴いたらめっちゃかっこよくて、同世代でこんなにぴったりの人達がいたんだって!
ーーその後、話したりとか、ごはん食べにいったりとか、そういう機会はもちろんありましたよね?
Koshi:一緒にラジオに出演したことはあったけど、ごはんを食べたことはないよね。
Nouchi:その機会はスプリットツアー中にいっぱいあるでしょ。
Koshi:でも、この前もスタジオで一緒に撮影してたんですけど、その後、お互いにちょっと時間が空いたんですよ。だから、一緒に喫茶店とか行く感じなのかなと思ってたら、いつの間にか帰ってて(笑)。
Menu:いや、私達あの後、リリックを書かなくちゃいけなくて……。
Emma:宿題が溜まってて。
Menu:籠らなきゃいけなかったから、そういうことじゃないよ!(笑)。
Nouchi:じゃあ、しかたない。
Koshi:いや、全然根に持ってないよ。
Menu:あー、持ってる人だ。
Nouchi:ごめん、うちのKoshiが根に持っちゃってる。
Koshi:3年は持つ。
Menu:長っ(笑)。
Koshi:でも行ったことないから行きたいですね。
Emma:行きましょ行きましょ。
ーーそれはさておき、ここからはお互いの音楽について、どんな印象を持っているのか聞かせてください。
Nouchi:同じミクスチャーではあるんですけど、流派が違うと言うか、何て言うんだろう。僕自身はメタル・ミクスチャーと言うか、ハードなミクスチャーってあんまりやってこなかったんで。どちらかと言えば、オルタナ寄りのミクスチャーをやってきたから、同じミクスチャーっていうカテゴリーにはいるけど、音楽性はけっこう違うと思ってます。かわいい2人がこんなに激しいのやってんかいみたいなギャップがすごくいいですよね。
Emma:Kannaは私達よりも、より開けていると思います。
Menu:そうだね。大衆向け。いい意味で。
Koshi:今、煽った? そうなんだよ。ハードなミクスチャーやってる奴らってこうなんだよな。
Nouchi:セルアウトって聞こえました。
Menu:違う違う違う。いろいろな戦い方があるじゃないですか。私達はもう一直線。刺さる人に刺されみたいな感じだけど、Kannaは馴染みやすいし、2人のビジュアルと音楽が合ってる気がするんですよ。聴いていて、2人の姿が想像できるって言うか。
Emma:ロック好きな人にもヒップホップ好きな人にもちゃんと刺さりそうだなって。それにやっぱりNouchiくんのリリックが。
Menu:そうそう。すごいって話をしてたんだよね。
Emma:さっきまでリリックを考えてたんですけど、添削してもらおうかなって思ってたんですよ。
Nouchi:リリックを書く時は、やっぱり考えちゃダメなんだよね。
Koshi:先輩面してる?(笑)。
Nouchi:僕もけっこう真面目に書くタイプだから、気を抜くと、リリックが真面目になりがちと言うか、逆に考えちゃうんですよ。そうすると、おもしろみのないリリックになって、それだと逆に聴きづらいじゃない?
Menu:うん。
Nouchi:だから、最近はいったんお酒を飲むようにしてます。
Emma:そうか。真剣に考えすぎないほうがいいのか。ハードなオケの上に、いい意味で、ちょっとヌケてるようなリリックが乗ってきたら、ひっかかりになってめっちゃおもしろいよね?
Menu:確かに。先輩、ありがとうございます。やっぱ違いますね。
Nouchi:いや、具体的なアドバイスは何もできないんですけど(笑)。
Menu:リリックを書く前にお酒を飲みます。
ーーNouchiさん、照れてます?(笑)。
Nouchi:いや、だって、女の子の前でちょっとかっこつけたくなっちゃうお年頃じゃないですか(笑)。
Menu:わかってるんだ、自分で(笑)。
「KannaとEMNWで踊ろう」
同世代でシーンを盛り上げるキッカケに
ーーさて、今回の『Kanna×EMNE“2X2”』、単発のライブではなくて、東名阪のツアーにしたのは、どんな意図があったんですか?
