五輪に向け「アクション&レガシープラン中間報告」発表
2020年オリンピックに向けた「アクション&レガシープラン中間報告」発表、リオ五輪閉会式でのパフォーマンスの検討メンバー発表も
東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会は、25日に第10回理事会を開催。「アクション&レガシープラン中間報告」および、「フラッグハンドオーバーセレモニー(リオ五輪での引き継ぎ式)」ほかの事案について発表した。同セレモニーの制作体制の概要、検討メンバーも明らかになった。
今回発表された「アクション&レガシープラン中間報告」では、①スポーツ・健康 ②街づくり・持続可能性 ③文化・教育 ④経済・テクノロジー ⑤復興・オールジャパン・世界への発信、の5分野において、それぞれの基本的な考え方が提示された。今後はこれら5つの分野で広く意見募集をした上で、今年夏に正式な「アクション&レガシープラン」が公表されるという。
関連サイト⇒ アクション&レガシープラン2016中間報告(PDF)
文化プログラムの展開は?
文化プログラムの制作進行については、すでに文化庁、東京都がそれぞれ企画の一部を明らかにしており、主管となる組織員会の発表が注目されていた。同中間報告では、「文化の祭典としてあらゆる人々が参加する文化プログラムを展開」すると表明。継承すべき4つのレガシーとして「日本文化の再認識と継承・発展」、「次世代育成と新たな文化芸術の創造」、「日本文化の世界への発信と国際交流」、「全国のあらゆる人の参加・交流と地域の活性化」をあげた。
それぞれのアクション例は以下の通りだ(一部抜粋)。
■キュレーターやアートディレクターなどの文化芸術を支える人材を育成
■テクノロジーとアートを融合させたコンペティションを実施する等、最先端技術を活用した新たな芸術表現の発表の場を充実
■伝統芸能と最先端技術やポップカルチャーを融合させた新たな芸術表現の創造
■「東京キャラバン」の取組を活かした事業をリオデジャネイロや被災地をはじめとする全国で展開
■前例にない大規模な舞台芸術(歌舞伎、ミュージカル、サーカスなど)の実施により東京・日本の文化の力を発信
■国内外のアーティストを受け入れるアーティスト・イン・ レジデンス事業の推進
■アニメソングフェスティバル(世界中の人々が参加し、各国語で歌う)
■みんなで「世界の名曲・JPOP」大合唱・演奏(WEBによる歌詞・楽譜提供、各競技場や音楽祭会場でのフラッシュモブ)
■大会公式ソングやオリンピック・パラリンピック音頭(仮称)、ダンス等の創作と日本各地でのイベントの実施
なお、文化プログラムに関しては、「政府、東京都、全国の自治体、文化芸術団体、民間企業等といったステークホルダーが一丸となった連携・協働体制を構築する」とし、「組織委員会は、節目となる機会(キックオフ、大会3・2・1年前、1000 日前等)に文化プログラムのムーブメントを喚起する事業を実施する」ことが記されている。
リオ五輪閉会式での東京引継ぎ式、検討メンバー発表
今夏のリオ五輪閉会式での「フラッグハンドオーバーセレモニー(次回大会開催都市へのオリンピック旗・パラリンピック旗の引き継ぎ式)に関しては、その企画・制作体制を「東京都と組織委員会が共同して実施」するとした。その上で、様々な分野の専門家の助言協力を受けながら演出内容を決定するという。
検討メンバーは以下の通り(敬称略)。
・椎名林檎(音楽家/演出家)
・菅野薫(クリエイティブテクノロジスト、電通クリエーティブ・ディレクター)
・MIKIKO (演出振付家、Perfumeや数多くのTVCMの振付で知られる)
・宮田亮平(東京藝術大学学長/文化・教育委員会委員長)
・竹内誠(東京都江戸東京博物館館長)
・小谷実可子(オリンピアン/東京2020オリンピック・パラリンピック招致アンバサダー)
・田口亜希(パラリンピアン/一般社団法人日本パラリンピアンズ協会理事)
セレモニーの方向性としては、「若者参加・国民参加」「復興・感謝」などがあげられている。旗の引き継ぎに続き8分間のプレゼンテーションも予定されており、「大会ビジョン」を体現するものとして、2020年への期待が高まるようなパフォーマンスが期待される。
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