Nouchi:最初、1発やるみたいな話もたぶん出たんですけど、もっと広げたほうがいいと思ったんですよ。
Koshi:ミクスチャーのシーンを作っていくという意味で、東京で、大きいところでと言うよりは、全国に波及させていくってことをやりたいんですよ。それも含めて、まずはいったん東京、名古屋、大阪でやろうということなんです。だから、今回のツアーがすごく調子よかったら、47都道府県を回るかもしれない。本当に広げていきたいから、いろいろなところでやって、ちゃんと見せていってことをやりたいので、まずはいったん3か所でっていう認識でした。
Nouchi:これでもミニマムというね。
Koshi:広げていきたいっていう気持ちがあるから、ミニマム3のつもりです。
ーーなるほど。そういうことなんですね。お客さんはどんなライブを期待していったらいいですか?
Menu:せっかくの2マンだから、やっぱりKanna×EMNWで新しいことをしようみたいなことになってるんで、そこも期待していただけたらなと思います。
Koshi:2X2だもんね。Kannaが好きな人はEMNWも好きだと思うし、EMNWが好きな人はKannaも好きだと思う。めっちゃいい組み合わせじゃないですか。ハードな音楽をEMNWはやってるけど、ポップさもあるし、楽しさもあるし。逆に僕らはいろいろな音楽をやるけど、一貫してラップはするし、ミクスチャーだし、でも、ポップと言うか、ちゃんと広くいろいろな人が楽しめると思うんで、どっちかが好きな人は両方楽しんでもらえるんじゃないかなって思います。EMNWのファンはEMNWを楽しむ気持ちで来たら、Kannaも楽しめるし、KannaのファンはKannaを楽しむ気持ちで来てくれたらEMNWも楽しめるはずです。
Nouchi:EMNW側の言葉を借りるなら、KannaとEMNWで踊ろうですね。僕らも最近、踊ってもらうセクションとかジャンプのセクションとか作って、けっこう参加型のライブやってるんで、みんな踊ってくれたらうれしいな。
ーーミクスチャーロックとか、ヒップホップとか、ラウドロックのリスナーはもちろんですけど、KannaとEMNWの組み合わせなら、そうじゃないリスナーも楽しめるんじゃないかって思うんですよ。
Menu:そう思います。
Koshi:KannaもEMNWも乗りやすいから。
Nouchi:大衆向け?
Menu:やばい、根に持ってる。ごめんねー。そういう意味で言ったんじゃなくて。
Nouchi:いや、違う違う。けっこう意識してるんで。大衆向けってところは。ミクスチャーってジャンルがそもそもアンダーグラウンドなカルチャーが背景にあるから、アンダーグラウンドのミックスチャーでかっこいいアーティストってめっちゃいるけど、その人達が日の目を見ないのはもったいないって思うんですよ。なので、Kannaがその架け橋の1つになれればいいなってずっと思いながらやってるんで。ライト層と言うか、超アンダーグラウンドの音楽まで掘って、ライブに来るみたいなお客さんじゃない人でも楽しめる2組なので、そこは期待して見にきてほしいです。
Koshi:ラフに遊びにきてくれたらね、絶対楽しめるんで。
ーーKannaは最近、もちろんラップもしていますけど、歌ものとしての魅力がぐっと増してきた印象があります。
Nouchi:それはうれしい。もう死ぬほど、歌の練習してるんですよ。
ーーEMNWはゴリゴリにラウドなところもあるし、ポップでメロディアスなところもあるし、その振り方の極端さがかっこいい。
Menu:ありがとうございます。ちゃんとね、歌えるぞってところも見せたくて。
Emma:最初はずっとラップしかしない曲もあったんですけど、曲の中に歌うところも作りたいと思って入れたら、すごい展開になっちゃって。EMNWの曲って、どれも展開が多いんですけど、いろいろなものが混ぜこぜになって、次から次へと変わっていくおもしろさも魅力になってると思います。
ーーEMNWはDJセットのライブもやっていますが、今回のスプリットツアーはバンドセットなんですよね?
Menu:そうです。DJセットはDJセットで楽しめると思うんですけど、基本のスタイルはバンドセットなので、『Kanna×EMNW“2X2”』もバンドセットでやります。
ーーいろいろ喋っていただきましたが、それぞれにツアーの意気込みを聞かせてください。
Koshi:僕ら、これまでツアーに帯同するみたいなのはあったんですけど、自分達の企画でツアーするってことが初めてなんですよ。単発でやったことはあったんですけど、ツアーがなかなかできなくて。というのも各地、対バンに誰を呼ぼうかっていうところが詰めきれなかったからなんですけど、強力な仲間ともライバルとも言えるEMNWが出てきてくれたことで、やっとツアーができる。それも含め、すごく楽しみにしてます。同じジャンルなんで、コラボはあるのかないのか、飛び入りはあるのかないのか、そういうところも含め、普通の対バンとは違う楽しませ方もできると思うので、ぜひみなさん遊びにきてください。
Nouchi:僕はほんとに楽しみです。EMNWのサポートの人達、けっこう知ってるんですよ。それも含め、すごく楽しみっていうのもあって、みんなでわちゃわちゃできたらいいな。
ーーEMNWのおふたりもお願いします。
Menu:初めての2組で3か所盛り上げることにちょっとだけ不安もありつつ、楽しい未来しか見えないと言うか。絶対楽しくなるっしょ、という自信のほうが99%ぐらいありますね。
Emma:同世代の2バンドがこれをキッカケにシーン全体を盛り上げていけたらいいなと思うし、どっちも踊れるってさっき話に出てましたけど、来た人に楽しんでもらえるライブができると思ってるので、私達も楽しみながら、みんなで盛り上げていけたらなと思います。
Koshi:もちろんEMNWを倒すつもりでやります。
Emma: 3か所やりながらどんどん仲良くなっていってというそのグルーヴから生まれるものもきっとあると思います。
ーーありがとうございます。楽しみにしています。最後にスプリットツアー以外の活動の予定がありましたら教えてください。
Koshi:はい。僕達Kannaは10月29日(水)にソニー・ミュージックレーベルズからの第1弾として、デジタルシングル「ヤング・ムーヴメント」をリリースさせていただきます。僕らがほんとにちっちゃい頃から聴いていたFLOWの「GO!!!」という曲をサンプリングしているんですけど、すごく楽しい曲になってます。それもスプリットツアーでやるよね?
Nouchi:やります。
Koshi:カップリングの「ルックアヘッドジャンプ」もやると思うので、ぜひ予習してきてください。
ーーどんな曲なんですか?
Koshi:どちらともアップテンポなので、盛り上がれるし、踊れると思います。「ヤング・ムーヴメント」はけっこうキラキラしていると言うか、いろいろな技法を詰めこんだんですけど、「ルックアヘッドジャンプ」はシンプルなバンドサウンドが原点回帰と言える曲になってます。
Nouchi:ギター、ベース、ドラムだけで作ったのは、最初に出した「Kanna教」以来なんですよ。「Kanna教」はシングルとしてリリースする前からと言うか、結成した頃からやってるから6年とか7年とかぶりぐらいにバンドサウンドだけで曲を作ったっていう。「ヤング・ムーヴメント」と聴き比べてもらったらめっちゃおもしろいと思います。
Koshi:僕らの原点と最新曲を覚えて、スプリットツアーで歌ってください。よろしくお願いします。
ーーEMNWは?
Menu:11月末から初のThailand Tourが決まっていたり、来年の1月10日(土)には渋谷CYCLONEで初ワンマンライブ『HAPPY EMNW YEAR!! 2026』の開催も決定しました。ワンマンだからこそできる何かしら新しいことはやろうと考えているので、初ワンマン、ぜひ見届けていただけたらうれしいです。
取材・文=山口智男 撮影=大橋祐希
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